.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#22 [ぱる.。+]
 
それからそれから、私と先輩の結婚生活まで考えますっ♪


お帰りなさい貴方♪

何になさいます?

ご飯?お風呂?

そ・れ・と・も♪

キャ――――♪

と、繭が妄想の最長を上げた瞬間だった。…歓喜の悲鳴は叫びに変わった。

⏰:07/10/09 02:07 📱:SH903i 🆔:JE1I2vBk


#23 [ぱる.。+]
 
「キャ―――――!?」

私、繭は落ちていました。

おばあちゃんは言っていた。「草村が少しある」と。

でもね、少し歩いただけで崖なんて…―


私の意識は、飛びました。あぁ、死ぬのかな、私。

けれど思うは貴方のこと。

―死のハードル高すぎですよ神様…。

せめて、生かして下さいよぉ…

⏰:07/10/09 02:11 📱:SH903i 🆔:JE1I2vBk


#24 [ぱる.。+]
 


「…………。」

気が付くと川でもなく、御花畑でもなく、古ぼけた家の中に居た。

申し訳なさそうに上にかかる布、何処からか撫でる風が心地よい。

「…死、んだわけじゃない…?」


むくりと起き上がろうとした時である。

右足に激痛。

「………痛ァッ!!!!」

⏰:07/10/09 22:21 📱:SH903i 🆔:JE1I2vBk


#25 [ぱる.。+]
 

―…考えてみれば。

私は崖から転落した訳だから当たり前と言えば、当たり前、か。

というか、足以外今の所すべて無傷なのは、殆ど奇跡ではないか…?



私は、痛みを堪えゆっくりと起き上がり、足を見る。

「………」

丁寧に、日本手ぬぐいのような布で止血がしてある。…木の枝で固定もしてある。

⏰:07/10/11 00:11 📱:SH903i 🆔:ajRZbal2


#26 [ぱる.。+]
 
間違いなく、誰かが手当てをしてくれた跡だ。

「崖の下の、村の人かな…」

繭は、とりあえずまた横になる。

…待っていれば、家の主が帰ってくるだろうし、家に通る風は眠気を誘う。


繭は静かに、ゆっくりと意識を落としていった。

⏰:07/10/11 00:16 📱:SH903i 🆔:ajRZbal2


#27 [ぱる.。+]
 




気付けば、烏が鳴き交わしていて、空はオレンジ色に輝いている。

ふと、家の中に目をやれば、和服の人が囲炉裏の前に座っている。

「……あ、の…」

私が呼ぶ声と同時に、人は振り返った。

…同じ歳位の男の子だろうか、彼はこちらに歩みよる。

⏰:07/10/11 00:20 📱:SH903i 🆔:ajRZbal2


#28 [ぱる.。+]
 
「…起きたか」

その男は、目が鋭い…言えば目つきの悪そうな、すこし背の低めの人だった。

私は問い掛けに小さく頷く。

「二日寝てたんだ、あんたは。…今、雑炊は食えるか?」

また私は、小さく頷くが慌てて聞く。

「あ、あの、」

⏰:07/10/11 00:23 📱:SH903i 🆔:ajRZbal2


#29 [ぱる.。+]
 
「何?」

チラりとこちらを向かれる。

「や…。ありがとう…」

「……。」

……何故無言!!!!!

やりにくい、助けてくれたのはありがとうですが、やりにくい……!



しばらくすれば、お雑炊をこちらに持って来た。

⏰:07/10/12 07:20 📱:SH903i 🆔:W00sXFiA


#30 [ぱる.。+]
 
中を箸で混ぜてみる。

お湯が多く、米らしいものが入っていない...。

アワ、ヒエというもの、みたいな感じ。

おばあちゃんの近所は貧困に悩んでいるのか..。

試しに口に運ぶ。
味付けは、シンプルに塩。

「……。」

正直に、まずい。

⏰:07/10/13 08:05 📱:SH903i 🆔:Hv.9eWTE


#31 [ぱる.。+]
 

繭はそれを口に流し込み、とりあえずお礼。

「助けてくれて、ありがとう…ございます…。」


すると目つきの悪い人は繭の隣に座り、ため息を付きつつ言った。

「さっき、聞いた。…それとさ、お前、服買わない?」

「え?」

私は、ふと自分の服を見る。…折角、おばあちゃんが着せてくれたのに、ボロボロだ。

⏰:07/10/14 20:08 📱:SH903i 🆔:af55k7C2


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