.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#198 [桔妁]
 
「繭、っ…」

天弥は、繭の方に駆け寄った。


「俺、もう帰れないと思ったから……だからヤケになってた。

でも、もう…繭が来てからは…やめようと思って、上の方に言いにいったんだ…。

だけど、最後に極悪事件を任されて…。」

⏰:08/01/02 17:08 📱:SH903i 🆔:V3Yv/f4g


#199 [桔妁]
 
「言い訳は、いらない!!」

繭は、一生懸命に話す天弥を蹴飛ばした。

と、天弥の胸元から布の包みが落ちた。――簪だ。

繭は静かに、胸元から落ちた物を拾った。

「あ、ごめ……これ、何―…?」


いつの間にか、頼弦は部屋から居なくなっていた。

⏰:08/01/02 22:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#200 [桔妁]
 
「…や、これは、その……」

今出すべきではないことは承知であるそれは、繭の手へと渡り、布を開けられて、中身が見えてしまった。

「簪、何するつもりで…」

「いや、今日、現代でいうとクリスマスで…で…」

天弥は下を向いたまま答えた。

「つまり、クリプレ?……天弥が買ったの?」

⏰:08/01/02 22:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#201 [桔妁]
 
「あ、あぁ…うん。」

繭の空気が明るくなりつつありそうだと、天弥は顔を上げた、が。

「人殺しの、給料?」


それはそれは綺麗な簪であったのだ。

それが、天弥の給料だとしたら…つまり人殺しをした分の給料ということだ。

「受け取れない…」

⏰:08/01/02 22:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#202 [桔妁]
 


「それは平気じゃ!」

そこへ、聞き覚えのある声が響いた。

「「頼仲(くん)!?」」


「そらやの奴ァ、俺んところで働いちょるんよ!その少ない銭集めて買ったんじゃ!

だから繭、貰ってやってくれんか?」

なっ、と頼仲は天弥の肩をたたく。

⏰:08/01/02 22:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#203 [桔妁]
 
「じゃあ、もう…殺してない?…人は、殺さない?」

簪を見つめながら繭が言った。

天弥も頼仲も頷いた。


「そのかわり"此処"は過去なんだ。いつかやむを得ないときがある…。そのときは、許してくれ。」

「繭を守りたいから」

おい!!!!!誰が守りたいからだ!!」

⏰:08/01/02 22:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#204 [桔妁]
 
頼仲が口を挟んだことにより、なんとなく格好がつかない天弥はぶんむくれていた。

繭は、そんな二人を見て微笑み、簪を髪に刺した。そして天弥のほうへ駆け寄り、


「帰ろう?……なんか、ごめんなさい…でした。」

ばつが悪そうに繭が天弥に言い、手を差し出した。

⏰:08/01/02 22:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#205 [桔妁]
 
天弥は驚きながらも手を取り、頼仲に会釈した。

ぱしゃんと家の扉が閉まり、天弥と繭は帰っていった。

「あ-…繭が取られちったよ…。」

頼仲が繭に本気だったのかは知れないが、空しく響いた声は土壁が吸収した。



その後すぐに二人が雪まみれで戻って来て、明るくなるまで頼仲の家に居たのは、また違う話だ。

⏰:08/01/04 14:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#206 [桔妁]
 
―第6章―

 ――守るためにと
  男は泣いて剣を振る―


.

⏰:08/01/04 15:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#207 [桔妁]
 

「うわ-!こんなにいいんですか??」

冬、村に人が来る事は滅多にないそうで、お茶屋は休業中である。

だからと言う事で、お雪ちゃんに連れられて、お雪ちゃんの家(?)の年始の手伝いに誘われたのだ。(家というか…仕事場?)

そう、今はその手伝いが終わり、一番偉い人からお金を貰った所である。

⏰:08/01/04 15:09 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


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