ダイスキ。

男子は全員スーツを着ていて‥執事というよりホストみたい。

拓海はというと、、誰よりもスーツが似合っていて

女子の半数近くがくぎづけ状態‥

私の視線に気付いたのか拓海はニコッて笑って

“ニアッテル”
口パクでそういった。

“アリガト

タクミモ”

口パクで返す。

すると

「でしょー??」
拓海は声にだして言った。

拓海の笑顔は本当に無邪気で羨ましいほどに可愛い。
茜はフッと笑って

「がんばろッ!!」

少し離れた拓海に言う。

「もち!!!」
拓海は少し大きめの声で答えた。

―準備を全て終えた１０時、文化祭は始まった―

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「何様のつもりー??」

「‥‥‥。」

「ねぇねぇどうやって落としたの～??」

「‥‥‥。」

(うわー漫画みたいな台詞)
今ﾒｲﾄﾞ姿の茜を囲むのは３人。

何でこんな事になってるかって‥??

―それはつい５分位前の事―

「あのさ～ちょっと来てくんない??」

受付の茜を訪ねたのは喋ったこともない高校三年生の先輩。

(なんかやな予感がする‥)

美佳も早百合も裏方で、

それに巻き込みたくないから私は一人で渋々着いていった。

もう一人の受付の子が心配そうにしていたけど;

連れて来られたのは誰もいない屋上。

先輩達は何やらご立腹の様子だった

(そりゃ‥そうだよね;)

なんとなく予想していたことだったからあまり驚きはしなかった。

「‥てかあんた一之瀬ｸﾝとも付き合ってるって聞いたけど二股??」

それで今に至る。

(はぁー本当面倒くさっ

大体なんで和紀と付き合うことをあーだこーだ言われなきゃなんないわけ!?)

先輩達の偉そうな態度にムカついて返答する気にもならない。

私は無言を貫き通す

だって

やり方が気に入らないから。

気に入らなきゃ屈服なんて死んでもしない

「なんか言えよ!!」

リーダー格の子が茜につっかかった。

そう言われた瞬間、私の中で何かが

キレた―‥

「‥何でそんな事言われなきゃいけないんですか?!」
「はぁ!?」

「‥私は和紀だけが好きで、拓海と二股なんかしてません!!」

怒りがどんどん膨れ上がる。