-Castaway-
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#182 [◆vzApYZDoz6]
そのドアには、チェーンがぎっちりと掛けられている。
ドアノブと蝶番にやりすぎな程にチェーンが巻かれ、さらにkeep outのテープのようにドア全体にもチェーンが張られ、その終端は壁に釘で打ち付けられていた。
内藤「引いて開けるのはめんどくさそうだな…押し破るか」
内藤が身体教化スキルを発動。
重心を落とし、手は開いて腰に構える。
内藤「勢!!」
今まで何度も見せてきた掌呈突きで、チェーンのかかったドアを容易く吹き飛ばした。
:08/01/03 01:07 :P903i :7ZY8twyc
#183 [◆vzApYZDoz6]
破られたドアが部屋の奥に激突するのを眺めながら、ドアが無くなった入口に張られているチェーンを引き契る。
内藤「ちっ、面倒だな」
「あら、その声…♪バニッシ…じゃなかった、内藤ちゃんじゃない?♪」
部屋の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
内藤が一瞬手を止めて中を覗くが、ちょうど入口からは見えない場所に声の主がいるようだ。
急いで全てのチェーンを引き契り中に入ると、奥のベットに手首と足首を縛られ座る女性がいた。
内藤「やはりお前だったか。語尾に音符なんてつける馬鹿は、俺の知る中じゃ1人しかいないからな」
:08/01/03 01:17 :P903i :7ZY8twyc
#184 [◆vzApYZDoz6]
アリサ「あら、酷いわね馬鹿だなんて♪」
内藤「何でもいいが…なぜこんな監禁紛いな事を…?」
中にいたのはアリサだった。カッターシャツににプリーツのスカートを穿いている格好は変わらない。
外見を見た感じでは怪我などは負っていないようだ。
アリサ「あなたのお仲間さんにここの場所教えたのがバレちゃって♪」
内藤「なるほど…バウンサー本部での『思念』はお前だったか。…て事は外の戦車はお前の所為かよ」
アリサが恥ずかしそうに笑い視線を横目に逸らした。
内藤はまだ罠の可能性も考え、話はするものの手足の枷を解放させる事はしていない。
内藤が部屋にあった椅子に腰掛け、煙草を取り出す。
口にくわえて先端に着火し、深く一吸い。携帯灰皿を取り出し、灰を落とした。
:08/01/03 01:41 :P903i :7ZY8twyc
#185 [◆vzApYZDoz6]
内藤「んで…なんでお前はウォルサーを裏切ったんだ?」
内藤が両膝に肘をつき、視線をアリサに向ける。
アリサは俯いたままで話し出した。
アリサ「最初から話すわ♪……私のお母さんが…ね、人質に取られてたの♪」
内藤「やっぱりか…さっきラスダンから、ガリアスとハル兄弟の母親が囚われていた、と『思念』がきた。……お前の母親も行方不明になっていたよな」
内藤が再び煙草を吸う。アリサは、その様子を黙って見ていた。
内藤「お前がパンデモを出たのは、その暫く後だったか―――」
:08/01/03 01:50 :P903i :7ZY8twyc
#186 [◆vzApYZDoz6]
登場人物の過去
-パンデモの一族・アリサと内藤-
:08/01/03 02:20 :P903i :7ZY8twyc
#187 [◆vzApYZDoz6]
―――…
地球とは違う異世界『ディフェレス』。
その世界の辺境、方角で言えば東の最果てに、ある一つの集落があった。
草が生い茂り、浅い小さな谷が連なる場所。周囲には高い山々が聳え立っており、その谷は盆地のようになっていた。
その谷には、木造の建物があちこちに点在している。その真ん中を突っ切るように真っ直ぐに大きな川が流れており、川の付近は谷の他の場所に比べ人が少し多い。小さな市場のようなものもできている。
パンデモの集落は、集落と言うには少し大きめで、村、或いは里と呼べるぐらいの大きさだった。
:08/01/03 04:48 :P903i :7ZY8twyc
#188 [◆vzApYZDoz6]
その谷の外れ、深い山の麓近くに空地のような場所があった。
そこは半径20m程の小さな草原となっていて、周囲は小さな崖に囲まれている。
修練場として使われているようで、中央には特に何もなく、端の方に撃ち込み用の丸太があったり、的のような丸い円が書かれた紙が崖に貼り付けられたりしている。
その場所で、1人丸太を相手に撃ち込みをしている若い男がいた。
(バニッシ。『内藤篤史』として京介と藍のクラスの担任になるのは、この4年後の事です)
:08/01/03 05:13 :P903i :7ZY8twyc
#189 [我輩は匿名である]
:08/01/03 13:28 :P902iS :☆☆☆
#190 [◆vzApYZDoz6]
>>189安価&支援ありがとうございます(^^)
今から更新します。
:08/01/03 14:59 :P903i :7ZY8twyc
#191 [◆vzApYZDoz6]
その頃、修練場から少し離れた場所で、辺りを見回しながら歩く1人の女性がいた。
(アリサ。この時は、まだ語尾に音符はつけていません。理由は後々明らかになります)
アリサ「もう…何処に行ったのかしらバニッシちゃん」
アリサは周囲の家の裏を除いたり、或いは集落のすぐそばに広がる雑木林をじっくり眺めたりしながら、集落の端を伝うように歩きバニッシを探す。
その最中に、撃ち込みの反響音が聞こえてきた。
アリサは嬉しそうに笑い、修練場に小走りで向かった。
:08/01/03 15:05 :P903i :7ZY8twyc
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