[ストリート×チルドレン]
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#501 [トイロ]
クラスの空気が騒ぎだした。
「ん?なに?」
人ごみの中央に目を細めてみると、
子犬みたいにちっちゃい男の子の姿がはいった。
「うわぁーん!幸の嘘つきぃー!!」
:09/01/13 17:45
:PC
:☆☆☆
#502 [トイロ]
泣き叫んでる男の子は、光国 躬稀くん。
幸と同じく、同じ中学仲間。
「今日は一緒に銀河街に行くって約束してたじゃん!」
どうやら幸がドタキャンしたみたいだ。
「マジごめん!
今度絶対埋め合わせするから、な?
だから泣くのやめろよ、ミケ」
:09/01/13 17:48
:PC
:☆☆☆
#503 [トイロ]
「ひっく、幸の鼻なんか‥のびちゃえ!
う゛わあーん!」
周囲の冷たい視線が、幸に突き刺さる。
ミケくんは一向に泣き止まない。
すると、幸はミケくんに近づき、
:09/01/13 17:49
:PC
:☆☆☆
#504 [トイロ]
−ペロッ
ミケくんの涙を舐めて拭きとった。
ミケくんは泣きわめくのも忘れて、目をぱちくりさせてる。
(萌えキュンだ〔笑〕)
:09/01/13 17:50
:PC
:☆☆☆
#505 [トイロ]
「ほんとにごめんな
ミケのほうが先約だったのに」
ミケくんは満面の笑顔で答える。
「ううん、大事な用事なんでしょ?
それならしょうがないよ♪」
その様子を乾いた目でみていた架奈がぼやいた。
:09/01/13 17:50
:PC
:☆☆☆
#506 [トイロ]
「たまに思うけど、幸って‥ホストっぽいよね」
「ん〜言われてみれば‥そうかなぁ?
ま、幸のお兄さんが元ホストだから、その影響もあるのかもね」
香介さんと幸に血のつながりはない。
けれど表では『兄』となっている。
たぶん、裏の仕事とかが関係してるんだと思う。
:09/01/13 17:53
:PC
:☆☆☆
#507 [トイロ]
架奈は納得したようにうなずいている。
「なら、幸って前からあんなだったわけ?
初めて会ったときとか」
「幸と初めて会った‥‥‥」
++++++++++
:09/01/13 17:53
:PC
:☆☆☆
#508 [トイロ]
季節外れの転校生。
担任の馴れ親しんだ声が響く。
「今日から2年1組の仲間になる、いがらし さちくんです
みんな仲よくしてあげてね」
「はーい!」
:09/01/13 17:54
:PC
:☆☆☆
#509 [トイロ]
あたしたちの元気な返事に、担任は満足顔でうなずく。
「じゃあ、さちくん
あなたの席は‥あきこちゃんの隣ね
窓際の、後ろから2番目よ」
転校生がとなりに座っても、
あたしは目を離すことができなかった。
:09/01/13 17:56
:PC
:☆☆☆
#510 [トイロ]
`
夕焼けのようなオレンジ色の髪に見惚れて‥。
これがあたしと幸の出会いだった。
.
:09/01/13 17:57
:PC
:☆☆☆
#511 [トイロ]
++++++++++
#10話#
幸×秋子:{小学2年生
ーENDー
++++++++++
:09/01/13 18:00
:PC
:☆☆☆
#512 [トイロ]
#11話#
あたしは林 秋子、中学2年生。
そしてあたしには7年間、クラスが離れたことがないヤツがいる。
「アキコ、サボテンのCD持ってきてやったぞ」
それがこの声主、五十嵐 幸。
:09/01/23 15:26
:PC
:☆☆☆
#513 [トイロ]
「あ、サンキュ〜
来週には返すから」
「おう
んじゃ、俺はサッカーしに行くわ
アキコもくる?」
「ん〜‥やめとく
今日はスパッツはいてないし、ジャージも持ってきてないしね」
:09/01/23 15:26
:PC
:☆☆☆
#514 [トイロ]
わかったと言って、幸は教室からとび出していった。
「で?そこの二人はなに笑ってんのさ」
あたしは教室の隅っこでこっちをみながら、
にやにや笑ってる二人組に言った。
「いや〜
ほほえましいなぁ、てね♪」
:09/01/23 15:27
:PC
:☆☆☆
#515 [トイロ]
歯並びのいい、白い歯をみせてさわやかに笑っているのが、並木 桜(なみき さくら)。
桜は女の子なんだけど、幸にも負けないぐらい、女子にモテる。
理由は簡単。
そこらへんのイケメン男子よりも断然かっこいいから。
ツンツン頭の黒髪に、ほどよく日焼けした肌。
そしてなによりレディファースト!(笑)
:09/01/23 15:28
:PC
:☆☆☆
#516 [トイロ]
「五十嵐くんも回りくどいですわね
いつまでも"親友"とかごまかしてないで、
はっきり"好き"だとおっしゃえばよいですのに」
品のよい笑顔をうかべているのが、倉持 小百合(くらもち さゆり)。
この子は言葉遣いでわかると思うけど、正真正銘のお嬢さま!
:09/01/23 15:29
:PC
:☆☆☆
#517 [トイロ]
育ちのせいか、ちょっと自己中なときもあるけど、基本的には優しくていい子なんだよ。
「でも、さゆりちゃん
"親友"ていうのは、ホントに‥その〜‥"好き"ていうことなのかなぁ///」
「当たり前ですわ!
男と女の友情は、曖昧で不安定なものですのよ」
:09/01/23 15:31
:PC
:☆☆☆
#518 [トイロ]
桜が腕を組んで、うなる。
「う゛〜ん?
てかさ〜、アキコはこのあいだ、幸に『好きだ』て伝えたんだろ?
なんかいつもと変わりなくね?」
「あ゛〜それはたぶん幸‥友達としての『好き』だと思ってる」
:09/01/23 15:31
:PC
:☆☆☆
#519 [トイロ]
二人の口がぽかんとあいている。
「‥相当の鈍感だな」
「ええ、‥救いようがありませんわね」
「ちょっと、ふたりとも;」
:09/01/23 15:32
:PC
:☆☆☆
#520 [トイロ]
「でもアキコが好きなんだから、どーしようもないよな」
『あたしは、幸がすきだよ』
−ボッ
:09/01/23 15:32
:PC
:☆☆☆
#521 [トイロ]
あたしは、あのときの自分の言葉を思い出してしまった。
顔が熱い。
「‥本当に、アキコちゃんは恋愛のことになると
いつも以上に可愛らしいですわね」
「だなァ〜♪」
:09/01/23 15:33
:PC
:☆☆☆
#522 [トイロ]
「ッ〜〜〜んもう!///
ふたりともだまらっしゃい!」
そう、あたしは一昨日、幸に好きだということを伝えた。
:09/01/23 15:34
:PC
:☆☆☆
#523 [トイロ]
でも、あれは告白とか、
そういうものじゃなかったと思う。
なぜか‥‥なぜか幸に
好きだと伝えなきゃいけないような気がした。
ただ、それだけだよ。
:09/01/23 15:35
:PC
:☆☆☆
#524 [トイロ]
++++++++++
おとといの放課後、あたしと幸は窓ガラスを割った罰として、
居残り掃除をさせられていた。
「さっむーい!
なんでこんな季節に外で落ち葉集めなのさ!
せめて教室でしょ」
「そりゃバツ掃除だからな
さっさとゴミ袋、満タンにして帰ろうぜ」
:09/01/24 18:29
:PC
:☆☆☆
#525 [トイロ]
「う゛っ」
気まずい声をもらす。
「‥幸、ホントによかったの?」
なにが?ていう顔を向けてくる。
:09/01/24 18:30
:PC
:☆☆☆
#526 [トイロ]
「だって、窓ガラス割ったのって‥ほとんどあたしのせいだし
幸はバツ受ける必要ないじゃん」
「いーんだよ
いつも言ってんだろ
アキコは俺の大事な"親友"だって
だからそんなの関係ねぇーの」
「うん、わかった
ありがとうね、幸」
:09/01/24 18:31
:PC
:☆☆☆
#527 [トイロ]
−五十嵐くんがおっしゃってる"親友"という言葉は、
女として1番大切な人、つまり"好き"という意味だと思いますわ
あたしはふっと、以前さゆりちゃんに言われたことを思い出した。
(幸があたしのことを好きだなんて思えないけど‥ちょっと確かめてみるか!)
:09/01/24 18:32
:PC
:☆☆☆
#528 [トイロ]
「ね、幸」
「ん、落ち葉がたまってるとこ見つけたか?」
「ううん、そうじゃなくてね
その〜‥幸は〜‥///」
いざ本人にきくとなると口ごもってしまう。
:09/01/24 18:33
:PC
:☆☆☆
#529 [トイロ]
「なんだよ」
こっちの気も知らずに、幸は急かせる。
「えっと‥その〜幸は好きな人とか、いるのかなぁ〜‥なんて」
幸の表情が固まる。
:09/01/24 18:33
:PC
:☆☆☆
#530 [トイロ]
「えっ‥幸?」
予想外の幸の反応にびっくりした。
「あっ、いや‥」
幸はあたしから目を反らした。
:09/01/24 18:35
:PC
:☆☆☆
#531 [トイロ]
「どしたの?
もしかして‥怒らせちゃった?」
「いや!それは違う、んだけど‥」
あたしは幸の言葉を待つ。
:09/01/24 18:36
:PC
:☆☆☆
#532 [トイロ]
「オレには人を愛する資格なんてないんだ」
(‥‥‥え?)
:09/01/24 18:37
:PC
:☆☆☆
#533 [トイロ]
(えーっと‥これはどういう意味なんだろう
もしかして‥あたしに対する遠回しのおことわり?
それとも、なにか嫌なことでもあったとか?)
云々いろいろ思考回路を巡らせていると、
不意に幸の横顔が目にとまった。
どこか淋しそうな横顔だった。
:09/01/24 18:38
:PC
:☆☆☆
#534 [トイロ]
次の瞬間、おっきな声で叫んでいる自分がいた。
「あたしは、幸がすきだよ」
幸はすぐにあたしの方をみた。
その顔はさっきとは違って、目を丸くしていたけど、
すぐにいつもの笑顔をみせて言った。
:09/01/24 18:39
:PC
:☆☆☆
#535 [トイロ]
「ありがとう、アキコ」
(ああ、やっぱりあたしは"親友"としてじゃなく、
ひとりの"男"として、幸が好きなんだな)
胸の鼓動を感じながら、このとき、あたしはそう思った。
++++++++++
:09/01/24 18:40
:PC
:☆☆☆
#536 [トイロ]
部活が終わり、すっかり薄暗くなった廊下を、あたしは一人で歩いていた。
(おととい‥あたし、幸に『好き』て言ったんだよね)
下校時刻のアナウンスが校舎内にながれる。
駆け足で下駄箱を出て、校門へ向かう。
:09/01/24 18:41
:PC
:☆☆☆
#537 [トイロ]
(なんか実感わかないや
あっちも告白って思ってないし;)
一人で通る、夜の桜並木はどこか怖い印象がある。
(そもそも‥いつから好きになったんだろう)
幸と初めて会ったのは小2のときだ。
:09/01/24 18:42
:PC
:☆☆☆
#538 [トイロ]
当時のあたしは、幸のきれいなオレンジ髪をずっとみていたくて、
いつでもどんなときでも幸のとなりにいた。
桜並木をぬけて、暗闇のなかでもきらめく繁華街に、はいる。
幸を好きになったのは‥好きなのだと実感したのは、
まだ最近の話だ。
:09/01/24 18:43
:PC
:☆☆☆
#539 [トイロ]
「気づいたら、もう好きだったんだよね〜」
ネオンの光がまぶしい。
あたしは足をとめた。
そして建物とのあいだにできた暗い小路へ曲がった。
:09/01/25 11:15
:PC
:☆☆☆
#540 [トイロ]
自分でも、どうしてそこに入ったのかわからない。
けど、入らなきゃいけない気がしたの。
だって、
「幸っ!?」
幸がいるような感じがしたから。
:09/01/25 11:16
:PC
:☆☆☆
#541 [トイロ]
幸は裏仕事の姿、つまり全身を黒でまとっていた。
そして銃弾をかすめたのか、身体のあちこちが破れていて、そこから血が流れていた。
「大丈夫!?
包帯とか入ってないかな、柔道部用のとか‥」
バックのなかを必至にあさる。
:09/01/25 11:17
:PC
:☆☆☆
#542 [トイロ]
手にとったのは‥今さっき使ったタオル。
「汗くさいけど‥しょーがないよね!」
一番傷がひどい右腕をおもいっきり縛った。
すると、幸があたしの耳もとで呟いた。
:09/01/25 11:18
:PC
:☆☆☆
#543 [トイロ]
「‥アキコ」
−どくん!
「なっ、なに?///」
「今すぐ‥うっ!」
:09/01/25 11:18
:PC
:☆☆☆
#544 [トイロ]
「幸!まだ動いちゃダメだよ」
あたしはあわてて幸を支えた。
あらい呼吸のなか、幸は懸命になにかを伝えようとする。
「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」
:09/01/25 11:19
:PC
:☆☆☆
#545 [トイロ]
「イヤ」
「‥は?」
「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥死んじゃうんじゃないか‥とか」
涙が溢れてくる。
:09/01/25 11:21
:PC
:☆☆☆
#546 [トイロ]
「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」
−あなたがいない世界なんて、
「だって、あたしの1番大切な人は」
−考えられない
:09/01/25 11:21
:PC
:☆☆☆
#547 [トイロ]
「幸だから」
あたしは幸の瞳をみつめた。
みつめ返してくる幸の目には、動揺がはしっているように思えた。
そして−
:09/01/25 11:22
:PC
:☆☆☆
#548 [トイロ]
「ぁ、はははッ」
幸は笑い出した。
「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」
あたしは息をのんだ。
:09/01/25 11:23
:PC
:☆☆☆
#549 [トイロ]
「だからおまえ、いーかげん成長し」
−バシッ
幸の左頬を力いっぱい、ひっぱたいた。
「‥ぃて」
:09/01/25 11:24
:PC
:☆☆☆
#550 [トイロ]
幸は下を向いている。
あたしと目を合わせようとしない。
あたしは兎のような目で、幸をにらみつけ、その場から離れた。
あざやかな人工の光を発する繁華街のなか、どこをどう走ったのかわからない。
:09/01/25 11:25
:PC
:☆☆☆
#551 [トイロ]
はっきりしていたのは、頭のなかで響く、自分の声だった。
−ホントはわかってた
−もしかしたら初めて会ったときから、わかっていたのかな
−でもね
:09/01/25 11:25
:PC
:☆☆☆
#552 [トイロ]
−ずっとずっとずーっと、気づいてないフリしてた
−だって、口に出してしまったら、幸が‥‥
−幸のあの笑顔が消えちゃいそうな気がして
−すごくすごく怖かったから‥
:09/01/25 11:26
:PC
:☆☆☆
#553 [トイロ]
溢れてくる涙を抑えきれない。
−ねぇ、幸‥
−あたし、ホントは気づいているんだよ?
−あなたが時々みせる、あの寂しげな横顔と
:09/01/25 11:26
:PC
:☆☆☆
#554 [トイロ]
−独り言のように、
−自分に言い聞かせているようにつぶやく、あの言葉
"オレには人を愛する資格なんてないんだ"
:09/01/25 11:27
:PC
:☆☆☆
#555 [トイロ]
−どうしてそんなこと言うの
−どんなものを今まで背負ってきたの
−なんであんな横顔をみせるの
−なぜ‥‥‥そんなに笑っているの
:09/01/25 11:27
:PC
:☆☆☆
#556 [トイロ]
−とてもとっても重いものを背負ってきたんでしょう?
『アキコちゃん、幸が抱えているものは、とても重いんだ』
『かかえているもの、‥て?』
:09/01/25 11:28
:PC
:☆☆☆
#557 [トイロ]
『俺の口からは言えないよ
重すぎるからね』
『ふーん?』
『だから
幸が自分の口から言えるようになるまで、待っててくれるかい?』
『はい、こーすけさん』
:09/01/25 11:29
:PC
:☆☆☆
#558 [トイロ]
−ごめんなさい
横を通りすぎた人と肩がぶつかる。
フードをかぶった、髪の長い人だった。
「あ!!ごめんなさい!」
:09/01/25 11:29
:PC
:☆☆☆
#559 [トイロ]
−ごめんなさい、香介さん
「顔‥みられた」
なにかフードをかぶった人が呟いていたようだけど、あたしには聞こえなかった。
:09/01/25 11:30
:PC
:☆☆☆
#560 [トイロ]
−幸は‥‥
−最後まで言ってくれませんでした
「なっ、やめろっ!!!」
後ろから、幸の声がきこえたような気がした。
:09/01/25 11:31
:PC
:☆☆☆
#561 [トイロ]
−ねぇ、幸‥‥あたしは
「「ドン!!!」」
−ずっとずっと幸のことが、好き‥でした
あたしがみつめる先には、天空に咲く、大きな花火が輝いていた。
:09/01/25 11:35
:PC
:☆☆☆
#562 [トイロ]
++++++++++
#11話#
幸×秋子:{中学2年生
−END−
++++++++++
:09/01/25 11:38
:PC
:☆☆☆
#563 [トイロ]
:09/02/02 09:38
:PC
:☆☆☆
#564 [トイロ]
#11.1話#
俺は五十嵐 幸。
竹内中学校の二年生。
志望校は銀河高校、と進路も考えている普通の中坊だが、裏の顔は違う。
香介さんの仕事、警察の仕事を手伝っている。
でも任せられるのは、どれも安全なものばかりだから、そんなにきつくはない。
:09/02/02 09:40
:PC
:☆☆☆
#565 [トイロ]
五十嵐 香介さん。
書類上、俺の兄にあたる人。
香介さんと血が繋がっていないことを知ったのは、香介さんよりも上の警視庁さんに教えてもらったからだ。
ちなみに、俺には小さい頃の記憶がない。
気付いたら、香介さんのそばにいて、五十嵐 幸という人間だった。
:09/02/02 09:41
:PC
:☆☆☆
#566 [トイロ]
だから俺は、血のつながりのない自分を育ててくれた香介さんに、なにか返したくて、警視庁さんに相談したら、この仕事だった。
そして、今夜も身を黒で纏って、いつものように仕事をこなすつもりだった。
++++++++++
:09/02/02 09:43
:PC
:☆☆☆
#567 [トイロ]
『俺の個室に今日の仕事内容とか資料があるから取っていってくれ』
香介さんからのメールを改めて確認する。
今の俺は仕事姿で、警察署のなかにある香介さんの個室に向かっているところだ。
(にしても仕事場にプライベート部屋があるって‥普通じゃないよな;)
:09/02/02 09:44
:PC
:☆☆☆
#568 [トイロ]
−ドスッ
次の角を曲がったとき、反対側からやって来た人とぶつかってしまった。
「す、すみません!」
(いてぇ〜
エライ人とかだったらどうしよう;)
:09/02/02 09:45
:PC
:☆☆☆
#569 [トイロ]
「君はもしや‥五十嵐 幸くんじゃないかい?」
(え?なんかこの声、聞き覚えがあるぞ)
おそるおそる顔をあげる俺。
「!!!
け、警視庁!こ、これは大変失礼致しました!」
:09/02/02 09:46
:PC
:☆☆☆
#570 [トイロ]
警視庁さんは初めて会った頃と変わらず、優しそうな笑顔を浮かべている。
「そんなに畏まらなくていいんだよ
大きくなったね
もしかして、五十嵐の所に向かってたのかい?」
俺は恐縮して言う。
:09/02/02 09:47
:PC
:☆☆☆
#571 [トイロ]
「はい
今夜の仕事のことがありますので」
「それはちょうどよかった
じつは急に変更になってね
君に伝えようとしていたところだったんだよ」
警視庁さんはそう言うと、ふところから二枚の紙を取りだして俺に渡した。
:09/02/02 09:49
:PC
:☆☆☆
#572 [トイロ]
それは、指名手配者の追跡逮捕だった。
「け、警視庁!
俺には無理です;」
「ああ、そうだよね
私としたことが‥
これを忘れていたよ」
:09/02/02 09:50
:PC
:☆☆☆
#573 [トイロ]
俺の手に置かれたのは、蛍光灯に反射してやたらきらめく拳銃。
「ちょっ‥!
困ります、俺こんなの使ったことないですし」
すると警視庁さんは意外な言葉を返した。
:09/02/02 09:51
:PC
:☆☆☆
#574 [トイロ]
「大丈夫だよ、幸くん
君はこういう類いのものを経験しているから」
「え?いや、ないですよ
香介さんも絶対に握らせてくれないし、山田さんだって‥」
「山田はしないだろうなあ
お気に入りの意向に背く行為なんて
ふっ」
:09/02/02 09:57
:PC
:☆☆☆
#575 [トイロ]
警視庁さんの笑いが漏れる。
いつもと違うようにみえるのは、俺の気のせいだろうか。
「じゃあ、よろしく頼んだよ、幸くん
そんな不安そうな顔しなくても大丈夫さ
君の身体が覚えているよ」
:09/02/02 09:58
:PC
:☆☆☆
#576 [我輩は匿名である]
かなやw
:09/02/02 19:42
:D905i
:☆☆☆
#577 [トイロ]
:09/02/04 18:19
:PC
:☆☆☆
#578 [トイロ]
※更新
「俺の身体‥?
あっ、ちょっと待ってください!
俺、まだ聞きたいことが‥」
俺の声は届かなかったらしく、警視庁さんはスタスタと歩き去ってしまった。
「どうしよう、これ‥」
:09/02/04 18:21
:PC
:☆☆☆
#579 [トイロ]
手にのせられた拳銃。
「でも依頼が指名手配されてる奴だもんな
しゃーねぇか」
俺は黒コートの中にしまおうと拳銃を握った。
−買hクン
:09/02/04 18:22
:PC
:☆☆☆
#580 [トイロ]
脳裏にいきなり映像が流れだす。
「な、なんだ?
うっ、頭痛が‥」
ズキンズキンと響く痛みのなか、俺は真っ赤なフィルターをみていた。
「いって‥‥‥なんなんだよ、この赤い映像」
:09/02/04 18:23
:PC
:☆☆☆
#581 [トイロ]
次第に慣れてきたのか、映像が鮮明になっていく。
よくみると、それはただの赤い画ではなかったようだ。
赤いフィルターを透して、人影が映しだされた。
しかも半端な数じゃない。
:09/02/04 18:23
:PC
:☆☆☆
#582 [トイロ]
頭痛が激しくなる。
「‥っ‥‥‥いっ‥てぇ‥
なんだ‥‥?‥‥叫んでる?」
映しだされる人影は、どれも外国人のようだ。
異国語でなにかを叫んでいる。
:09/02/04 18:24
:PC
:☆☆☆
#583 [トイロ]
『××××!』
『××!!!』
『×××、××××!』
雑音まじりでよくききとれない。
−ズキンズキンズキンズキン
:09/02/05 09:38
:PC
:☆☆☆
#584 [トイロ]
痛みが速度を増す。
薄れる意識のなか、ある人影が映し出された。
それは俺がよく知っている‥
「‥こ、香介さん?」
:09/02/05 09:38
:PC
:☆☆☆
#585 [トイロ]
若い頃だろうか、どこか幼さがまだのこっている。
−買Yキン
頭が割れるようだ。
「も‥う‥っやめてくれ!!!」
:09/02/05 09:39
:PC
:☆☆☆
#586 [トイロ]
反動で拳銃が俺の手からすべり落ちた。
すると、嘘みたいに痛みがおさまった。
俺はおそるおそる拳銃を拾い、握ってみたが、なにも起きなかった。
「なんだったんだ‥?」
:09/02/05 09:40
:PC
:☆☆☆
#587 [トイロ]
(警視庁さんの言葉の意味もよくわからないし‥
そういや、山田さんのこともなんか言ってたな
山田さんのお気に入りって‥だれだ?)
このときの俺は、まだなにも知らない幸せなガキだった。
この永い夢から覚めるのは、あともう少しのことだ。
:09/02/05 09:41
:PC
:☆☆☆
#588 [トイロ]
++++++++++
ブーブー《♪携帯電話ブザー音
警視庁は電話をつないで耳にあてる。
「ああ、君か
私からも連絡しようと思っていたんだよ
:09/02/05 09:42
:PC
:☆☆☆
#589 [トイロ]
悪いが、あの仕事はなかったことにしてくれ、
ああ、すまないな
いや、なあに、簡単な話さ
ちょっとゲームをしたくなってね」
口のはしをニヤリと歪ませた。
++++++++++
:09/02/05 09:43
:PC
:☆☆☆
#590 [トイロ]
依頼されたのは、腹長 墨夫(ふくなが すみお)。
奴はまだ一度も捕まったことがなく、指名手配されるほどだ。
特徴はフードをふかく被っており、長髪で、左手の甲に古傷がある。
そして、職業は自称「殺し屋」。
:09/02/05 09:44
:PC
:☆☆☆
#591 [トイロ]
俺は今、最悪な状況だ。
居所を捜し当てるまではよかったが、奴の襲撃に遅れをとってしまい、繁華街に逃げ込まれてしまった。
「ったく、どこにいやがんだ‥はあ」
奴に撃たれた傷が疼く。
:09/02/05 09:45
:PC
:☆☆☆
#592 [トイロ]
「やっぱ、反撃すりゃよかったな‥」
コートの中に潜んでる拳銃をみた。
「とにかく、今は奴を見つけだすことが先だ!」
繁華街の裏路を走りまわる。
:09/02/05 09:46
:PC
:☆☆☆
#593 [トイロ]
まともに弾をくらった右腕の出血がひどい。
ついに足元がふらつき、倒れこんでしまった。
「ちくしょ‥‥‥‥−」
.
:09/02/05 09:47
:PC
:☆☆☆
#594 [トイロ]
右腕に違和感をかんじて、目を開くと、そこにはなんと俺の親友、林 秋子がいた。
(なんでアキコがこんな危険なところに!?)
「‥アキコ」
「なっ、なに?///」
:09/02/05 09:48
:PC
:☆☆☆
#595 [トイロ]
「今すぐ‥うっ!」
右腕に激痛がはしる。
「幸!まだ動いちゃダメだよ」
アキコは俺を支えてくれた。
:09/02/05 09:49
:PC
:☆☆☆
#596 [トイロ]
(‥アキコ)
あらい息のなか、俺は口を動かす。
「い、今すぐ‥ココから離れろ
‥俺は‥指名手配の奴を‥‥追ってる‥最中なん‥だ
だから‥逃げ」
「イヤ」
:09/02/05 09:50
:PC
:☆☆☆
#597 [トイロ]
耳を疑った。
「‥は?」
「だって!!
この街が闇に染まっていくほど、幸はどんどん血に染まっていって‥」
鳴咽が聞こえた。
:09/02/05 09:50
:PC
:☆☆☆
#598 [トイロ]
「‥死んじゃうんじゃないかとか」
アキコの目に涙がたまっているのがわかる。
「1番大切な人がケガしたら、だれだって心を痛めるよ」
やめてくれ、アキコ
:09/02/05 09:51
:PC
:☆☆☆
#599 [トイロ]
「だって、あたしの1番大切な人は」
ああ‥時はもう迫っているのか
「幸だから」
アキコが見つめてくる瞳に映っている自分をみた。
:09/02/05 09:51
:PC
:☆☆☆
#600 [トイロ]
俺は決断しなければならない。
(もう今のままではいられないな‥)
「ぁ、はははッ」
俺は笑い出した。
:09/02/05 09:52
:PC
:☆☆☆
#601 [トイロ]
「まったくおまえはまだガキなんだから
それは"親友"という感情を、"恋"だと勘違いしてるだけだって」
アキコが目を丸くしている。
それでも‥−俺は続ける。
「だからおまえ、いーかげん成長し」
:09/02/05 09:53
:PC
:☆☆☆
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