.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#312 [桔妁]
「あははは!!死んじゃってるからって、そりゃあそうじゃけど!」
「……はは、」
そんな繭の少し後ろの木の上、そこに頼仲の正体は居た。
(…頼仲の声、難しいな…)
誰より頼りになる兄、頼弦だ。
:08/04/05 14:30 :SH903i :☆☆☆
#313 [桔妁]
(だけどこうして、成功すれば繭殿と天弥殿がもう泣きに来ないからな…もう少し頑張ろう…)
実はきちんと、頼弦がここまで繭と天弥を応援するには理由があった。ただ、泣きに来られたら迷惑だという理由が。
それからしばらく繭の愚痴を静かに聞いていたが、
「…じゃけど、そらやは繭を好いてるのは丸分かりじゃ!」
:08/04/05 14:36 :SH903i :☆☆☆
#314 [桔妁]
「は!?」
耐え切れてとうとう核心をついてしまった。
「そりゃあ確かに頼仲くんは浮遊霊みたいにして天弥の様子を探ったりするけどさ……」
「いやいや、これは本当!…都ではこれを恋というらしいのじゃけど、つまり天弥は恋して愛してるんと思う!」
:08/04/05 14:44 :SH903i :☆☆☆
#315 [桔妁]
[何、言うんじゃ!違う!]
「!?」
それを言った直後だ。不意に、頼弦の真後ろから声が聞こえた。
「……な、天弥殿!!」
それは今まさに頼弦に追い付いて山に来た天弥だった。
:08/04/05 14:48 :SH903i :☆☆☆
#316 [桔妁]
「?」
急に聞こえなくなった声にしばし不安を覚える繭。
(なな何故天弥殿が!)
(だって頼弦遅かったからね?…それより!繭に何を吹き込んでるんですか?)
ニタニタと、見せた事もないような表情で頼弦に問い掛ける。
そして答えは聞かず、自分は木から飛び降りた。
:08/04/05 21:43 :SH903i :☆☆☆
#317 [桔妁]
「繭。」
はっ、と繭は振り向いた。
その向こうに、見慣れた小柄な少年が立っている。
「…天弥…!?」
さ、最悪!!!聞かれた!?今までの全部聞かれた!?
繭はみるみるうちに頭が熱くなるのを自覚した。
:08/04/05 21:46 :SH903i :☆☆☆
#318 [桔妁]
「怒ってるだろうけど…ちょっと聞いて?…前に頼仲にされた"恋愛話(コイアイハナシ)"について。」
「は!?」
まさか天弥からそんな恋やら愛やらの話が出るなんて!!
「き、聞いてたの!!!」
「…いいから聞いて。」
:08/04/05 21:49 :SH903i :☆☆☆
#319 [桔妁]
――――――――
なぁ、都じゃ最近好きな女子が出来たら[恋した!]と言うらしいんじゃー!
いや、知ってるけど?
でもな、こっちじゃ近くに住んでる夫婦たちが互いに[愛してる]と言うんじゃ。
うん、それで?
……それ、わしは間違っとると思うんじゃ。
うん、何で?
:08/04/05 21:57 :SH903i :☆☆☆
#320 [桔妁]
恋と愛は真逆!海に例えれば、恋は浅瀬じゃ。愛は深海。
浅瀬には魚が沢山居て、つまり皆が見ている環境、皆が知っとる中での戯れ事じゃ。
深海には、灯なんてものはなくて、存在するものも手探りで探し合わなくちゃならん。けど逆に"自分達しか知らない世界"になる。
つまり、愛は心の臓が高鳴るそれとは違うんじゃ。
:08/04/05 23:33 :SH903i :☆☆☆
#321 [桔妁]
ただし、恋と愛は恋愛となれば繋がるんじゃ。ある星では恋愛という単語が存在するらしいからのう。
浅瀬から深海まで知らんと、愛と恋は別物なんじゃ。
……俺にはさっぱりだな!
―――――――――
「―…っつうのが頼仲の話…。」
天弥は頭をポリポリ掻きながら繭の放をちら見した。
視線は繭がぼんやりと入る程度まで下を向いている。
:08/04/05 23:44 :SH903i :☆☆☆
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