校内戦争
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#12 [ふむ]
今の日本にとって保険は不必要なのだ。
例え人身事故を起こしても、どちらが悪いかは決まらない。
なぜなら、その判決を下す『法廷』が消滅してしまっているからだ。
慰謝料を払う必要が無くなった訳である。
保険で入院していた患者は現金の支給口を失い、次々に死んでいった。
病人は生きていても意味がない、とクーデターの主犯は言ったそうだ。
老人であっても元気ならば年金で生かしてやる、そういう考えらしい。
『人無くして国は無し』
この言葉の最低限は守っていた。
:08/01/01 09:53
:N900iS
:☆☆☆
#13 [ふむ]
治安を守る国…警察がいなくなったとはいえ、強奪・強盗・殺人といった犯罪が増えたりはしなかった。
むしろ、減ったくらいだ。
理由は自衛隊が代わりに各地に配置され、犯罪者は即射殺されるという形式になったからだ。
:08/01/01 10:04
:N900iS
:☆☆☆
#14 [ふむ]
さて…
だいぶ話が逸れたが、話を戻そう。
地獄的事件の舞台となったのは、この月城(ツキシロ)高校。
のちに『月城事件』として歴史に語り継がれる事となる。
その『月城事件』の話には、ある青年――西村司の名が必ずと言っていい程出てくる。
これはその青年のお話…。
:08/01/01 10:14
:N900iS
:☆☆☆
#15 [ふむ]
2024年6月12日。
日本史上最悪のクーデターが起きた5月11日から約一ヵ月が過ぎた。
月城高校に通う司は、いつもと変わらない生活をしていた。
司は人望が厚く、クラスのリーダー格であった。
休み時間のたびに周りには自然と人が集まってくる。
:08/01/01 11:14
:N900iS
:☆☆☆
#16 [ふむ]
時刻は午前9時。
特に変わった様子もなく一限目が始まろうとしていた。
この日もいつも通り、日本が壊れているのに平凡な生活を送っている、という複雑な心境で一日が過ぎていくはずだった。
そう…『はず』だった。
:08/01/01 11:17
:N900iS
:☆☆☆
#17 [ふむ]
「どうなるのかねぇ日本は」
司の前の席に座って、親友佐々木信一(ササキシンイチ)が窓の外に視線を送りながら言った。
「さぁな」
何の前振りもなく突然話題を持ち出す信一を知っている司は適当に流す。
「素っ気ねぇ返事だなぁ」
外に送っていた視線を司に戻すと、司の机に頬杖をつきながら小さく笑った。
:08/01/01 11:49
:N900iS
:☆☆☆
#18 [ふむ]
「ま、どう転んだって今より良くはならねぇんじゃねぇの?」
淡々とした口調で司が言った。
「今からが最悪だってのか?」
「少なくとも、俺はそう思うね」
「ふぅん」
「ま、いいや」と信一が言った所で、始業のチャイムが鳴った。
:08/01/01 11:49
:N900iS
:☆☆☆
#19 [ふむ]
「やべっ…一限目数学だったよな?福沢うるせぇからな…じゃあな」
数学担当教師をけなしつつ信一は自分の席へ戻っていった。
時間が過ぎた。
時計を見れば、授業開始から15分が経過していた。
しかし、先生はまだ来ない。
別に不思議なことじゃない。
担当教師が授業を忘れることはたまにある。
大抵は生徒が呼びに行くのだが、中には邪魔する者もいる。
今も、女子生徒が先生を呼びに行こうとしているが「余計なことするな」と他の男子生徒に邪魔されている。
:08/01/01 11:58
:N900iS
:☆☆☆
#20 [ふむ]
―――その時であった。
パァンッ!とタイヤが勢い良くパンクしたような乾いた破裂音が校舎内に響き渡った。
校舎の構造からか多少エコーがかかって、まだ耳に残っている。
「何だ…?今の音…」
司が言った時には、すでに教室中が騒ついていて、仮に教師が居ても静められないくらいあらゆる声が飛び交っていた。
:08/01/01 12:03
:N900iS
:☆☆☆
#21 [ふむ]
「おいっ!外を見ろ!」
クラスの誰かが叫んだ。
皆が窓に駆け寄り外を見る。
何人もの生徒が外を見たであろう、途端に再び騒がしくなる。
「悪い。俺にも見せてくれ」
周りの生徒を退かして司は最前列に出た。
「何だよ…!?これっ…」
目の前に広がった光景を見て、思わず絶句した。
:08/01/01 18:13
:N900iS
:☆☆☆
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