.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#83 [桔妁]
「あ、あれ何だろ?」
町を進んでいくと、雑貨屋のような店があった。
「…お守り屋じゃ-。胡散臭い石っころに願掛けしたい種類が書いてあるんだけどな。」
頼仲は乗り気ではないが、此処は女の子!
繭も例外はなく、お守りだのおまじないだのという類に弱いのだ。
:07/12/17 18:31
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#84 [桔妁]
「…こんなんでいいんか?」
どうしても欲しかった私は、他にはもう欲しがらないからこれを買ってと頼んだ。
「仕方ないな。はい、おじちゃん。この子に一つ。」
頼仲がそういっている間に私は石を選んでいた。
「……あ、おじさん、この石がいい!!」
:07/12/17 18:34
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#85 [桔妁]
「なんでェ、ケツみてェな石がいいんか。…で、入れたい文字はあるかいねェ?」
ケツみたいな石とは、失礼な。…私が選んだ石は、ほのかにピンク色で、さらにハート型の石である。
ここに"恋愛"って掘ってもらえば最高だと思う。
「ええ-、じゃあ恋愛って書いて下さい!」
私は紙に恋愛の二文字を書いた。ついでにハート型も。間違えて逆さまに書かれたら嫌だったから。
:07/12/17 18:41
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#86 [桔妁]
それが出来上がるまでに、一時間程かかるらしいので、私達は茶屋でのんびりしていた。
「頼仲くんって、十九歳だったんだね…。全然わからなかったよ…。」
「そうか?皆には歳相応だと言われるがな。………というか、繭は凄いよなァ。」
他愛もない話をしているときに突然、繭は凄いと言われてきょとんとした。
:07/12/17 18:45
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#87 [桔妁]
「…そらやだよ。あいつァ、他の人間とあんなに話をしないからな。
…わしとおまいさんと……それ以外は会話しちょるのを見た事はないな。」
そりゃあ、そうだろう。小学生にしていきなり過去へと連れていかれたのだ。
心を閉ざしてしまっていても不思議はないだろう。
その点で、頼仲くんの場合は天弥を助けたから話してくれるんだろう。そして私は同じ神隠し仲間だから。
:07/12/17 18:49
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#88 [桔妁]
「…天弥も色々あるんだろうなぁ……。あ、あの-…鬼道村に縁結びの洞窟って、あったりしない?」
ここ最近、忙しすぎて全然探せなかった洞窟。頼仲くんは何か知っているだろうか。
そう思った、が。
「ん?そんなん鬼道村にはないな。」
「え、嘘だァ!!」
「いやいや本当さ。」
:07/12/17 18:53
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#89 [桔妁]
「な、なんと…」
じゃあ、相当浅い歴史のモノだったと言う事か。
恋する乙女の為の昔ながらの縁結びスポットじゃなかったのか!
「そ、そうなんだ…ありがとう…!!」
御利益があるかと思ったのに!過去に連れて来られてまで田舎に来たのに…
「何、落ち込んでるんじゃ-?」
「ううん、なんでもないよ-ん……」
:07/12/17 19:49
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#90 [桔妁]
―――
――
―
「わぁ、おじさん有難う!」
日も西の山に消えかけて、空は紫色だ。
「おぉ-、ごっつい手の割に、ちっこく掘るんだな-!!」
おじさんからお守りを貰って、帰り道を歩いていると、遠くから悲鳴が聞こえた。
「盗賊共かの。誰か侍が倒してるのかもな。」
:07/12/17 19:54
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#91 [桔妁]
特に気にもせずに(盗賊の死体にはびっくりだったけど)道を歩いていたらだ。
一里塚のところに、天弥が居た。しかもボロボロで。
「何があったんスか…」
私がちょっと聞くと、山菜採りだと言った。
「刀持ってるんだね-。」
私がちょっと聞くと、届かない高さの山菜を採るためだと言った。
「あ-!おまい、繭居ないと寂しいんじゃろ-!弱いのう!」
:07/12/17 19:59
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#92 [桔妁]
そうやって頼仲がからかうと、天弥は鞘で頼仲を殴った。
頼仲は頭を押さえている。
「ねぇ、あの盗賊さぁ…」
私が聞けば、天弥は。
「知らないね。大体さ、平成生まれの子供が人なんて斬れません。怖いです。これは山菜専用です。」
なぜか天弥は敬語で答えていた。
:07/12/17 20:03
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