.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#51 [桔妁]
「此処か?此処は…鬼道村。」

「キドウムラ?」

「はぁ、鬼の道の村って事。……でも繭って、本当に現代人なのかよ。」

「なっ、失礼な!!」

いきなり知らない所(過去)に連れて来られてしまってテンパってる少女(なんか冷静だけど)に、何と言う言葉を。

⏰:07/12/14 18:51 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#52 [桔妁]
「まぁ、まぁ。それよりさ、なんで急に俺の話を信じてるの。」

「……新聞で見たからです-。神隠し少年だって、騒がれてましたよ-っ。」

自分より大人な対応(?)に、繭は若干負け惜しむような言い方で言った。

「嘘。すっげ-じゃん俺。テレビに名前出ちゃったのかよ。」

そっちかよ。現世に残した家族の心配くらいしなさいよ…。」

⏰:07/12/14 19:35 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#53 [桔妁]
 
(てゆーか、テレビじゃなくて新聞だしなぁ。あ、テレビでもやってたかな?)

「そういう繭も、自分の心配をしろよな-。」

ため息混じりに天弥が言えば。

「あぁ、そうだよね!?…どうやって帰ればいいの!?」

急に青ざめる繭であった。

⏰:07/12/14 19:40 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#54 [桔妁]
 

 しばらくしないうちに、空は闇に喰われかけていた。

部屋には蝋燭の明かりだけ。外ではひぐらしが鳴いている。

目の前にはくさいイノシシ鍋。ほうけている私に天弥はどうした?と聞いてきたけど、首を横に振った。


(ああ、昨日の夜とおんなじなのに……。)

なのに時空が、違うのだ。

⏰:07/12/14 19:46 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#55 [桔妁]
 
(早川先輩のために来たのに、帰れないんだ、もう。

嗚呼、大人びた15歳の天弥とも壁を感じるし、会えない早川先輩にも大きな壁……

こんな大きな試練のある恋をした人は居ないよね。私だけだよ……)


―嗚呼、私はどうなるの…?―

⏰:07/12/14 19:49 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#56 [桔妁]
 

―第2章―

 ―楽しむ過去LIFE?―



.

⏰:07/12/14 19:55 📱:SH903i 🆔:mTWrr0Hk


#57 [桔妁]
 
気付けば、朝だった。


――目を開けたら、お母さんが目の前に居た。

ああ、あれは意識がなかったときの、私の夢だったんだ―――…。


「……なんてワケないんだよね…。これは現実なんだよ…。」

今この太陽の明るさ具合は、ちょうど昨日崖から落ちたのと同じくらいだった。

⏰:07/12/15 07:42 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#58 [∴ナ‐
頑張ってください

⏰:07/12/15 13:38 📱:W43H 🆔:JTZsX2Nw


#59 [桔妁]

>>58闇さん
ありがとう
がんばります

⏰:07/12/15 17:32 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#60 [桔妁]
 
「…………。いない…?」


ふと、繭は周りを見渡した。天弥が居ない。

「天弥さ-ん…。」

こんな未開の地に一人なのだ。例え知らない人だろうと、同類が居る事は心の支え。いなくなると心配である。

「…うう-………」

そんな唸り声を上げたときだった。

⏰:07/12/15 18:00 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#61 [桔妁]
 
「そらや-っ!今日こそ団子屋小町の小夜ちゃんを……あれ?おまいさん、誰じゃ?」

(あなたが、だれです?)

玄関口から現れたのは、薄汚れた少年だった。

と、同時に裏口から声がした。

「「俺なら此処だ-!!!!!」」

「あ、天弥さんの声。」

⏰:07/12/15 18:15 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#62 [桔妁]
 
そのすぐ後に、天弥の姿が声の方から現れた。

「あぁもう、今日は行かな……あ、繭起きたのか。」

手に魚を持っているところを見ると、朝ごはんの準備をしていたようだ。

「あ、天弥さん。おはようございます。」

「…あぁ-、なんかそのお嬢さんみたいな喋り方やめろ。普通でいい。」

⏰:07/12/15 20:47 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#63 [桔妁]
 
お嬢さん?繭は首を傾げた。そして、すぐに気がついた。

(敬語の事?…あぁ、当時12歳のままで学問が終わってるからか…)

「う、うん分かった……て、いうか……

「おい!わしを忘れとるよな、お前ぇら…」

そう、そう。この人は誰なんだか……。気になりますよね、あれ?私だけ?

⏰:07/12/15 20:58 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#64 [桔妁]
 
「ん?…あぁ繭、こいつ

「わしは、頼仲(自称)という者じゃ!よろしくな、繭!」

彼の、第一印象はこうだ。

人の話を聞け。


それと同時に、いい人という感覚はある。

「…ははぁ、よろしく。……ていうか何、その目は。」

⏰:07/12/15 22:05 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#65 [桔妁]
 
「いや-、そらやもこんな女子を見付けるとは。中々のめっけもんだァ!…でも繭よ、絶対わしの方がいい!」

「え?」

ああ、それからこの人、きっと凄く女好きなんだろうな、と繭は感じずには居られなかった。

「……もう俺、ぶっちゃけコイツ嫌だ。」

頼仲の女好きには、天弥もため息モノらしい。

⏰:07/12/15 22:10 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#66 [桔妁]
 
(頼仲さんの目は、女見ると輝くんだろうな……。っていうか天弥!!

"ぶっちゃけ"
って大分古いからね。…さすが当時12歳だよ……)

「は-あぁ-………」

「何じゃ繭、そのため息は。」

「ううん、なんでもないよ。」


たしかに、こんな人ばっかりじゃあ、現世に帰る希望はなくなるかもしれない。

⏰:07/12/15 22:15 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#67 [桔妁]
 

それから、幾分か時は経った。

半月、いや一ヶ月は経ったのだろう。

―――

――



「繭-!」

(来た…団子屋小町んとこ行けばいいのに……)

しばらく頼仲は繭を標的にし、誘い続けていた。

⏰:07/12/15 22:18 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#68 [桔妁]
 
「でもさ、もう怪我治っただろ。一回位付き合ってやれよ。」

なんてことを言うのかこの男!!

「一回位って!!!あんたね-!私には一途に好きな人が………――ァアア!!!!」

繭は、忘れていた。早川先輩を。

「うるさいな-。今のは頼仲よりうるせぇババァ。」

⏰:07/12/15 22:22 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#69 [桔妁]
 
最近、この小学生のまま途絶えた天弥のコミュニケーションにも、やっと慣れた所だ。

「うるさ…!?あぁ、分かりましたよぅ!いいもんね!美味いモノ、たくさん食べてやるんだからっ!!」

それでこんな返答をする私も、天弥並に下がったのかなと、最近思う。正直泣きたい。


「頼仲くん、町に行きたいな-、私っ♪怪我の快気祝いってことで。」

⏰:07/12/15 22:28 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#70 [桔妁]
 
「けっ、何が快気だかなァ?横に伸びる病にかかるぞ。」


うるせ-ジジィ。」


こんな感じで、なんとなく過去の生活が成り立ってきた。

―――順応していた。

⏰:07/12/15 22:31 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#71 [桔妁]
 
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「おばあちゃん、本当に繭は、あの森を抜けて左へ行ったの?」

「そのはずだけどね…繭ちゃん………。」

「おねぇちゃん、帰ってこないの-?」

【ニュースの時間です。少女が消えてから、今日で一ヶ月です。一説では、三年前にもあった神隠しと関連していると見て、迷宮かと………】

⏰:07/12/15 22:36 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#72 [桔妁]
 
「繭の奴、電話も繋がらないし、メールの返事も無い…。」


「早川部長、心配じゃないんですか、一応部員だし。」

「……まぁ、それなりに。」


「時枝は、依然として捜索が続けられている。皆も情報があったら先生に言うんだ。わかったね。」

⏰:07/12/15 22:39 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#73 [桔妁]
 
「天弥と同じような子が出るなんて……あの村は何なんだ……」


「神隠しだって。」

「繭ちゃんが?見つかるといいんだけど。」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

順応している繭に対して、現世では日本国内で知る者は居ない程の話題になってしまっていた。

⏰:07/12/15 22:43 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#74 [桔妁]
 
―――

――

「…頼仲くん。町って、いつ着くの?」


しばらく歩いていた二人だが、中々町には着かない。

「あれれ-、おまいさん。町の女じゃないのかい?鬼道村から町までは二里あるんだけどな。」

二里!?

二里といえば、たしか8キロメートルくらいだっただろうか。確か小学生の時に習った気がする。

⏰:07/12/16 14:33 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#75 [桔妁]
 
だから天弥が町に行くと言う日は、朝早く出て日が落ちた後帰ってくるのだろう。

「…あぁ-私、村の崖の上から来た者だから……。分からなくて。」

「何、おまいさんもか!」

急に声をあげられたので、少し驚く繭。

「あ、いや。天弥もわしが偶然、鬼道洞窟の近くに居たときに助けたんじゃ。…まぁ、見つけたのはわしで助けたのは父上だがの!」

⏰:07/12/16 14:39 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#76 [桔妁]
 
あんな餓鬼拾う位なら、繭みたいなべっぴんを拾いたかったと笑う頼仲だ。

「…へぇ、そうだったんだ。……ていうか、鬼道洞窟って何?」

鬼の道の洞窟なのだ。相当な言い伝えがあるに違いない。

といっても繭はそんなものには何の興味がないので、ただの話題の種なのだが。

「あァ、あそこか?あそこァちょっとした昔話みたいなものがあるね。」

⏰:07/12/16 14:45 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#77 [桔妁]
 
「昔話?……むっ


急に口を塞がれた。

「繭、向こうから誰か来る。」


しばらく二人で固まっていると、本当に誰かが来た。……侍みたいな人が。

しかも、相当お怒りの御様子。

⏰:07/12/16 14:50 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#78 [桔妁]
 
頼仲は、すたすた繭の手を引き、足をすすめた。だが、侍の言葉で足をとめる。

「今お前ェ-、睨んだよなァ?…んだ!野郎が!!」

頼仲は、侍の方を向いた。


威勢のいい奴だなぁ、しかも自意識過剰…。

繭は少し呆れ顔で見ていた。が。

⏰:07/12/16 14:54 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#79 [桔妁]
 
「んだ餓鬼がアァァ!!」

急に刀を頼仲に振って来たではないか。

これにはさすがに繭も青ざめる。

キャアアアア!!!」

だが、頼仲はそれをするりとかわして、逆に短刀を侍に向けた。

⏰:07/12/16 14:57 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#80 [桔妁]
 
「お侍さん、間違えちゃいけんよ。わしはもう19だ。なめるな。

だが…今日は繭が居るから無駄な殺生はせんよ。…鬱憤が溜まっているなら遊郭にでも行けや。」


頼仲はそういって短刀を侍から離すと、繭の方へ駆け寄った。

侍は、すぐに森の中へと姿を消した。

「さぁ、町までは後少しじゃ!」

⏰:07/12/16 15:03 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#81 [桔妁]
 
「う、うん。」

「何じゃ-?ちょっとか男前で惚れたか?」

繭は、はぁとため息を付いた。

無邪気に笑う彼は十九歳だったのか、と。

そして意外と強いのねと。

「まぁ、絶対惚れないけど。」


そう繭が呟けば、次は残念そうなため息が隣から聞こえた。

⏰:07/12/16 15:08 📱:SH903i 🆔:tZ4U.oSM


#82 [桔妁]
 

「ま、まだ食うのか!?」

「うん♪あ、あれも-♪」

町に着いた私達は、早速回り歩いた。

特に、何故か頼仲くんはお金持ちで、色々と食べたり買ったりしてくれた。


「いや、さすがに限界があるってもんだ!!…っておい!」


私は遠慮なく頂いていた。

⏰:07/12/17 01:49 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#83 [桔妁]
 
「あ、あれ何だろ?」

町を進んでいくと、雑貨屋のような店があった。

「…お守り屋じゃ-。胡散臭い石っころに願掛けしたい種類が書いてあるんだけどな。」

頼仲は乗り気ではないが、此処は女の子!

繭も例外はなく、お守りだのおまじないだのという類に弱いのだ。

⏰:07/12/17 18:31 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#84 [桔妁]
 
「…こんなんでいいんか?」


どうしても欲しかった私は、他にはもう欲しがらないからこれを買ってと頼んだ。

「仕方ないな。はい、おじちゃん。この子に一つ。」

頼仲がそういっている間に私は石を選んでいた。

「……あ、おじさん、この石がいい!!」

⏰:07/12/17 18:34 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#85 [桔妁]
 
「なんでェ、ケツみてェな石がいいんか。…で、入れたい文字はあるかいねェ?」

ケツみたいな石とは、失礼な。…私が選んだ石は、ほのかにピンク色で、さらにハート型の石である。

ここに"恋愛"って掘ってもらえば最高だと思う。

「ええ-、じゃあ恋愛って書いて下さい!」

私は紙に恋愛の二文字を書いた。ついでにハート型も。間違えて逆さまに書かれたら嫌だったから。

⏰:07/12/17 18:41 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#86 [桔妁]
 
それが出来上がるまでに、一時間程かかるらしいので、私達は茶屋でのんびりしていた。

「頼仲くんって、十九歳だったんだね…。全然わからなかったよ…。」

「そうか?皆には歳相応だと言われるがな。………というか、繭は凄いよなァ。」

他愛もない話をしているときに突然、繭は凄いと言われてきょとんとした。

⏰:07/12/17 18:45 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#87 [桔妁]
 
「…そらやだよ。あいつァ、他の人間とあんなに話をしないからな。

…わしとおまいさんと……それ以外は会話しちょるのを見た事はないな。」


そりゃあ、そうだろう。小学生にしていきなり過去へと連れていかれたのだ。

心を閉ざしてしまっていても不思議はないだろう。

その点で、頼仲くんの場合は天弥を助けたから話してくれるんだろう。そして私は同じ神隠し仲間だから。

⏰:07/12/17 18:49 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#88 [桔妁]
 
「…天弥も色々あるんだろうなぁ……。あ、あの-…鬼道村に縁結びの洞窟って、あったりしない?」

ここ最近、忙しすぎて全然探せなかった洞窟。頼仲くんは何か知っているだろうか。

そう思った、が。

「ん?そんなん鬼道村にはないな。」

「え、嘘だァ!!」

「いやいや本当さ。」

⏰:07/12/17 18:53 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#89 [桔妁]
 
「な、なんと…」

じゃあ、相当浅い歴史のモノだったと言う事か。

恋する乙女の為の昔ながらの縁結びスポットじゃなかったのか!

「そ、そうなんだ…ありがとう…!!」

御利益があるかと思ったのに!過去に連れて来られてまで田舎に来たのに…


「何、落ち込んでるんじゃ-?」

「ううん、なんでもないよ-ん……」

⏰:07/12/17 19:49 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#90 [桔妁]
 
―――

――


「わぁ、おじさん有難う!」

日も西の山に消えかけて、空は紫色だ。

「おぉ-、ごっつい手の割に、ちっこく掘るんだな-!!」


おじさんからお守りを貰って、帰り道を歩いていると、遠くから悲鳴が聞こえた。

「盗賊共かの。誰か侍が倒してるのかもな。」

⏰:07/12/17 19:54 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#91 [桔妁]
 

特に気にもせずに(盗賊の死体にはびっくりだったけど)道を歩いていたらだ。

一里塚のところに、天弥が居た。しかもボロボロで。

「何があったんスか…」

私がちょっと聞くと、山菜採りだと言った。

「刀持ってるんだね-。」

私がちょっと聞くと、届かない高さの山菜を採るためだと言った。

「あ-!おまい、繭居ないと寂しいんじゃろ-!弱いのう!」

⏰:07/12/17 19:59 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#92 [桔妁]
 
そうやって頼仲がからかうと、天弥は鞘で頼仲を殴った。

頼仲は頭を押さえている。


「ねぇ、あの盗賊さぁ…」

私が聞けば、天弥は。

「知らないね。大体さ、平成生まれの子供が人なんて斬れません。怖いです。これは山菜専用です。」

なぜか天弥は敬語で答えていた。

⏰:07/12/17 20:03 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#93 [桔妁]
 
そこで、頼仲は私に耳打ちをした。


「盗賊が繭に手ェ出したら困るから倒したんじゃろ-ねェ。

繭は美人だから盗賊に何されるか分からないから。…惚れてるな。」



「な、」

あははっと笑う頼仲くんって、結構分からない子だと思った。(子っていうか19なんだけどね…)

⏰:07/12/17 20:07 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#94 [桔妁]
 
それから、三人で手を繋いで帰った。私は右で頼仲くんは真ん中で天弥は左。

なんか、お月様が優しかった。



「なんだかんだ、楽しいんじゃない、かな?」

「お前、帰りたくね-のかよ。」

「繭は他所に行っちゃ駄目じゃ!わしの嫁…うっ!」

腹にクリーンヒット。


まぁ、今も楽しまなくっちゃだよね!

⏰:07/12/17 20:11 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#95 [桔妁]
 
―第3章―

――鬼道村でお勤め。
   私、茶屋小町です。―

.

⏰:07/12/17 20:16 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#96 [桔妁]
 

「……第一回、居候会議ィ〜。」

「わ-い!…って、なんじゃそりゃ。」


気付けば紅葉が真っ盛りだった。皆は中間テスト中くらいか。


突然だが、溝浦家では会議が行われています。

「ど-もこうもね-んだよ!繭、てめぇ食い過ぎ!!

「…え、えへ♪」

⏰:07/12/17 20:19 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#97 [桔妁]
 
昔の人っていうのは、平均身長が物凄い小さい。

だから食事も少ないのだが。

来日(違う)したばかりの私は、ばりばり未来人なので食欲旺盛だ。

天弥は過去に来てからだいぶ経つので少ない量に慣れたのだという。


「食費が大変だ!俺、そろそろ強盗するかも。本当危ないなァー。

…ってなわけで!!!!」

.

⏰:07/12/17 20:24 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#98 [桔妁]
 


「アルバイトね……。働かざる者食うべからず…ってやつですか。」

私は、村の中心部のお茶屋で働く事になった。

「ここは旅人も多いからね。楽しいよ。」

店長っぽい人(主人かな)は優しそうでなによりだ。

「すいません、最中と緑茶を…」

早速お客だ。たしかに身なりが旅人な人。少し……臭い…。

⏰:07/12/17 20:29 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#99 [桔妁]
 
「か、かひこまひました〜♪」

近くに居るとツーンとする。

わかるだろうか、皆には。


―――

――


「つかれたァ…」

気付けば一日中働いていた。まぁ、疲れたといえど、私はお茶を運ぶだけなんだけど。

⏰:07/12/17 20:32 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


#100 [桔妁]
 


「ただいま…」

家に帰ると、最近会っていなかった頼仲が居た。

それと他に女の子も。

「お帰りんしゃいな繭!」

「頼仲くん、久しぶり。……で、この人誰?」

女の子は、多分私と同じ位の年齢だろう。

…化粧などしていてよく分からないけれど。

⏰:07/12/17 20:35 📱:SH903i 🆔:VoPBYhWg


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