ダイスキ。

幼なじみ‥‥か。

幼なじみって本当にくっつく運命にあるんだなー

俺は自分でも驚くほど客観的に、なんとなく、思った。

暑いはずなのに何故かさっきかいた冷や汗で身体が冷えている気がした―‥。

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高二・冬

文化祭で高梨さんと合同クラスになれた。

しかもまた同じ委員で。

嬉しくて‥嬉しくて‥

今度は話しかけようって決心してた。

和紀とはまだ付き合っていないみたいだし‥まだチャンスはあるかも

そんな風に思える程
この時の俺はただ浮かれててた。

そして和紀に負けたくなくて‥“茜”って呼ぶようにした。

でも茜って言う度に、どうしようもなくドキドキして‥なかなか慣れなかった；

茜が俺の近くにいて

俺の名前を呼び

笑いかけてくれる

―‥好きで好きで‥頭が壊れそうなんだ

茜の事抱きしめたいんだ―‥

言う事のできない欲求は高まり‥

ある日爆発してしまう。

―俺は茜を傷付けた―

その日茜が倒れたので保健室へ連れていった。

茜が腕の中でぐったりと目をつむり

さらさらの髪が腕にかかる。

俺は茜を寝かしてさっさと戻ろうとした‥つもりだった。

―俺は今何している??

何も‥分からない―

「んっ‥!!」
そんな茜の声も聞こえない。

俺はその日寝ていた茜にキスをしてしまい

大好きな茜を傷付けた。

ごめん‥本当にごめん

拭う事のできない後悔ばかりその日は襲った。

でも‥それがきっかけで次の日

俺は茜にやっと気持ちを伝えることが出来たんだ。

前にいる茜を見るだけで

好きの気持ちが溢れ出す。

付き合わなくても良いから‥お願いだから俺も見て。

精一杯の告白だった。

そして何日も絶たないうちに
和紀と茜が付き合い出した。

茜も和紀もとても幸せそうだった。

‥良かった‥

心の底からは祝えないけれど‥一種の嬉しさは‥込み上げた。

―‥だって俺は

一途に和紀の背中を見る君に惚れたから。

少しも振り向いてはくれない君も好きだったから―‥

文化祭が終わって次の日、勝手に入った放送室で俺は泣いた。