[ストリート×チルドレン]
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#501 [トイロ]
クラスの空気が騒ぎだした。


「ん?なに?」


人ごみの中央に目を細めてみると、
子犬みたいにちっちゃい男の子の姿がはいった。


「うわぁーん!幸の嘘つきぃー!!」

⏰:09/01/13 17:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#502 [トイロ]
泣き叫んでる男の子は、光国 躬稀くん。
幸と同じく、同じ中学仲間。


「今日は一緒に銀河街に行くって約束してたじゃん!」


どうやら幸がドタキャンしたみたいだ。


「マジごめん!
今度絶対埋め合わせするから、な?
だから泣くのやめろよ、ミケ」

⏰:09/01/13 17:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#503 [トイロ]
「ひっく、幸の鼻なんか‥のびちゃえ!
う゛わあーん!」


周囲の冷たい視線が、幸に突き刺さる。


ミケくんは一向に泣き止まない。


すると、幸はミケくんに近づき、

⏰:09/01/13 17:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#504 [トイロ]
−ペロッ


ミケくんの涙を舐めて拭きとった。


ミケくんは泣きわめくのも忘れて、目をぱちくりさせてる。

(萌えキュンだ〔笑〕)

⏰:09/01/13 17:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#505 [トイロ]
「ほんとにごめんな
ミケのほうが先約だったのに」


ミケくんは満面の笑顔で答える。

「ううん、大事な用事なんでしょ?
それならしょうがないよ♪」



その様子を乾いた目でみていた架奈がぼやいた。

⏰:09/01/13 17:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#506 [トイロ]
「たまに思うけど、幸って‥ホストっぽいよね」


「ん〜言われてみれば‥そうかなぁ?
ま、幸のお兄さんが元ホストだから、その影響もあるのかもね」


香介さんと幸に血のつながりはない。
けれど表では『兄』となっている。


たぶん、裏の仕事とかが関係してるんだと思う。

⏰:09/01/13 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#507 [トイロ]
架奈は納得したようにうなずいている。

「なら、幸って前からあんなだったわけ?
初めて会ったときとか」



「幸と初めて会った‥‥‥」




++++++++++

⏰:09/01/13 17:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#508 [トイロ]
季節外れの転校生。


担任の馴れ親しんだ声が響く。

「今日から2年1組の仲間になる、いがらし さちくんです
みんな仲よくしてあげてね」


「はーい!」

⏰:09/01/13 17:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#509 [トイロ]
あたしたちの元気な返事に、担任は満足顔でうなずく。


「じゃあ、さちくん
あなたの席は‥あきこちゃんの隣ね
窓際の、後ろから2番目よ」



転校生がとなりに座っても、
あたしは目を離すことができなかった。

⏰:09/01/13 17:56 📱:PC 🆔:☆☆☆


#510 [トイロ]
`


夕焼けのようなオレンジ色の髪に見惚れて‥。



これがあたしと幸の出会いだった。


.

⏰:09/01/13 17:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#511 [トイロ]
++++++++++


#10話#

幸×秋子:{小学2年生


ーENDー


++++++++++

⏰:09/01/13 18:00 📱:PC 🆔:☆☆☆


#512 [トイロ]
#11話#

あたしは林 秋子、中学2年生。

そしてあたしには7年間、クラスが離れたことがないヤツがいる。


「アキコ、サボテンのCD持ってきてやったぞ」

それがこの声主、五十嵐 幸。

⏰:09/01/23 15:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#513 [トイロ]
「あ、サンキュ〜
来週には返すから」


「おう
んじゃ、俺はサッカーしに行くわ
アキコもくる?」


「ん〜‥やめとく
今日はスパッツはいてないし、ジャージも持ってきてないしね」

⏰:09/01/23 15:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#514 [トイロ]
わかったと言って、幸は教室からとび出していった。



「で?そこの二人はなに笑ってんのさ」

あたしは教室の隅っこでこっちをみながら、
にやにや笑ってる二人組に言った。


「いや〜
ほほえましいなぁ、てね♪」

⏰:09/01/23 15:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#515 [トイロ]
歯並びのいい、白い歯をみせてさわやかに笑っているのが、並木 桜(なみき さくら)。

桜は女の子なんだけど、幸にも負けないぐらい、女子にモテる。
理由は簡単。
そこらへんのイケメン男子よりも断然かっこいいから。

ツンツン頭の黒髪に、ほどよく日焼けした肌。
そしてなによりレディファースト!(笑)

⏰:09/01/23 15:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#516 [トイロ]
「五十嵐くんも回りくどいですわね
いつまでも"親友"とかごまかしてないで、
はっきり"好き"だとおっしゃえばよいですのに」

品のよい笑顔をうかべているのが、倉持 小百合(くらもち さゆり)。

この子は言葉遣いでわかると思うけど、正真正銘のお嬢さま!

⏰:09/01/23 15:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#517 [トイロ]
育ちのせいか、ちょっと自己中なときもあるけど、基本的には優しくていい子なんだよ。


「でも、さゆりちゃん
"親友"ていうのは、ホントに‥その〜‥"好き"ていうことなのかなぁ///」


「当たり前ですわ!
男と女の友情は、曖昧で不安定なものですのよ」

⏰:09/01/23 15:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#518 [トイロ]
桜が腕を組んで、うなる。


「う゛〜ん?
てかさ〜、アキコはこのあいだ、幸に『好きだ』て伝えたんだろ?
なんかいつもと変わりなくね?」


「あ゛〜それはたぶん幸‥友達としての『好き』だと思ってる」

⏰:09/01/23 15:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#519 [トイロ]
二人の口がぽかんとあいている。


「‥相当の鈍感だな」


「ええ、‥救いようがありませんわね」


「ちょっと、ふたりとも;」

⏰:09/01/23 15:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#520 [トイロ]
「でもアキコが好きなんだから、どーしようもないよな」




『あたしは、幸がすきだよ』


−ボッ

⏰:09/01/23 15:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#521 [トイロ]
あたしは、あのときの自分の言葉を思い出してしまった。

顔が熱い。


「‥本当に、アキコちゃんは恋愛のことになると
いつも以上に可愛らしいですわね」


「だなァ〜♪」

⏰:09/01/23 15:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#522 [トイロ]
「ッ〜〜〜んもう!///
ふたりともだまらっしゃい!」





そう、あたしは一昨日、幸に好きだということを伝えた。

⏰:09/01/23 15:34 📱:PC 🆔:☆☆☆


#523 [トイロ]
でも、あれは告白とか、
そういうものじゃなかったと思う。


なぜか‥‥なぜか幸に
好きだと伝えなきゃいけないような気がした。


ただ、それだけだよ。

⏰:09/01/23 15:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#524 [トイロ]
++++++++++

おとといの放課後、あたしと幸は窓ガラスを割った罰として、
居残り掃除をさせられていた。


「さっむーい!
なんでこんな季節に外で落ち葉集めなのさ!
せめて教室でしょ」


「そりゃバツ掃除だからな
さっさとゴミ袋、満タンにして帰ろうぜ」

⏰:09/01/24 18:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#525 [トイロ]
「う゛っ」

気まずい声をもらす。


「‥幸、ホントによかったの?」


なにが?ていう顔を向けてくる。

⏰:09/01/24 18:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#526 [トイロ]
「だって、窓ガラス割ったのって‥ほとんどあたしのせいだし
幸はバツ受ける必要ないじゃん」


「いーんだよ
いつも言ってんだろ
アキコは俺の大事な"親友"だって
だからそんなの関係ねぇーの」


「うん、わかった
ありがとうね、幸」

⏰:09/01/24 18:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#527 [トイロ]
−五十嵐くんがおっしゃってる"親友"という言葉は、
女として1番大切な人、つまり"好き"という意味だと思いますわ


あたしはふっと、以前さゆりちゃんに言われたことを思い出した。


(幸があたしのことを好きだなんて思えないけど‥ちょっと確かめてみるか!)

⏰:09/01/24 18:32 📱:PC 🆔:☆☆☆


#528 [トイロ]
「ね、幸」


「ん、落ち葉がたまってるとこ見つけたか?」


「ううん、そうじゃなくてね
その〜‥幸は〜‥///」


いざ本人にきくとなると口ごもってしまう。

⏰:09/01/24 18:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#529 [トイロ]
「なんだよ」


こっちの気も知らずに、幸は急かせる。


「えっと‥その〜幸は好きな人とか、いるのかなぁ〜‥なんて」


幸の表情が固まる。

⏰:09/01/24 18:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#530 [トイロ]
「えっ‥幸?」

予想外の幸の反応にびっくりした。


「あっ、いや‥」


幸はあたしから目を反らした。

⏰:09/01/24 18:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#531 [トイロ]
「どしたの?
もしかして‥怒らせちゃった?」


「いや!それは違う、んだけど‥」


あたしは幸の言葉を待つ。

⏰:09/01/24 18:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#532 [トイロ]
「オレには人を愛する資格なんてないんだ」




(‥‥‥え?)

⏰:09/01/24 18:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#533 [トイロ]
(えーっと‥これはどういう意味なんだろう
もしかして‥あたしに対する遠回しのおことわり?
それとも、なにか嫌なことでもあったとか?)


云々いろいろ思考回路を巡らせていると、
不意に幸の横顔が目にとまった。


どこか淋しそうな横顔だった。

⏰:09/01/24 18:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#534 [トイロ]
次の瞬間、おっきな声で叫んでいる自分がいた。


「あたしは、幸がすきだよ」



幸はすぐにあたしの方をみた。


その顔はさっきとは違って、目を丸くしていたけど、
すぐにいつもの笑顔をみせて言った。

⏰:09/01/24 18:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#535 [トイロ]
「ありがとう、アキコ」


(ああ、やっぱりあたしは"親友"としてじゃなく、
ひとりの"男"として、幸が好きなんだな)

胸の鼓動を感じながら、このとき、あたしはそう思った。


++++++++++

⏰:09/01/24 18:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#536 [トイロ]
部活が終わり、すっかり薄暗くなった廊下を、あたしは一人で歩いていた。


(おととい‥あたし、幸に『好き』て言ったんだよね)


下校時刻のアナウンスが校舎内にながれる。


駆け足で下駄箱を出て、校門へ向かう。

⏰:09/01/24 18:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#537 [トイロ]
(なんか実感わかないや
あっちも告白って思ってないし;)


一人で通る、夜の桜並木はどこか怖い印象がある。


(そもそも‥いつから好きになったんだろう)


幸と初めて会ったのは小2のときだ。

⏰:09/01/24 18:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#538 [トイロ]
当時のあたしは、幸のきれいなオレンジ髪をずっとみていたくて、
いつでもどんなときでも幸のとなりにいた。


桜並木をぬけて、暗闇のなかでもきらめく繁華街に、はいる。


幸を好きになったのは‥好きなのだと実感したのは、
まだ最近の話だ。

⏰:09/01/24 18:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#539 [トイロ]
「気づいたら、もう好きだったんだよね〜」


ネオンの光がまぶしい。


あたしは足をとめた。


そして建物とのあいだにできた暗い小路へ曲がった。

⏰:09/01/25 11:15 📱:PC 🆔:☆☆☆


#540 [トイロ]
自分でも、どうしてそこに入ったのかわからない。


けど、入らなきゃいけない気がしたの。


だって、


「幸っ!?」


幸がいるような感じがしたから。

⏰:09/01/25 11:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#541 [トイロ]
幸は裏仕事の姿、つまり全身を黒でまとっていた。


そして銃弾をかすめたのか、身体のあちこちが破れていて、そこから血が流れていた。


「大丈夫!?
包帯とか入ってないかな、柔道部用のとか‥」

バックのなかを必至にあさる。

⏰:09/01/25 11:17 📱:PC 🆔:☆☆☆


#542 [トイロ]
手にとったのは‥今さっき使ったタオル。


「汗くさいけど‥しょーがないよね!」


一番傷がひどい右腕をおもいっきり縛った。


すると、幸があたしの耳もとで呟いた。

⏰:09/01/25 11:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#543 [トイロ]
「‥アキコ」


−どくん!


「なっ、なに?///」


「今すぐ‥うっ!」

⏰:09/01/25 11:18 📱:PC 🆔:☆☆☆


#544 [トイロ]
「幸!まだ動いちゃダメだよ」


あたしはあわてて幸を支えた。


あらい呼吸のなか、幸は懸命になにかを伝えようとする。


「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」

⏰:09/01/25 11:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#545 [トイロ]
「イヤ」


「‥は?」


「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥死んじゃうんじゃないか‥とか」


涙が溢れてくる。

⏰:09/01/25 11:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#546 [トイロ]
「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」


−あなたがいない世界なんて、


「だって、あたしの1番大切な人は」


−考えられない

⏰:09/01/25 11:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#547 [トイロ]
「幸だから」


あたしは幸の瞳をみつめた。


みつめ返してくる幸の目には、動揺がはしっているように思えた。


そして−

⏰:09/01/25 11:22 📱:PC 🆔:☆☆☆


#548 [トイロ]
「ぁ、はははッ」


幸は笑い出した。


「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」


あたしは息をのんだ。

⏰:09/01/25 11:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#549 [トイロ]
「だからおまえ、いーかげん成長し」


−バシッ


幸の左頬を力いっぱい、ひっぱたいた。


「‥ぃて」

⏰:09/01/25 11:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#550 [トイロ]
幸は下を向いている。


あたしと目を合わせようとしない。


あたしは兎のような目で、幸をにらみつけ、その場から離れた。


あざやかな人工の光を発する繁華街のなか、どこをどう走ったのかわからない。

⏰:09/01/25 11:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#551 [トイロ]
はっきりしていたのは、頭のなかで響く、自分の声だった。


−ホントはわかってた


−もしかしたら初めて会ったときから、わかっていたのかな


−でもね

⏰:09/01/25 11:25 📱:PC 🆔:☆☆☆


#552 [トイロ]
−ずっとずっとずーっと、気づいてないフリしてた


−だって、口に出してしまったら、幸が‥‥


−幸のあの笑顔が消えちゃいそうな気がして


−すごくすごく怖かったから‥

⏰:09/01/25 11:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#553 [トイロ]
溢れてくる涙を抑えきれない。


−ねぇ、幸‥


−あたし、ホントは気づいているんだよ?


−あなたが時々みせる、あの寂しげな横顔と

⏰:09/01/25 11:26 📱:PC 🆔:☆☆☆


#554 [トイロ]
−独り言のように、


−自分に言い聞かせているようにつぶやく、あの言葉




"オレには人を愛する資格なんてないんだ"

⏰:09/01/25 11:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#555 [トイロ]
−どうしてそんなこと言うの


−どんなものを今まで背負ってきたの


−なんであんな横顔をみせるの


−なぜ‥‥‥そんなに笑っているの

⏰:09/01/25 11:27 📱:PC 🆔:☆☆☆


#556 [トイロ]
−とてもとっても重いものを背負ってきたんでしょう?




『アキコちゃん、幸が抱えているものは、とても重いんだ』


『かかえているもの、‥て?』

⏰:09/01/25 11:28 📱:PC 🆔:☆☆☆


#557 [トイロ]
『俺の口からは言えないよ
重すぎるからね』


『ふーん?』


『だから
幸が自分の口から言えるようになるまで、待っててくれるかい?』


『はい、こーすけさん』

⏰:09/01/25 11:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#558 [トイロ]
−ごめんなさい



横を通りすぎた人と肩がぶつかる。


フードをかぶった、髪の長い人だった。


「あ!!ごめんなさい!」

⏰:09/01/25 11:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#559 [トイロ]
−ごめんなさい、香介さん



「顔‥みられた」


なにかフードをかぶった人が呟いていたようだけど、あたしには聞こえなかった。

⏰:09/01/25 11:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#560 [トイロ]
−幸は‥‥


−最後まで言ってくれませんでした



「なっ、やめろっ!!!」


後ろから、幸の声がきこえたような気がした。

⏰:09/01/25 11:31 📱:PC 🆔:☆☆☆


#561 [トイロ]
−ねぇ、幸‥‥あたしは


「「ドン!!!」」


−ずっとずっと幸のことが、好き‥でした


あたしがみつめる先には、天空に咲く、大きな花火が輝いていた。

⏰:09/01/25 11:35 📱:PC 🆔:☆☆☆


#562 [トイロ]
++++++++++


#11話#

幸×秋子:{中学2年生


−END−


++++++++++

⏰:09/01/25 11:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#563 [トイロ]


#11.1話#は
>>512-562
幸sideの話です。

⏰:09/02/02 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#564 [トイロ]
#11.1話#

俺は五十嵐 幸。
竹内中学校の二年生。
志望校は銀河高校、と進路も考えている普通の中坊だが、裏の顔は違う。

香介さんの仕事、警察の仕事を手伝っている。

でも任せられるのは、どれも安全なものばかりだから、そんなにきつくはない。

⏰:09/02/02 09:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#565 [トイロ]
五十嵐 香介さん。
書類上、俺の兄にあたる人。
香介さんと血が繋がっていないことを知ったのは、香介さんよりも上の警視庁さんに教えてもらったからだ。

ちなみに、俺には小さい頃の記憶がない。
気付いたら、香介さんのそばにいて、五十嵐 幸という人間だった。

⏰:09/02/02 09:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#566 [トイロ]
だから俺は、血のつながりのない自分を育ててくれた香介さんに、なにか返したくて、警視庁さんに相談したら、この仕事だった。

そして、今夜も身を黒で纏って、いつものように仕事をこなすつもりだった。


++++++++++

⏰:09/02/02 09:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#567 [トイロ]
『俺の個室に今日の仕事内容とか資料があるから取っていってくれ』

香介さんからのメールを改めて確認する。

今の俺は仕事姿で、警察署のなかにある香介さんの個室に向かっているところだ。


(にしても仕事場にプライベート部屋があるって‥普通じゃないよな;)

⏰:09/02/02 09:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#568 [トイロ]
−ドスッ

次の角を曲がったとき、反対側からやって来た人とぶつかってしまった。

「す、すみません!」


(いてぇ〜
エライ人とかだったらどうしよう;)

⏰:09/02/02 09:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#569 [トイロ]
「君はもしや‥五十嵐 幸くんじゃないかい?」


(え?なんかこの声、聞き覚えがあるぞ)


おそるおそる顔をあげる俺。


「!!!
け、警視庁!こ、これは大変失礼致しました!」

⏰:09/02/02 09:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#570 [トイロ]
警視庁さんは初めて会った頃と変わらず、優しそうな笑顔を浮かべている。


「そんなに畏まらなくていいんだよ
大きくなったね
もしかして、五十嵐の所に向かってたのかい?」


俺は恐縮して言う。

⏰:09/02/02 09:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#571 [トイロ]
「はい
今夜の仕事のことがありますので」


「それはちょうどよかった
じつは急に変更になってね
君に伝えようとしていたところだったんだよ」


警視庁さんはそう言うと、ふところから二枚の紙を取りだして俺に渡した。

⏰:09/02/02 09:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#572 [トイロ]
それは、指名手配者の追跡逮捕だった。


「け、警視庁!
俺には無理です;」


「ああ、そうだよね
私としたことが‥
これを忘れていたよ」

⏰:09/02/02 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#573 [トイロ]
俺の手に置かれたのは、蛍光灯に反射してやたらきらめく拳銃。


「ちょっ‥!
困ります、俺こんなの使ったことないですし」


すると警視庁さんは意外な言葉を返した。

⏰:09/02/02 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#574 [トイロ]
「大丈夫だよ、幸くん
君はこういう類いのものを経験しているから」


「え?いや、ないですよ
香介さんも絶対に握らせてくれないし、山田さんだって‥」


「山田はしないだろうなあ
お気に入りの意向に背く行為なんて
ふっ」

⏰:09/02/02 09:57 📱:PC 🆔:☆☆☆


#575 [トイロ]
警視庁さんの笑いが漏れる。

いつもと違うようにみえるのは、俺の気のせいだろうか。


「じゃあ、よろしく頼んだよ、幸くん
そんな不安そうな顔しなくても大丈夫さ
君の身体が覚えているよ」

⏰:09/02/02 09:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#576 [我輩は匿名である]
かなやw

⏰:09/02/02 19:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#577 [トイロ]
>>576
(・Å・)ノ{たまや〜笑

まあ、なにはともあれ匿名さん
書き込む場合はコチラにお願いいたしますわ(∀)!
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3096/
ザ☆エンマンw

⏰:09/02/04 18:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#578 [トイロ]
※更新

「俺の身体‥?
あっ、ちょっと待ってください!
俺、まだ聞きたいことが‥」


俺の声は届かなかったらしく、警視庁さんはスタスタと歩き去ってしまった。


「どうしよう、これ‥」

⏰:09/02/04 18:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#579 [トイロ]
手にのせられた拳銃。

「でも依頼が指名手配されてる奴だもんな
しゃーねぇか」

俺は黒コートの中にしまおうと拳銃を握った。


−買hクン

⏰:09/02/04 18:22 📱:PC 🆔:☆☆☆


#580 [トイロ]
脳裏にいきなり映像が流れだす。

「な、なんだ?
うっ、頭痛が‥」

ズキンズキンと響く痛みのなか、俺は真っ赤なフィルターをみていた。

「いって‥‥‥なんなんだよ、この赤い映像」

⏰:09/02/04 18:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#581 [トイロ]
次第に慣れてきたのか、映像が鮮明になっていく。

よくみると、それはただの赤い画ではなかったようだ。

赤いフィルターを透して、人影が映しだされた。

しかも半端な数じゃない。

⏰:09/02/04 18:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#582 [トイロ]
頭痛が激しくなる。

「‥っ‥‥‥いっ‥てぇ‥
なんだ‥‥?‥‥叫んでる?」

映しだされる人影は、どれも外国人のようだ。

異国語でなにかを叫んでいる。

⏰:09/02/04 18:24 📱:PC 🆔:☆☆☆


#583 [トイロ]
『××××!』

『××!!!』

『×××、××××!』

雑音まじりでよくききとれない。


−ズキンズキンズキンズキン

⏰:09/02/05 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#584 [トイロ]
痛みが速度を増す。


薄れる意識のなか、ある人影が映し出された。


それは俺がよく知っている‥


「‥こ、香介さん?」

⏰:09/02/05 09:38 📱:PC 🆔:☆☆☆


#585 [トイロ]
若い頃だろうか、どこか幼さがまだのこっている。


−買Yキン


頭が割れるようだ。


「も‥う‥っやめてくれ!!!」

⏰:09/02/05 09:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#586 [トイロ]
反動で拳銃が俺の手からすべり落ちた。

すると、嘘みたいに痛みがおさまった。


俺はおそるおそる拳銃を拾い、握ってみたが、なにも起きなかった。


「なんだったんだ‥?」

⏰:09/02/05 09:40 📱:PC 🆔:☆☆☆


#587 [トイロ]
(警視庁さんの言葉の意味もよくわからないし‥
そういや、山田さんのこともなんか言ってたな
山田さんのお気に入りって‥だれだ?)


このときの俺は、まだなにも知らない幸せなガキだった。


この永い夢から覚めるのは、あともう少しのことだ。

⏰:09/02/05 09:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#588 [トイロ]
++++++++++

ブーブー《♪携帯電話ブザー音

警視庁は電話をつないで耳にあてる。


「ああ、君か
私からも連絡しようと思っていたんだよ

⏰:09/02/05 09:42 📱:PC 🆔:☆☆☆


#589 [トイロ]
悪いが、あの仕事はなかったことにしてくれ、
ああ、すまないな
いや、なあに、簡単な話さ
ちょっとゲームをしたくなってね」


口のはしをニヤリと歪ませた。

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⏰:09/02/05 09:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#590 [トイロ]
依頼されたのは、腹長 墨夫(ふくなが すみお)。

奴はまだ一度も捕まったことがなく、指名手配されるほどだ。

特徴はフードをふかく被っており、長髪で、左手の甲に古傷がある。

そして、職業は自称「殺し屋」。

⏰:09/02/05 09:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#591 [トイロ]
俺は今、最悪な状況だ。

居所を捜し当てるまではよかったが、奴の襲撃に遅れをとってしまい、繁華街に逃げ込まれてしまった。


「ったく、どこにいやがんだ‥はあ」


奴に撃たれた傷が疼く。

⏰:09/02/05 09:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#592 [トイロ]
「やっぱ、反撃すりゃよかったな‥」

コートの中に潜んでる拳銃をみた。


「とにかく、今は奴を見つけだすことが先だ!」


繁華街の裏路を走りまわる。

⏰:09/02/05 09:46 📱:PC 🆔:☆☆☆


#593 [トイロ]
まともに弾をくらった右腕の出血がひどい。

ついに足元がふらつき、倒れこんでしまった。


「ちくしょ‥‥‥‥−」


.

⏰:09/02/05 09:47 📱:PC 🆔:☆☆☆


#594 [トイロ]
右腕に違和感をかんじて、目を開くと、そこにはなんと俺の親友、林 秋子がいた。

(なんでアキコがこんな危険なところに!?)


「‥アキコ」


「なっ、なに?///」

⏰:09/02/05 09:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#595 [トイロ]
「今すぐ‥うっ!」

右腕に激痛がはしる。


「幸!まだ動いちゃダメだよ」


アキコは俺を支えてくれた。

⏰:09/02/05 09:49 📱:PC 🆔:☆☆☆


#596 [トイロ]
(‥アキコ)

あらい息のなか、俺は口を動かす。


「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」


「イヤ」

⏰:09/02/05 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#597 [トイロ]
耳を疑った。

「‥は?」


「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥」


鳴咽が聞こえた。

⏰:09/02/05 09:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#598 [トイロ]
「‥死んじゃうんじゃないかとか」

アキコの目に涙がたまっているのがわかる。


「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」


やめてくれ、アキコ

⏰:09/02/05 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#599 [トイロ]
「だって、あたしの1番大切な人は」


ああ‥時はもう迫っているのか


「幸だから」


アキコが見つめてくる瞳に映っている自分をみた。

⏰:09/02/05 09:51 📱:PC 🆔:☆☆☆


#600 [トイロ]
俺は決断しなければならない。


(もう今のままではいられないな‥)


「ぁ、はははッ」


俺は笑い出した。

⏰:09/02/05 09:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#601 [トイロ]
「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」


アキコが目を丸くしている。


それでも‥−俺は続ける。

「だからおまえ、いーかげん成長し」

⏰:09/02/05 09:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


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