-Castaway-
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#416 [◆vzApYZDoz6]
京介「方法があるのか!?」
グラシア「あの娘がスキルを使えれば、な」
京介「なんだ…簡単な事じゃん」
京介の体に異変が起きた。紅く発光し、髪が逆立ち、黒目が銀色に染まっていく。
その様子を静かに眺めていたグラシアが、小さく含み笑いをした。
グラシア「くくく…なぜ使える?」
京介「内藤が教えてくれたよ。俺がスキルを使えなかったのは…俺のスキルが何なのか、自覚してなかっただけだ。俺のスキルは、『他者の行動選択権を支配する』…だったな」
グラシア「だが、お前は俺に勝てない」
言いかけたグラシアが、一瞬京介の前から消える。次の瞬間には、青く光る掌が京介の胸に当てられていた。
:08/02/09 12:05 :P903i :Fj4wlIII
#417 []
:08/02/09 14:11 :F905i :☆☆☆
#418 [◆vzApYZDoz6]
青い掌は、いつかのパンデモの時のように京介のスキルの使用権を奪う筈だった。
グラシア「なっ…」
だがグラシアがいくら頑張っても、京介の紅い光は消えず、髪は逆立ったままで目は銀色に染まったまま。それはつまり、スキルを支配できていない事を示唆していた。
懐に入ったまま目を見開いて自分の掌を見詰めるグラシアの脇腹に、京介が膝を蹴り上げる。
グラシア「がっ!!」
支配が効かない事に驚いて硬直していたグラシアの体は避ける意思を見せず、思わず前屈みになり悶絶する。たった1回の膝蹴りが、絶大な威力を誇っていた。
グラシア「馬鹿な…!なぜ支配できない…なぜこれ程の威力が…!」
:08/02/09 19:37 :P903i :Fj4wlIII
#419 [◆vzApYZDoz6]
京介「お前、本当に馬鹿だな」
グラシア「なにぃ!?」
京介が、足下で蹲るグラシアを小馬鹿にしたように冷たく見下ろす。
京介「俺のスキルは『他者の行動選択支配』。俺のスキルは『支配者』で、自動的に身体強化の付加がつく。お前が言ってたんじゃなかったっけ?」
グラシア「ぐっ…くそぉ!!」
蹲っていたグラシアが急に体を上げて、京介の顔面目掛けて拳を撃つ。グラシアの拳は大気を切り裂き、その威力は決して小さくはない。
京介「動くな!」
だが、京介の一言でいとも容易く停止する。
次の瞬間に撃ち出された京介の拳は、グラシアに視認させる暇も与えず顔面をえぐり抜いた。
:08/02/09 19:55 :P903i :Fj4wlIII
#420 [◆vzApYZDoz6]
グラシアの表情が歪み、地を転がるように勢いよく体が吹き飛ぶ。何度も転がった後もんどりうって、うつ伏せに停止した。
グラシア「ぐふっ…」
ゆっくりと地から離した顔は鼻が潰れて鼻血が滴り、京介の拳が当たった部分が赤く変色して、まるで顔がへこんでいるように見えた。
顔をしかめて、止めどなく溢れる鼻血をなんとか止めようと鼻を押さえる。そのまま顔を上げたグラシアの視界に、ゆっくりとこちらに歩いてくる京介が写った。
グラシアは頭では逃げなければ、と考えていても、顔と脇腹の痛みと謂れのない恐怖で体がすくみ、卑しく睨み付ける事しかできなかった。
:08/02/09 20:08 :P903i :Fj4wlIII
#421 [◆vzApYZDoz6]
京介「お前はもう謝っても許さないぜ?」
京介は歩みを止めずに、唇の端を軽くつり上げながら言い放つ。
地に這いつくばって見ていたグラシアは、愕然と肩を落としわなわなと震わせた。
今まで自分が一番格上だったと思い込んでいた脳に、上には上がいるという事実を叩き付けられる。
京介の毅然とした態度の前に、怒りや屈辱はもとより絶対的な敗北感すら生まれてきていた。
だが、ここまで来て逃げる訳にもいかなかった。
グラシア「俺は…この世界を支配してやるんだ」
すくむ足を抑え立ち上がる。
京介は眉をハの字に曲げ、端から見れば滑稽に見えるグラシアを悲しそうに見詰めた。
:08/02/09 21:06 :P903i :Fj4wlIII
#422 [◆vzApYZDoz6]
京介「何でだ?何でそんなに…」
グラシア「五月蝿い…!お前に俺の気持ちが分かってたまるか!」
グラシアが京介に拳を突き立てる。
だがその拳には力が込もらず、京介の胸に弱々しく埋まる。そのまま崩れ落ち、京介の足下にもたれ掛かった。
グラシア「俺はまだ戦える…お前を倒して、世界を支配して…認めてもらうんだ…!」
すがるように何度も力の入らない拳を振る。
京介は眉をしかめて苦い表情を浮かべた。
京介「…もう無理だよ」
グラシア「五月蝿い…こんな無様を晒すわけにはいかないんだ!」
グラシアが更に拳を叩きつけようと振りかぶったその時。
2人の隣に、再び扉が出現した。
:08/02/09 22:07 :P903i :Fj4wlIII
#423 [◆vzApYZDoz6]
グラシア「これは…」
京介「うわっ!」
突き破られたように勢いよく扉が開き、京介とグラシアが吹き飛ぶように中へ吸い込まれた。
京介が思わず固く目を瞑る。一瞬浮遊感が生まれ、すぐに地を転がるように体が揺さぶられた。
草原に飛ばされた時と同じ感覚に、今度は素早く目を開ける。
内藤「よっしゃ成功」
藍「京ちゃん!」
最初に見えたのは藍の姿。その側に内藤が、さらに向こうでディフェレスに来て出会った面々がこちらを見ていた。
屋上に戻ってきたのか、とぼんやり考えていた京介に、藍が飛び付くように駆け寄る。
藍「よかった…私のせいでどこかに消えちゃったもんね」
:08/02/10 11:58 :P903i :F7TzN6YU
#424 [◆vzApYZDoz6]
京介の顎の下に藍の顔がすっぽり収まる。
藍がさらわれたのはつい数時間前なのに、京介は起きている藍を何年か振りに見た気がした。
京介はスキルを発動したままで、体は紅く光っており髪は逆立っている。
京介「ああ…悪かっ」
藍「てゆうかその髪とか何!?」
京介「たぶっ!!」
腕を回そうとした京介の顎に、勢いよく顔を上げた藍の頭頂部が激突した。
藍「あっ…ごめん!」
京介「いや、大丈夫…」
内藤「お前ら、そうゆう事は後にしな」
内藤が横を見ながら2人を諌める。内藤の視線の先には、まだ鼻血を出したまま蹲っているグラシアがいた。
:08/02/10 13:05 :P903i :F7TzN6YU
#425 [◆vzApYZDoz6]
京介「…なぁ、あいつに何があったんだ?」
京介が苦い表情を浮かべながら、グラシアを眺める。
草原で自分にすがるような態度を見せた事が少し気になっていた。
ハルキン「俺が話してやろう。いや、俺が話すべきだな」
京介の意思を理解しているかのように、ハルキンが唐突に、静かに口を開く。
それまで黙って俯いていたグラシアが、機嫌悪そうに上目でハルキンを睨んだ。
グラシア「話す必要は無い」
ハルキン「他の連中も知らん事だ。今が機だろう」
何か言いたげにしていたグラシアをハルキンが睨み付け黙らせる。皆を見回し、咳払いを切って話し出した。
ハルキン「…この話は10年前まで遡る」
:08/02/11 16:36 :P903i :hd/VybYQ
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