校内戦争
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#200 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「馬鹿な…」

この理不尽な戦いを楽しんでいるとでもいうのか?
司はさらに表情を険しくした。
…注意する必要がありそうだな。
頭の中で思考を凝らした結果、好戦的という言葉しか浮かばなかった。

「…今日はもう終わりにしよう」

ぽつりと呟くと静かに立ち上がった。
辺りを一瞥してから口を開く。

「皆、引き上げだ。三階に戻ろう」

⏰:08/02/06 22:06 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#201 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ゆっくりとした口調で言えば、皆がぞろぞろと家庭科室を出て行く。
見れば、皆、眉を寄せてバツの悪そうな表情をしていた。
大半が家庭科室からいなくなった頃、再び司が信一に向き直る。

「俺達もそろそろ行こう」

その言葉に信一は静かに頷くと、立ち上がった。
裕也を支えるように肩を貸しながら、扉に向かう。
司はそれを見ると室内を見渡した。

⏰:08/02/06 22:12 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#202 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
無言でゆっくりと首だけを動かして一瞥する。
目に映るのは血溜まりと悲惨な死体ばかり。
そのほとんどが同志の者だった。
裕也の話によれば、どうやら一年と三年の連合の線は薄いようだ。
…よく頑張ってくれたな。
散っていった仲間たちに心の中で呟けば、拳を強く握りしめた。
まだ、生きたかっただろう。
死にたくはなかったに違いない。
俺は…。
…助けて、やれなかった。
司の頬に一筋の雫が伝って、下に落ちた。

⏰:08/02/06 22:23 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#203 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「皆をここへ送ってしまった俺を恨んでくれ…」

司は後悔の念に駆られるように肩を震わせる。
俯いたまま、もう誰もいない家庭科室の中心で一人呟いた。

「恨んで恨んで…呪い殺すくらい、俺を責めてくれて構わない…」

不意に面を上げる。
正面を見据えれば、いつもより凛々しい表情がそこにあった。
覚悟の色さえ、伺えるように思えた。
低くはっきりとした声で絞り出すように口を開く。

⏰:08/02/06 22:35 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#204 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「俺は皆を…皆の魂を、一人一人の想いを!」

司は声を張り上げた。
拳を握ったまま再び一瞥する。
言葉を切ると、落ち着いた静かな口調に戻った。

「…この背に背負って生きていくよ。ずっと…。だから、見ていてくれよな…?俺の、大切な戦友たち…」

凛とした表情を残しながら言えば、司は踵を返して歩き出す。

「仇は…取るからよ」

先程とは違う低い口調で、聞こえない程の音量で小さく呟いた。
正面を見据える眼光には、今までにない鋭い色が宿っていた。
司は、一度も振り返ることはなく家庭科室を後にした。

⏰:08/02/06 22:47 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#205 [匿名]
主サン頑張ってファイトォ

⏰:08/02/11 19:22 📱:SH902i 🆔:oevwK532


#206 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
申し訳ありません!
現在自サイトの編集及び改装作業中につき忙しく更新が出来ない状態ですので…
暫くおまちください!

⏰:08/02/13 16:06 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#207 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
感想板作成しました
これからの内容の進行につきまして読者様の現状を知るためのアンケート調査がしたいのでどうか書き込みよろしくお願いします
感想板URL↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3350/
読んでくださっている方がいることを祈っています…

⏰:08/02/14 13:18 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#208 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
一年生の居城である北館へと続いている渡り廊下を歩く集団があった。
恐らく一年生であろうその集団は、悠々とした態度で北館に向かっていく。
顔触れは男子ばかりであり、女子は見当たなかった。
見れば、十数人のブレザーを汚している返り血が、行き先で何があったかを物語っていた。

⏰:08/02/23 08:57 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#209 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
集団から少し離れて、先頭を歩く者がいた。
他の人とは明らかに違う雰囲気を漂わせた青年だった。
青年は自らの作り出した殺伐とした雰囲気の中心にいた。
凛と整った顔に、鋭い眼光を放つ切れ長の瞳。
その瞳の奥には、自分以外の者を全て見下す、そんな色があった。

⏰:08/02/23 09:03 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#210 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
――荒川巧(アラカワタクミ)。
青年の名であった。
巧は俗に言う不良であった。
家庭内暴力に始まり、喧嘩の絶えない日々を送っていた。
自宅では家族から怖れられ、学校や私生活においては常に一目置かれている。
その理由は、人並外れた喧嘩の強さにあった。
だからといって巧は何か格闘技をやっていた経験はなかった。常人とは比べものにならない腕力と瞬発力を生まれついて持っていたのである。

⏰:08/02/23 09:14 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#211 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
巧の喧嘩する姿を見た者は、例え仲間であっても震え上がらせた。
鬼のような形相に、修羅のような強さで敵を薙ぎ倒し、夜叉の如く速さで戦場を駆っていく。
返り血を浴びた姿は人間とは思えない雰囲気を放っていたという。
自ら闘いを好む性格であった。

⏰:08/02/23 09:19 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#212 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
口元に不敵な笑みを浮かべて、巧は北館へと帰ってきた。
集団も続いて中に入る。
巧は二階には上がらず、そのまま一階の突き当たりの教室を目指した。
一年三組、巧のクラスである。
三組に向かう間、廊下や教室といった至る所から痛い程の視線が浴びせられていた。
巧は大して気にする様子もなく、教室に歩を進める。
既に口元に微笑は微塵も残っておらず、鋭い眼光が光っているだけであった。

⏰:08/02/23 09:30 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#213 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ちらりと視線を送れば、皆が一斉に視線を逸らした。
内心で巧に恐怖を抱いてるという意志の顕れであった。
教室が近づいてきた時、そのまま通過とした横の教室から、突然誰かが飛び出してきた。

「待って…!」

声を張り上げて巧の前に立ちふさがったのは、艶のある黒髪が目立つ小柄な女子だった。

⏰:08/02/23 09:36 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#214 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
立ち止まった巧は、明らかに怪訝そうに目を細めた。
不機嫌ささえ伺える低い声色で口を開いた。

「…何だ」

女子は巧の声にびくりと震えるも強い眼差しを巧に向けた。

「何で崇史(タカシ)がいないの…?」

恐る恐るといった口調で尋ねた。

⏰:08/02/23 09:42 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#215 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「崇史は何処なの…?」

崇史、とは彼氏の名前だろうか、女子は今にも泣き出しそうな目で見つめ続けている。
巧は見下すように眺めた後、嘲笑うように鼻で笑った。

「死んだ奴の事なんざ…俺が知るかよ」

女子はそれを聞いた途端に、悲痛な声を上げながら泣き崩れてしまった。
巧は黙って近付くと女子の胸ぐらを掴み上げる。

「黙れ…」

巧が低く呟けば、女子はぴたりと泣き止んだ。
表情、瞳の両方に恐怖の色が浮かんでいた。

⏰:08/02/23 09:55 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#216 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
泣き止んだ女子を見た巧は満足げに鼻で笑うと、手を開いた。
倒れるように女子が崩れ落ちた。
地面に伏す女子の耳元に顔を近付ける。

「崇史…だっけか?」

巧の言葉にぴくりと肩を震わせて反応を示す。
俯いているためか表情は見えなかった。

⏰:08/02/23 10:03 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#217 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「死んだ奴の事は忘れたが…二年と闘いになった時、一番最初死んじまった可愛そうな奴がいてな…運が悪かったんだよ、そいつは。まぁ…結局、最後の最後まで使えない奴だったがな」

吐き捨てるように言えば上半身を元に戻した。
ゆっくりとした足取りで歩きだす。

「いや、役には立ったか…」

歩きながら、思い出すように小さく呟いた。

「本当、運が悪い奴だった…俺の傍にさえいなければな」

そう言い残し、教室へと消えていった。
そこには数人に囲まれて啜り泣く女子生徒の姿があった。
彼氏であろう名前を壊れた人形のように何度も口にしている。
その悲痛な泣き声は人々の胸に突き刺さった。

⏰:08/02/23 11:15 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#218 [我輩は匿名である]
<<150-210

⏰:08/02/23 16:02 📱:auKC3D 🆔:AcUgLcQo


#219 [我輩は匿名である]
>>150-210

⏰:08/02/23 16:02 📱:auKC3D 🆔:AcUgLcQo


#220 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…おい」

使われていない空き教室に足を踏み入れた巧は、近くにいた男子生徒を呼び止めた。
声を掛けられた男子生徒は一瞬で引きつった表情になると悲鳴に似た声で返事をした。

「な、なんですか?」

恐々とした表情のまま、問い掛ける。
誰もいない教室の窓際に向かって歩く巧を目で追いながら、静かに返答を待っていた。

「二階から見張りをしてろ」

巧は男子生徒の言動を気にする様子もなく、顔すら見ずに言い捨てた。

⏰:08/02/29 20:18 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


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