僕⇒俺
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#401 [氷雨]
まリなさん
アリガトウ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「それじゃあ、また明日」


俺は葉山さんを家まで送り挨拶する。

葉山さんは玄関の前に立ち止まって動かない。


「葉山……さん…?」

俺は不思議に思って尋ねた。

葉山さんは俺の方を振り向くと不安そうな顔で俺に言う。

⏰:08/03/23 23:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#402 [氷雨]
「陽……?あの子と付き合わないよね?」


俺はあの子がわからずにハテナ顔をする。


葉山さんは俺の表情をみて、にっこり笑った。


「ごめん……不安になっただけだよ」


苦笑いすると「また明日ね」といい家の中に入った。

⏰:08/03/23 23:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#403 [氷雨]
「不安………?」


閉まった扉を見つめたまま呟き、しばらく考えたあと家へと足を動かした。


――――――………

「なあ…付き合わないよね?ってどういう事……?」


今日は親がいないらしいので出前ピザを三依と食べている。


「は……?突然なに言ってんの?」

⏰:08/03/23 23:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#404 [氷雨]
以前よりも仲良くなったとはいえ口の悪さの直っていない妹にガンをとばされる。


「いや……友達に言われたから…」


俺はつい口に出てしまった言葉の言い訳を考える。


「友達って女?」

三依は何か分かったのか正解を口にした。

⏰:08/03/23 23:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#405 [氷雨]
「うん!!なんだか気になってさ……」


三依にすがるように答えを待った。

三依は、はぁっとため息をついた。

「まぁ……確定とは言わないよ?けどさ、んな事女が男に言うって事は気があんじゃない?」

三依はさも当たり前のように重要な事を口にした。

⏰:08/03/24 00:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#406 [氷雨]
「へ……………………?」


俺の思考回路は止まり、すぐにフル回転した。


俺が?葉山さんが?

え……………?


フル回転したといっても突然の事で理解できない。


「まあさ……身なりが良くなった、モデルだからって、近寄ってくる女かもしれないから気をつけてーーー」

⏰:08/03/24 00:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#407 [氷雨]
三依はピザも食べ終えて俺にくぎを差すと部屋へと上がった。

「身なり………、モデルだから……?」


俺は葉山さんの最初の言葉を思い出した。




――【調教】――


葉山さんに俺への気持ちはない。

⏰:08/03/24 00:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#408 [氷雨]
葉山さんの事が好きだと認めたくなかった。

けれど、雅さん達に暴かれた。

三依は気があるんじゃ…と言った。

けれど、葉山さんに俺への気持ちはない。



「はは………何、傷ついてんだろ?」


俺は知らぬ間に葉山さんを好きになってたんだ。

⏰:08/03/24 00:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#409 [氷雨]
葉山さんにとって俺はただの遊び道具だった?


深い不安感は底を知らずにただただ深みへ深みへ俺を案内する。


そんな時、メールの届く音がした。

画面を見ると……

――北原 愛美――


そして、俺は最低な事をしたんだ……

⏰:08/03/24 00:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#410 [氷雨]
今日はここマデ!!
謎めいた所できってしまいすみません
よろしければ感想ください♪

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/03/24 00:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#411 [我輩は匿名である]
>>295-400

⏰:08/03/24 02:11 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#412 [我輩は匿名である]
>>401-410

⏰:08/03/24 02:21 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#413 [こ]
あーげ

⏰:08/03/24 22:34 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#414 []
>>1-150
>>151-300
>>301-450

⏰:08/03/24 23:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#415 [氷雨]
我輩サン こサン サン
ありがとうございます
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄届いたメールには

―――From 北原 愛美―――

今日はすみません
勝手に学校まで行ったばかりかなんだか感情的になってしまって
邪魔しちゃいました

ごめんなさい

――――――――――――――
そこには謝罪の言葉が書かれていた。

⏰:08/03/25 21:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#416 [氷雨]
―邪魔―


その言葉に胸を傷ませながら乾いた笑いをもらす。


「はは…邪魔なんて……」

葉山さんは何とも思っていない。


俺…俺は何がしたいんだろう。

北原さんから来たメールをジッと見つめた。

⏰:08/03/25 21:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#417 [氷雨]
そして指を動かす。


――― To 北原 愛美 ―――

大丈夫だよ邪魔なんて…全くそんな事ないから

気にしないで

――――――――――――――

ごく普通に返したつもりだったんだ。

⏰:08/03/25 22:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#418 [氷雨]
俺はメールを返すと携帯を遠くに投げた。
 
なんだか携帯が怖かった。

けれど、すぐに返事がくるとまた携帯を手にする。

―――From 北原 愛美―――

そうなんですかなんだか期待しちゃいます(笑)

大切だと聞いたので付き合ってるのかと

あの…電話してもいいですか

――――――――――――――

⏰:08/03/25 22:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#419 [氷雨]
「え?電話…!?」


俺はメールを見て驚き、考えた。

メールすら苦手なのに?電話ができるかな?


俺の胸はドキンドキンとなった。

女の子と電話…?

⏰:08/03/25 22:41 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#420 [氷雨]
少し緊張して震える手でメールを打つ。

――― To 北原 愛美 ―――

いいよ

――――――――――――――
打ったのは一言だけ……

緊張して何を送ればいいのかったわからなかったからなんだけど…

俺は携帯を握りしめて電話を待つ。

そして、ふと思った。

⏰:08/03/25 22:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#421 [氷雨]
こういうのって男がかけた方がいいんじゃ……!


そう思ったが、携帯が音と共に震えた。


画面には《北原 愛美》と出ていた。


「でないと………」


俺は震える手を抑えて電話にでた。

「はい」

⏰:08/03/25 23:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#422 [氷雨]
声は少し震えていた。


『あ……陽君…?』

北原さんはメールと違い大人しく返事した。


「うん、そうだよ…どうしたの?」

俺はさも慣れているかのように返事した。

どうして俺…意地張ってるんだろう?

⏰:08/03/25 23:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#423 [氷雨]
『あの陽君?また聞くけど…あの人とは何もないんだよね?』

北原さんが葉山さんの事を言っているのがすぐにわかった。


好きだと自覚したからかな?

俺は苦笑いした。


「うん、何もないよ?」

俺はこの時、すごく何もかもがどうでもよくなってた。

⏰:08/03/25 23:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#424 [氷雨]
葉山さんに直接聞いたわけでもなかったのに……


北原さんは少し黙った後、言った。


『私と付き合ってください』


「え?」

俺はすぐに聞き返してしまった。

そして、すぐに言う。

⏰:08/03/25 23:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#425 [氷雨]
「あ……俺、北原さんの事、知らないし…」


ありきたりな言葉を発していた。

北原さんはしばらく黙った後に言った。


「今から知ってほしいんだ。私も陽君の事、何も知らない…知りたいから付き合いたいの」

⏰:08/03/29 20:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#426 [氷雨]
 
俺は携帯の向こうで笑顔で微笑んで緊張しているであろう北原さんを想像した。


北原さんはすごいな……。


ただそう思った。


「俺さ…好きな人がいるんだ」

叶わない恋だけれど…


心で呟いた。

⏰:08/03/29 20:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#427 [氷雨]
葉山さんが頭に浮かぶ。

そして、小宮が笑う。


胸がズキリと傷んだ。


「北原さん………?」

何も喋らなくなった北原さんにはなしかける。


『あ……ごめんね。陽はその人と付き合うの…?』


北原さんは真剣な声で俺に言う。

⏰:08/03/29 20:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#428 [氷雨]
 
「付き合えない。たぶん無理なんだ」


俺は、はっきりと言葉にして返した。


『そっか…、陽君…試しでいいんだ。放課後に一緒に帰るだけで、それだけでいいから、付き合えないですか?』


北原さんの声はいつもより、今まで以上に真剣な声だった。


俺は黙ったまま考える。

⏰:08/03/29 20:38 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#429 [氷雨]
「けど……、俺…北原さんを利用してる…」


また違う痛みが陽を襲った。

利用なんてダメだ…


けれど、それ以上に心を傷んでいた。


『私は……陽君が隣にいるだけで幸せだと思うの…。側にいさせてください』

泣きそうに震える声で北原さんは言った。

⏰:08/03/29 20:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#430 [氷雨]
「俺でいいの?」


気づいた時にはそう言ってしまっていた。


すぐに

『陽君がいいの!!』


そう明るく嬉しそうな声が聞こえた。

⏰:08/03/29 20:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#431 [氷雨]
 
 
 
 
 
 
俺は最低な事をした。


気持ちを安易に考えたんだ。


俺は何も考えないで傷つけた。

⏰:08/03/29 20:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#432 [氷雨]
―――――――………


「陽兄ーーー!!起きろい!」

耳が張り裂けるように響いた声に俺は布団を蹴り上げた。


三依はけらけら笑い言う。


「へっへーー今日は私の勝ちーーー!!」


三依が先に起きている事なんて今の今まであっただろうか。

⏰:08/03/29 20:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#433 [氷雨]
「ほんとに………?」


俺は愕然とけらけら笑う三依を見上げた。


三依は偉そうに俺を見て、「やーーい、寝坊助」と笑った。



少しムカッときたけれど、三依らしいな、と俺は微笑んだ。

⏰:08/03/29 20:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#434 [氷雨]
「それでねー…」


三依は自慢気に言うとリビングまで溜めた。


リビングに近付くと何か匂いがした。


「朝ご飯!作ってみた!!」

扉をバンっと開けると、少しだけ焦げくさい、けれど美味しそうな匂いが鼻に届く。

⏰:08/03/29 21:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#435 [氷雨]
「ええぇえぇぇええーー!?」

俺は三依と立派な朝ご飯を交互に見て声をあげた。



三依はえっへんと鼻をこすり照れている。


「な、…………何かあったの………?」


そう普通に自然と声になる。

⏰:08/03/29 21:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#436 [氷雨]
「いや………んーー、陽兄…の初カノ祝いというか」


三依がもごもごと詰まりながら言った。


俺は嬉しいような痛いような感じを心に受けながら、「ありがとう」と極上の笑顔で答えた。

三依の朝ご飯は普通に美味しかった。

「美味しい」と言うと三依は本当に嬉しそうに笑顔で「ありがとう」と言った。

⏰:08/03/29 21:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#437 [氷雨]
学校への道を歩く。


「彼女かぁ………」


初めてなんだけどな……


俺は急に不安になり、頭痛がした。

一瞬……《葉山さんに相談》と頭によぎる。


最低だ。俺はダサい《のび太》のままだ。

⏰:08/03/29 21:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#438 [氷雨]
あれ?


そういえば…どうして三依、知ってたんだ?


少し俺は悩んだけれど、薄い壁のせいだと決めつけて、学校への道を急いだ。


―――――――………


学校はいつもと同じでザワザワとみんなの話し声が響いてる。

⏰:08/03/31 12:15 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#439 [氷雨]
「それでさーー!昨日の芸人でさ!!」


隣で小宮は大好きな芸人について語っているし、高槻は飽き飽きしながらも聞いてあげてる。

俺はそんな中、まだ姿を見せない葉山さんを心配してた。



もう……俺には関係ない人なのに……

⏰:08/03/31 12:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#440 [氷雨]
ずっと扉を見ていると、携帯が震えた。


画面には【北原 愛美】と出ていた。


―――From 北原 愛美―――
今日学校終わったら陽君の学校まで行くね

――――――――――――――

俺の彼女か…………

初めての彼女……

⏰:08/03/31 12:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#441 [氷雨]
メールを見ながら呟いた。


そして、返事を送る。

――――To 北原 愛美――――

いいよ俺が北原さん迎えに行く
ごめんね、気を使わせて

――――――――――――――

少しは彼氏らしい文になってるかな?

そんな事を思いながら俺は【送信】を押した。

⏰:08/03/31 12:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#442 [氷雨]
「なぁ…陽?葉山さんとはどなったの?」


突然の小宮の言葉にびくりと震えた。


小宮と高槻は昨日の事を心配してくれているのだろう。

「あーーー…仲直りしたよ」


俺はにっこり笑った。

それは本当の事だから。

⏰:08/03/31 12:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#443 [氷雨]
「マジ!?良かったーー!校門見たら知らない女の子いるし、葉山さん、走って帰るし、俺どうしようかと」


小宮は安心したように言うと笑った。


高槻も「俺も心配した」そう言って笑ってくれた。


すごくいい友達だ。

⏰:08/03/31 12:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#444 [我輩は匿名である]
>>300-500

⏰:08/03/31 13:30 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#445 [氷雨]
我輩サン
アンカーありがとう♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「それでさ………」


小宮は含みのある言葉で俺を見た。


俺は目を丸くして「何…?」と答えた。

小宮の続きは予想もしていなかった言葉で…

⏰:08/04/02 22:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#446 [氷雨]
「あの女の子、誰っ?」


と、いう興味津々で明るい声の質問だった。


俺は一瞬にして【北原さん】だとわかった。



い…言うべきかな?


「あー………彼女?」

最後の『彼女』は聞こえないような小さな声で…

⏰:08/04/02 22:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#447 [氷雨]
「へ…………?」


小宮には聞こえたみたいで間の抜けた声が発せられた。


目が合い、へらっと笑った。


「陽が1番か……」


高槻は溜め息をつきながら何かを言った。


小宮と俺は顔を見合わせて高槻に視線を送り、

「「何か言った?」」

⏰:08/04/02 22:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#448 [氷雨]
同時に言った。


高槻はぷっと吹き出し笑うと俺に尋ねた。


「彼女…できたんだろ?」


何故かすごく悲しそうな顔で俺の顔を覗く。


嫌な予感がして高槻の顔を見る。

「なあ…、高槻ってゲイ?」

⏰:08/04/02 23:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#449 [氷雨]
高槻はフリーズしたかのようにあんぐりと口を開けて放心している。


俺のそんな不安をよそに小宮は隣で馬鹿笑い。


「…って!!んなワケねえだろ!!!」


高槻は自分を取り戻すとノリツッコミした。


「良かったーーー!本気で悲しそうな顔するからだよ」

⏰:08/04/02 23:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#450 [氷雨]
俺は本気で心配しだんだよ?


高槻がゲイだったらどうしたらよいものかと…


なのに、


「陽ーー!!大っっ好きだ!」
なんて、小宮もゲイ発言するし。


俺としては不安なわけで…

⏰:08/04/02 23:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#451 [氷雨]
「ははー…陽には参るって」


高槻は苦笑いした。


そして、ついに言った、あの言葉を、


「俺にも好きな子いるし」


と!!


「やっぱりな!!」

⏰:08/04/03 12:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#452 [氷雨]
小宮はすぐに反応した。


気付いてなかったの俺だけ?


「誰!?」


俺も負けじと3秒程、遅れて飛びついた。

小宮も高槻に顔を近付けて聞く体制に入った。


「あの子………」

⏰:08/04/03 12:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#453 [氷雨]
高槻は照れながら目を向けた。

「「え………?」」



高槻の視線の先には、


1人で本を読んでいて、眼鏡で、髪が腰まで伸びていて、綺麗だけど性格は地味な、以前の俺みたいな女の子だった。


「なっ、なんだよ。えって!」

高槻は照れながら怒ってた。

⏰:08/04/03 12:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#454 [氷雨]
「すっ、好きなんだからしょうがねえだろ!」


真っ赤になっていう高槻はなんだか可愛くて小宮と俺で高槻をニヤニヤしながら見ていた。


そして、いつの間にか生徒全員が来ていてチャイムが鳴ると同時にみんな席へと向かった。


「席つけーー!よしっ、みんないるなー」


先生の声で今日が始まった。

⏰:08/04/03 13:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#455 [氷雨]
――――――………


「なぁ!今日、帰りさ!マック行こうぜ!恋バナしよ!」


この提案は当然、小宮から。


高槻は少し考えた後に…


「俺……恋バナした所で成就しねえしな‥、けどマックには行く!!」


高槻はマックに釣られて行く事になった。


俺はばつの悪そうな顔をしているだろうなと思いながら、

「ごめん…、彼女のとこ行かなきゃ」

⏰:08/04/03 13:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#456 [氷雨]
「マジ!?ラブラブだなぁー」

「陽はいいよなぁ、かっこいいし…」


最初は小宮、次は高槻。


笑いながら顔の前で両手を合わせて、ごめんのポーズをした。

「いいよ!行ってこいーー!」
小宮が俺の背中をパシンと叩いた……いや、殴った。

⏰:08/04/03 13:30 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#457 [氷雨]
けほけほと咳をして「ありがとう」と言った。


「俺も頑張ろう」

高槻がボソッと呟いたのを小宮も俺も気付かなかった。




――――――………

「これで終わります。気をつけてなぁ」


いつも通りの先生の声。

⏰:08/04/03 14:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#458 [氷雨]
ザワザワとざわめきはじめた教室。


すぐに帰る生徒。
部活に向かう生徒。


そこまではいつも通りだった。

ただひとつ違う事、それは…


「ねえ……陽?話があるの」


目の前に葉山さんがいる事。

⏰:08/04/03 14:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#459 [氷雨]
胸がドキリと跳ねた。


「どうしたんですか?」

けれど、さも動揺していないような返事をした。


葉山さんは苦笑いして、俺の前の席へ座った。


「あのね、私、陽に言ってない大切な事があるんだ」

葉山さんは俺の目を真剣な目で見つめた。

⏰:08/04/03 20:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#460 [氷雨]
真剣すぎる瞳にゴクリと喉を鳴らす。

「な…に………?」


「あー……えっと……待ってね……あのね……」


葉山さんは急に周りを見渡す。

そして、真っ赤にもなっている。

いつもの葉山さんじゃないような……

⏰:08/04/03 21:27 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#461 [氷雨]
「葉山さん…?」

顔を覗き込むとより真っ赤になっていた。

肩も震えていて…

「大じょう………っ!」


心配していると急に顔を上げて言った。


「私!!私!!!陽の事がずっと、ずっと…………」


〜♪♪〜〜〜♪〜♪〜

⏰:08/04/03 21:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#462 [氷雨]
タイミングよく携帯が鳴る。

メールだった。

――― From 北原 愛美 ―――

学校終わったよ
待ってるね

――――――――――――――

北原さんの学校は近いけれど、10分はかかる。


けれど、葉山さんの言葉の続きを聞きたい。そう思った。

⏰:08/04/03 21:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#463 [氷雨]
何を言おうとした?


もしかして…?


鈍感らしい俺にもわかるようなシチュエーションと言葉。


1つ光の道が見えて消えた。

俺には彼女がいる、それに小宮の好きな人。

葉山さんはダメなんだ…

心がズキッと傷んだ。

⏰:08/04/06 12:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#464 [氷雨]
「ごめん…葉山さん、俺、行かなくちゃ」


鞄を掴んで葉山さんに、にっこりと笑って、「さよなら」と言った。


色々な気持ちを込めて。

葉山さんは泣きそうな顔をしてた。

俺もたぶん泣きそうな顔をしてると思う。

こんな葉山さんを初めて見た。

⏰:08/04/06 12:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#465 [氷雨]
唇をぐっと噛みしめて、また小さく聞こえないくらいの声で、
「さよなら」

震える声で言い、北原さんの元へ急いだ。







「陽君!!」

北原さんは可愛く首にマフラーを巻いて、白い息をはきながら掛けて来る。

⏰:08/04/06 12:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#466 [氷雨]
ちょこちょこと小さくて、俺はにっこり笑った。


「ごめんね?待たせたよね?」

俺はごめんのポーズをして、謝る。

俺が迎えに来た時間はメールがきてから40分はたっていた。

「んーーー、大丈夫だよ?友達とお話してたから。ほら!三依!!」

⏰:08/04/06 12:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#467 [氷雨]
北原さんは友達の名前を呼ぶと手を振った。


「愛美!なーーーに?あ、もしかして、その人が愛…し…の…………………………、陽兄!!?」


目の前にいる、俺の彼女の友達はよく知った子で、今日も昨日もこの17年間一緒に暮らしている子でした。

俺はサーと血が引くのを聞いたような気がした。

⏰:08/04/06 12:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#468 [氷雨]
「三……依………」


俺は無意識に妹の名前を呼んだ。


北原さんは俺と三依の顔を交互に見て言った。


「似てるーーー!!」

なんだか嬉しそうに手を叩いた。

三依は俺、はははっと笑った。

⏰:08/04/06 13:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#469 [氷雨]
「愛美らしい。陽兄が愛美の愛しの君だったんだ」


三依は納得したように優しく北原さんに笑うと、くしゃくしゃと頭を撫でた。


北原さんも三依ににっこり笑うと、嬉しそうに俺を見た。


「陽兄、愛美さ……、女子高なのに他の学校の奴らから、スッゴいモテての、守ってあげてね」

ニっと笑うと、耳元に一言残して帰って行った。

⏰:08/04/06 13:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#470 [氷雨]
「あーーー…、どっか行こっか?」


最初に声をかけたのは、俺だった。

北原さんは嬉しそうに返事すると、歩き出した。

足は自然と街の方へ向かい、カップルの定番デートスポットについていた。

「ここ……」

俺は最初を思い出していた。

⏰:08/04/06 13:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#471 [氷雨]
―ATTRACTIVE―の和樹さんや雅さんのお店や多くのオシャレなお店があり、若者の集まる大きなビル。


初めて葉山さんとデートをした所。


【デート】と呼んでもいいのかという程、主旨は違っていたけれど。


「陽君………、あの、ね。手つないでもいい?」

⏰:08/04/06 13:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#472 [氷雨]
北原さんは真っ赤になっていた。

勇気を出して言ってくれているだな。と思うと、少し愛しかった。


「どうぞ」


俺は手を差し出して、にっこり笑った。

北原さんは笑い返すと飛びつくように俺の手をとった。

「カップルだ」と嬉しそうに笑いながら。

⏰:08/04/06 13:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#473 [氷雨]
「どこか、行きたい所ある?」

俺が聞くと北原さんは考えるような仕草をする。


可愛いな…。

そんな気持ちになれた。


「陽君と一緒ならどこにいても嬉しい」

そう上目遣いで言われれば、やっぱり俺は嬉しくて、笑った。

「じゃあ、そこら辺歩こうか」

⏰:08/04/06 13:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#474 [氷雨]
「うん!」

北原さんも嬉しそうに笑い返してくれた。


けれど、歩いている内に北原さんの機嫌が少しずつ悪くなっているのに気が付いた。


俺、何かしたかな?


不安になる。

「どうしたの?」


俺はつい聞いてしまった。

⏰:08/04/06 13:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#475 [氷雨]
北原さんは少し涙目になっていてギョッとして、焦った。

なんで…?

ハテナが頭を渦巻いてる。


やっと北原さんは口を開いてくれた。


「ちょっと嫉妬と……自信が………、私でいいのかな?って…………」

今まで見た事ないような、胸がギュッと掴まれたような笑顔だった。

⏰:08/04/06 17:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#476 [氷雨]
よく周りを見たら、俺と北原さんをジッと見る人や、「なんで?あんな子が…?」なんで罵声も飛んでいて。


俺は雑誌で少し有名になっていた事を忘れていた。


『愛美を守ってあげてね』

三依の言葉が頭をめぐる。


俺は北原さんを守らないと、

そう思った。

⏰:08/04/06 17:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#477 [氷雨]
「北原さん、大丈夫だよ。俺が守るから、北原さんは可愛いよ」


俺は北原さんに優しく語りかけた。

北原さんは真っ赤になり「嬉しい」と言って涙を流した。


俺はそれな慌ててハンカチを北原さんに渡す。

⏰:08/04/06 17:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#478 [氷雨]
 
 
 
 
数分して北原さんは少しだけ赤い目でにっこり笑った。


「もう大丈夫。ハンカチ洗って返すね」

北原さんは本当に可愛い。


けど…………………





まだ【好き】が言えない。

⏰:08/04/06 17:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#479 [氷雨]
 
 
 
「おっ!陽?」

聞いた事ある声が聞こえた。

それはついこの間、葉山さんの事を相談した人だった。


「雅…さん……」

俺の気持ちを知っている。

雅さんを見た瞬間に『逃げたのか?』そう言われたみたいだった。

⏰:08/04/06 21:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#480 [氷雨]
「何してんだ?妹………?」


雅さんは北原さんを凝視している。

北原さんは怖そうに俺の影に隠れた。


俺は決心して口を開く。


「お……俺の彼女」

声が震える。

⏰:08/04/07 11:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#481 [氷雨]
「え…………?」


雅さんの声は明らかに怒っていた。

俺は北原さんの手をギュッと握ると、

「すみません、今、デート中なんで……」


雅さんに一礼して、俺はまた【逃げた】

「ちょっ!陽!!!」

⏰:08/04/07 12:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#482 [氷雨]
雅さんが後ろで叫んでいたけれど、俺は振り返る事なく、突き進んだ。

北原さんの手を優しく握って。

しばらく、歩くと俺は止まって振り向いた。

「ごめん、あの人すごくいい人なんだけど…」

そこまで言うと北原さんは微笑んだ。

「うん。陽君の事、すごく心配している人の目だった。いい人だって、わかるよ」

⏰:08/04/07 12:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#483 [氷雨]
北原さんの言葉を聞いたら涙が出そうになった。


優しい雅さんを裏切った?


そう思ってしまった。

北原さんは不思議そうに俺に聞いた。


「けど…、どうして怒ってたの?」

⏰:08/04/07 12:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#484 [氷雨]
「それは……、わからない」


本当は知っている。

俺が【逃げた】から。自分の気持ちから。

けど…、どうしたらよかった?

俺は葉山さんがあの時、俺の事をそういう対象でないと思ってた。

⏰:08/04/07 18:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#485 [氷雨]
けど、今日の葉山さんはなんだか変だった。


俺は今でも、思い出すたびに光が 差しては消える。

「期待は残酷だ……」


俺は小さく呟いた。

そして、決めた。【葉山さんは諦める】と、

⏰:08/04/07 18:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#486 [氷雨]
その日は北原さんと散歩のようなデートをして、 家まで送り すぐに家へ向かった。


「ただいまぁーー…」


楽しかった、けれど俺は疲れてた。

心に何ともいえないようなモヤモヤが渦巻いている。


正体のわからないモヤモヤ。

⏰:08/04/07 18:54 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#487 [氷雨]
やるせない気持ちで一杯になる。


「はああぁぁぁああ……」


おもいっきり大きな溜め息をついた。

何かを吐き出したくて。

けれど、スッキリする事はなくて、変わりに呆れたような声が聞こえた。

「なあーにっ!でっかい溜め息ついてんのよー!!」

⏰:08/04/07 19:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#488 [氷雨]
元気な母の声。

なんだかホッとする。

「なんでもないってー…てか!おかえり」

長い間、会ってなかったような気がする。


「ただいま!」

お母さんはにっこり笑った。

「陽ーーー!おかえりぃ」

⏰:08/04/07 20:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#489 [さな]
あげx

⏰:08/04/12 09:27 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#490 [我輩は匿名である]
>>300-500

⏰:08/04/12 18:10 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#491 [◆DGAVybFN0A]
>>1-300
>>301-600
>>601-900

⏰:08/04/13 00:00 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#492 [ゅぅ]
あげます

⏰:08/04/13 03:14 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#493 [あー(∵`)ノ]
アンカー

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/04/13 08:47 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#494 [ナナミ]
age(・∀・)

⏰:08/04/13 12:02 📱:F704i 🆔:☆☆☆


#495 [氷雨]
ガバッという効果音がピッタリな我が父の抱擁。


「ちょ…っ!!苦しい、苦しい!」

俺はギブギブという風に父の背中を叩く。

父はそれに気付くと俺をやっと離し、顔を覗く。


目の前で嫌味っぽいにっこり笑顔で笑うと言った。


「三依に聞いたぞ!」

と、

⏰:08/04/14 08:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#496 [氷雨]
みなサンアンカー&あげアリガトウ
長い間の留守すみません

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ふぇ………………っ!三依!!」


一瞬考えたがすぐに頭に届く。

お父さん達に言わなくてもいいじゃん!!

そう思いながらドスドスと突き進む。

⏰:08/04/14 08:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#497 [氷雨]
リビングの扉を開けると三依はテレビの前のソファーで大笑いしていた。

それは楽しそうに笑うものだから俺は力が抜けて、三依の隣に座った。


三依は俺に気付くと、バッと俺の肩を掴む。


「おかえり!どうして愛美と知り合った!?なんで、しかも付き合ってんの!?」

三依は俺に質問を浴びせる。

キラキラの瞳をギッと睨みつける。

⏰:08/04/14 13:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#498 [氷雨]
「どうしてお父さん達に言ってんの!?」

少し怒った風に言う。

ちょっと毒気抜かれてたけど、珍しくまだ完全には抜かれてない。

三依はビックリして目を見開いている。

俺は勝った!そう思ったのに…

「陽兄ーー!怒ってもイケてる!!」

なんて言って、ウインクした。

⏰:08/04/14 13:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#499 [氷雨]
はぁぁぁ……っ

と、おもいっきり溜め息をついてしまう程、呆れた。

「ありがと」

俺は一切、笑わずにお礼を言った。

三依に何を言ってもダメだ。そう思ったから。

「ご飯、できたよーー」

お母さんが叫ぶと俺、三依、お父さんは同時に返事してテーブルを囲った。

⏰:08/04/14 13:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#500 [氷雨]
 
 
―――――………

あれ?

俺、寝てた?

瞳を開くと、カーテンからうっすらと光が漏れている。


俺、いつ寝たんだろ?

そんな曖昧な記憶を辿りながら体を起こす。

⏰:08/04/15 19:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#501 [氷雨]
枕の隣には開かれたままの雑誌が転がっている。


この状況からすると、雑誌を見ながら寝たんだな。

そう頭で納得して、いつもより早めに学校の支度を始める。


なんだか今日は嫌な予感がする。

頭によぎり、胸にモヤモヤが残る。

⏰:08/04/15 19:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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