ダイスキ。

(帰ろー)

「ぼそぼそ‥」

携帯をとって、急いで帰ろうと廊下を歩いている時

刹と拓海のクラスから誰かの話し声が聞こえた。

？？？
(珍しいな～人いるんだー)
特に気にせずにその教室のしまったドアを通りすぎようとする。

「ぉっ高梨茜じゃーん!!」

中にいる男子らしき人が言った。

ドアはしまっているから私は中からは見えないはず‥
？？？

不思議に思いそぉーっとドアを２ｾﾝﾁ位開けて中の様子を見た。

―‥私は目を疑った―

クラスには十人位の、顔だけは見たことある男子がいて

黒板には下着姿の私の写真が
引き延ばされて貼られていた。

！？！？！？

私は意味が分からなくて立ち尽くす。

‥

‥その写真は去年の文化祭のもので‥私はやっとあの時感じた視線の意味を理解した。

―ミラレテイタ

シャシンマデモ‥―

その男子達は口々に叫ぶ。
「500円!!」

「700円!!」

「1000円!!」

(やっ‥‥‥‥ｯ!!!)

恐くて‥ひたすらに恐くて‥

気付いたら走り出していた。

‥一回の体育館倉庫に閉じこもり‥鍵をかけた。

がたがた震えが止まらない

(和紀‥助けてよ和紀ぃ‥!!!)

泣きながら携帯のﾘﾀﾞｲﾔﾙﾎﾞﾀﾝを押した。

「‥もしもし茜??」

出たのは拓海だった。でも茜はかなり錯乱していた。

『‥ふぇ‥和紀‥ｯ!!助けて‥ｯ‥』

『は‥和紀!?

茜落ち着け‥今どこ??』

『たっ‥体育館‥のｯﾋｯｸｯ‥倉庫‥』

『‥体育館倉庫!?分かったｯー今行くから動かないで‥ﾋﾟｯﾂｰｯﾂｰｯﾂｰ』

(恐い‥恐いよ‥)

茜は震えながら、ドアにもたれしゃがみこんだ。

一人ぼっちでいるからどんどん恐くなる。

私は顔を埋めてぼろぼろと涙を零していた。

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