ダイスキ。

ドンドンドンッ

しばらく震えていると体育館倉庫のドアを叩く音がした。

「か‥かず「茜ｯいるか!?鍵開けて‥!!」

「無理ｯ!!恐くて無理‥」

今はもう男の人が怖かった。

ドアの向こうで拓海が心配そうに聞く。

「どした‥何があった??」

「‥拓海達のクラスでｯー写真が‥写ってて‥」

泣いて気が壊れそうだけど必死に話す。

「は?!写真‥??よ、よくわかんねーけど‥俺のクラスになんかあんの??」

「‥‥。」

「‥茜??とにかくちょっといってくる‥。

茜落ち着いて‥大丈夫だから」

‥拓海の走り去る音が聞こえた。

二十分位たった。

‥ドサッ‥

誰かがドアに倒れかかる音がする。

私は振り向き、ドアを見つめた。

「茜‥ﾊｧ‥ﾊｧ‥聞いてる??
鍵開けなくて良いから‥」

息遣いの荒い、男の人の声。

「きっ聞いてるよ‥??(和紀‥??)」
私は気が動転していて、和紀に助けを求めたと思っていた。

(でも和紀は‥‥

じゃあこの人は‥‥誰??)

「ネガごと‥破り捨ててやったから‥ﾊｧｯ‥

もう‥安心‥だなっ」

その男の人は言った。

「あいつら‥本当糞野郎だな‥殺しちゃうかと思った‥」

息を整えながらその人は言う。

「‥‥か‥和紀‥なの??」

私はまだ動転していた。

私はドアにもたれ、泣きながら言った。

「‥‥。」

沈黙が流れる。

“ダンッッッ！！！！”

―‥いきなり、思いっきりドアを叩く音がした―‥

ドアにもたれかかる背中にも、ビリビリと衝撃が走る。

「‥‥‥‥俺だよ‥‥

拓海だよ‥‥‥ｯ!!

いい加減‥俺にも気付いてくれよ‥！！！」

“ダンッ”てまた叩いて、ドアの向こうに入るらしい拓海が言った。

「たっ‥たく‥『もう和紀はいねーんだ!!

皆前見てんだよ‥お前も前見て歩き出せよ!!』

拓海の怒鳴り声が響いた。