校内戦争
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#99 [ふむ]
部室の前まで来ると鍵がないため思い切り金属バットを振り下ろして窓を割った。
豪快な破壊音がすると司は中に侵入して内側から鍵を開けた。
「今回は間に合ったみたいだな」
司の傍らで神田が言った。
腰にはベルトの間に黒い木刀が一本、刺さっていた。
「あぁ…」
「どうした?」
木製バットや金属バットを運びだしているのを見守りながら神田が尋ねた。
「いや、皆の中に状況を飲み込めてない奴らがいてな」
「状況を飲み込めてない奴ら?」
理解出来なかったのか復唱していると、外から信一が司を呼んだ。
:08/01/02 20:54
:N900iS
:☆☆☆
#100 [ふむ]
「どうした?何かあったのか?」
司の声に外に出る。
訊くと、信一はバツが悪そうな表情で言った。
「それが…足んねぇんだよ、人数が」
その言葉に司はぴくりと眉を細める。
「何!?」
「何度数えても何人かいないんだ…」
信一がそう言い、捜すように辺りを見渡すと司は壁を蹴り上げた。
「ちっ…あいつらめ…!」
「どういう事だ?」
会話を聞いていた神田が問う。
「さっき言った…状況を理解してない自己中な奴らだよ…手間ぁかけさせやがって!」
:08/01/02 21:03
:N900iS
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#101 [ふむ]
「おい、あれじゃないのか?」
話を聞いていた神田が突然言うと、司は素早く神田の視線の先に目をやる。
見れば四人の男子が悠々とした態度でこちらに向かってきていた。
「おまえら!何処に行っていた!?」
怒りを顕にする司に四人は悪びれた素振りもなく歩いてきた。
:08/01/02 21:08
:N900iS
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#102 [ふむ]
「おい!聞いて…」
「うっせぇよ!」
四人の内の一人…短髪でいかにも不良みたいな奴が司の言葉を遮った。
「何!?」
「テメェよぉ、さっきから何な訳?威張った態度ばっか取りやがって…あぁ?」
「おまえ…この状況がわかって言ってるのか?これは喧嘩じゃないんだ…殺し合いなんだぞ?」
司は喧嘩腰の相手に退けをとらない強気な口調で言った。
:08/01/02 21:16
:N900iS
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#103 [ふむ]
司が言った瞬間、四人は大声で笑い出した。
「んなもん自分らで何とかするわ!」
「誰がてめぇの力なんざ借りっかよ!」
「俺らぁ好きにやらせてもらうぜぇ」
言うだけ言って四人は再び歩きだした。
皆の横を通り過ぎていく。
「待て…!おいっ!死にたいのか!?」
「てめぇの世話になるくらいなら死んだ方がマシかもなぁ?」
司の言葉に耳を貸さず、ぎゃはは!と笑い飛ばしながら歩を進める。
:08/01/02 21:25
:N900iS
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#104 [ふむ]
「くっ…!」
通り過ぎていく四人を見て司は唇を噛んだ。
その時、神田が口を開いた。
「司…」
猛獣を前にした時に横の仲間に問い掛けるような、とても小さな声だった。
「司…司っ!!」
怒鳴るように言うとさすがの司も異変を感じたのか、四人から神田へ視線を送る。
神田は目を細め正面をずっと見据えていた。
「こりゃあ…まずいぜ…」
続いて信一の声も聞こえた。
:08/01/02 21:33
:N900iS
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#105 [ふむ]
二人の目線を追うと、その正体が明らかになった。
―――――敵だ。
「ちぃっ…!」
恐らく一年であろう。
男子だけのようだ。
手には武器を持っていた。
特に目立つ武器は竹刀。
司は剣道場の荒れ様を思い出していた。
「女子は後ろへ下がれ!」
直ぐ様指示を出した。
ザッ…、と男子が前へ出る。
:08/01/02 21:38
:N900iS
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#106 [ふむ]
「大変だなァ?ま、せいぜい頑張ってくれや」
後ろから短髪の声がする。
他の男子はすでに構えて司の指示を待っていた。
「頼む、手を貸してくれ」
敵に視線を送ったまま司が言った。
正直、このメンバーだけでも負ける気はしない。
ただ怪我を最低限減らすためにも数は多いに越したことはない。
「はっ、知るかよ」
嘲笑うかのように歩きだす音が耳に届いた。
「馬鹿め…」
呟くように低く言う。
言った時には、すでに足音は聞こえなかった。
:08/01/02 21:46
:N900iS
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#107 [ふむ]
両軍は完全に対峙した。
どちらも動く気配はない。
最悪のタイミングに現われた敵に司は頭にきていた。
「どうする?」
同じく視線を敵に送りながら信一が訊いた。
「…逃げ場はない。さっきの四人が通った道は狭すぎて全員が逃げる前に叩かれちまう」
それを聞いた信一は深く溜め息をついた。
「やるしかないって訳ですか…」
「向こうが諦めてくれりゃいいんだが……どうやら、その気は無いらしい」
司の言葉が終わる頃には、敵はこちらに歩きだしていた。
:08/01/02 21:54
:N900iS
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#108 [ふむ]
「いいか!負けた奴の骨は拾わねぇからな!!」
司は勢い良く言い放った。
士気を高めるためか、内容は変わったものだった。
「だが安心しろ!線香くらいは上げてやる!!やらなきゃやられる!!肝に命じとけ!!!」
信一と目があった。
笑っていた。
喧嘩の時が頭に巡る。
二人は頷き合った。
「テメェの血路はテメェで切り開け!!!」
ぴったり信一の声と重なった。
途端に辺りは気合いに満ち溢れた。
:08/01/02 22:03
:N900iS
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