○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 全 
#481 [向日葵]
そしてあがってから階段を駆け上り、ドアを閉める前に家の皆に聞こえるくらいの声で
「おやすみっ!」
と言った。
でも実際は寝るんじゃない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11時40分。
私はそろーっと部屋のドアを開けた。
家の中はシーンとしている。
ここで嬉しいのが私の家の就寝時間が早いって事だ。
:07/11/26 01:30
:SO903i
:☆☆☆
#482 [向日葵]
私がやる事。
それは1つ。
今からマスターに会いに行くのだ。
マスターに24歳おめでとうって、仲直りするつもりで言いに行く。
足音を出来るだけ立てず、玄関のドアを静かに閉めて、作戦へ移る。
とにかくダッシュでマスターの元へ。
秋になりかけの夜中は思っていたよりも涼しかった。
せっかくのお風呂も汗ばんだ肌には意味がないような気がしたけど、多分マスターは気にしないだろう。
:07/11/26 01:34
:SO903i
:☆☆☆
#483 [向日葵]
「ハァ……ハァ……あれ……?」
閉店時間はとっくに過ぎている筈の喫茶店に、灯りがまだついていた。
さすがにドアには「Close」の看板がかけてあったけど。
中を覗くと、マスターがまだカウンターにいた。
思い切って、ドアを軽くトントンと叩いてみる。
「こんな時間なのに誰だ。」と言う驚きは見せなかったマスターだが、訪問者が私と分かると目を見開いてすぐにドアを開けに来た。
「世津さんっ!何をなさってるんですかこんな時間にっ!」
:07/11/26 01:39
:SO903i
:☆☆☆
#484 [向日葵]
腕を引っ張って中へ入れてもらった。
マスターの少し怒った目を無視して、私は携帯の時計を見た。
「……50分……。」
「え?」
「マスター、文句は後で聞くから、黙って10分間私をここにいさせて。」
マスターは何が何だかと言った風に顔をしかめたが、直ぐに口元に笑みを戻した。
「お飲み物でも用意しますね。」
そう言ってカウンターに行ってしまった。
:07/11/26 01:43
:SO903i
:☆☆☆
#485 [向日葵]
今の会話で約2分……。
私の胸はウズウズして仕方なかった。
早く早くと体を揺らしたい気分。
でも貧乏揺すりは品が無いと思い、必死に高まる体を押さえつけた。
すると段々と喫茶店に甘い香りが漂ってきた。
カウンターを見ると丁度マスターと目が合い、私ににっこり微笑んだ。
それだけで私の心臓がドキンとする。
「な、何を作ってるの……?」
「もう少しお待ち下さい。すぐ出来ますから。」
:07/11/26 01:51
:SO903i
:☆☆☆
#486 [向日葵]
しばらくしてテーブルに出てきたのは
「キャラメルマキアーとです。いい香りでしょう。」
甘い匂いの原因はこれだった。
「あ……ありがとう……。」
一口飲もうとしたけど、見るからに熱そうなのでじっと見るだけにした。
マスターは私の向かい側に座って黙っている。
「――っ何か喋ってぇ!」
:07/11/26 01:54
:SO903i
:☆☆☆
#487 [向日葵]
沈黙に耐えきれなくなった私はマスターに懇願した。
いきなりの私の言葉に珍しくマスターがビクッとしていた。
「いえ……何かジリジリしておられましたんで、黙っていた方が良いと思いまして。」
「黙られた方がジリジリするわよ……。」
ため息をついて時間を見た。
只今56分……。
「梨子さんが……。」
その名前を聞いて、今度は私がビクッとしてしまった。
何しろ気まずくなった元はあの子にもあるのだから。
:07/11/26 01:57
:SO903i
:☆☆☆
#488 [向日葵]
「私を好きだと……おっしゃいました。」
「……うん。そう……。」
57分……。
マスターは指先を絡めたり外したりを繰り返している。
私はそれをじっと見ながら、マスターの次の言葉を待っている。
「失礼ながら……お断りさせて頂きました。」
「失礼ながら……?」
失礼って何?
断るのなんか……当たり前だと思ってた。
:07/11/26 02:01
:SO903i
:☆☆☆
#489 [向日葵]
「マスターは優しすぎる!」
ガタッと席を立った。
机に少し当たってしまい、振動でキャラメルマキアートがチャポンと音を立てた。
「マスターは、私が好きじゃないの?!なのに「失礼ながら」って……っ。マスターはあの子の事が少しでも好きだったとかそういう訳?!」
58分……。
「違いますよ。大切なお気持ちを私は踏みにじってしまったんです。だから」
「そういうのが、私は嫌なのっ!」
:07/11/26 02:05
:SO903i
:☆☆☆
#490 [向日葵]
ああ!私仲直りするつもりで来たのに何ケンカしちゃってるのよ!
……でもどうしよう……止まらない……。
「目の前で他の人の頭撫でたり、優しく笑ったりするの嫌なの!仕方ないって分かってる!それがマスターの仕事だもんっ!……でも納得出来ない所があるんだもん!」
「世津さ」
「マスターが私を大事にしてくれてるのは分かってるの!でも、そんな寛大に見れるほど私には余裕がないのっ!」
59分……。
あと1分と気づいた所で私は黙った。
一気に言いたい事を言ったから息が軽く上がっていた。
:07/11/26 02:10
:SO903i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194