ダイスキ。
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#721 [乱]
「‥うますぎ‥」
つい声に出てしまう。
「あぁやべーね」
この時は―‥味方も敵も関係無く‥ただ皆“凄い”を連発した。
「そーでもないけど‥笑てかもっとやんね??」
大絶賛の嵐の中カズキは照れた笑顔で言った。
:08/02/16 20:34 :SH904i :☆☆☆
#722 [乱]
(こいつ‥本当にサッカー好きなんだなぁ―‥)
その後また試合を再開して
何度も思った。
楽しそうにパスを出し、笑い、走り‥‥。
一種の“憧れ”のような感情を始めて同学年に感じた気がした。
:08/02/16 20:39 :SH904i :☆☆☆
#723 [乱]
でも
下校放送中‥高梨さんがいつも見つめていた男子は
“カズキ”だった
と、しばらくしてから‥ふと気付いた。
放送室から見えた背中は今日嫌と言うほど見た背中だったから―‥
:08/02/16 20:51 :SH904i :☆☆☆
#724 [乱]
それはまだ確信ではなかったけれど‥
朝会などで高梨さんの方を見ていたら
完璧な確信へと変わっていった。
何で今まで気付かなかったんだろうか‥
自分の鈍感さに呆れるほど彼女は‥‥彼女は‥‥
:08/02/16 21:00 :SH904i :☆☆☆
#725 [乱]
和紀を見付けては嬉しそうに頬を赤らめ
和紀が女に囲まれると悲しそうに俯き
どこまでも一途に、純粋に和紀を見つめていた。
そんな彼女を見る度に身体のどこかがちくりと傷んだ。
:08/02/16 21:03 :SH904i :☆☆☆
#726 [乱]
‥この瞳が少しでも俺を見てくれたら―‥
************
和紀とまぁまぁ喋るようになった俺は
ある日、覚悟を決めて‥質問をぶつけた。
それは夏の暑い日。
廊下にいる俺達には蝉の鳴く音が聞こえていた。
:08/02/16 21:08 :SH904i :☆☆☆
#727 [乱]
「何??どーしたん??」
和紀は廊下の窓を開けながら言った。
「んー‥あっ!!!何話すか忘れた‥笑」
見え透いた嘘かもしれないと少し後悔した。
それでも和紀は
「は??桐生頭は良いのに変なとこばかだなー笑」
と笑った。
:08/02/16 21:15 :SH904i :☆☆☆
#728 [乱]
「てかさッ高梨さんと和紀って仲良いよね〜」
ちょっと強引すぎたかもしれない。
「何!?そこで茜!?」
「やっ和紀が仲良い女子って珍しいなーって笑」
俺ごまかしながらも
(茜って呼んでんだ...)
なんてちょっとしたことに傷付いている自分がいた。
:08/02/16 21:21 :SH904i :☆☆☆
#729 [乱]
「‥‥あいつとは幼なじみなだけ‥」
少し黙った後和紀は寂しそうに言った。
顔は少し赤くなりながら。
ジー‥ジー‥
蝉の声が、聞こえる
意味不明な冷や汗を流して俺はわざと明るく振る舞って言った。
「幼なじみとかいーなー♪」
:08/02/16 21:25 :SH904i :☆☆☆
#730 [乱]
すると和紀は
「‥そうでもないよ」
って苦笑いをして
「あー‥てかもう部活だわ!!!ごめん、桐生;話したい事思い出したら言えよ!!」
いきなりそう言うと、廊下を走っていってしまった。
一人廊下に残った俺は夏の空を見ていた。
:08/02/16 21:30 :SH904i :☆☆☆
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