・・・ゆめみる魚・・・
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#711 [向日葵]
小恵子は用事が済んだのか、真に部屋番を教えるとさっさと帰っていった。

取り残されたのは、真と私のみ。

アイスを入れてる冷凍庫の音がやけに耳に入ってきて耳障りだった。

アイスを買った私はアイスを入れた袋を持ってさっさと部屋へ戻った。
乱暴に机に袋を置いて、勢いよく寝室へ繋がるふすまを開けた。

「みかげ。アイス食べないのか?」

聞いてくる真の手を引っ張り、寝室へ誘(イザナ)う。

⏰:08/05/05 01:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#712 [向日葵]
無理矢理座らせた後、私も座り、浴衣の上に羽尾っていたものを脱ぎ捨てた。
帯に手をかけた瞬間、真にその手を掴まれた。

険しい表情をしていた私と同じくらい真の顔も険しかった。

「何してんの?自分がしようとしてる事分かってる?」

「分かってなかったらしてない。真だって分かってるなら何で止めるの?」

「……何をムキになってる」

一段階真の声が低くなる。
それに少しうろたえながらも、私も負けず劣らず言い返す。

⏰:08/05/05 01:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#713 [向日葵]
「真だって、どうせ飽々してんでしょ?私があまりに幼稚だから手が出せないとか思ってんでしょ?」

「落ち着けみかげ。そんな事思っちゃいない」

「いいね冷静になれるだなんて。ここに来て何回私が子供扱いされてたか真知ってる!?その度に自分が惨めになっていくのを味わってるの知ってる!?」

私は真の手を払い、帯を取り始めた。
緩めば浴衣がはだけ、買ったばかりのミントグリーンの下着がちらりと見えた。

いずれこうなるならいつしても同じだ。

⏰:08/05/05 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#714 [向日葵]
「早くしてっ」

「みかげ。ちゃんと着ろ」

「相手にしないんだね。やっぱり私の事なんかいいんじゃない!」

「じゃあこうして欲しいのかよ!」

天井が見えた。
真が私の上に覆い被さる。
片手で両手を塞がれ、身動きがとれなくなった。
と同時に、真が私の口を塞いだ。

いつものような優しさの欠片もないキスは、次第に私を冷静にさせ、恐怖を覚えさせる。

⏰:08/05/05 02:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#715 [向日葵]
「いや……っ!」

真の唇が首筋をなぞる。
鳥肌がたった。

「真やめて……っ」

「お前が望んだんだろ?」

「やだ……っ、嫌だぁ……!!」

ついに泣いてしまった。
すると真は私を解放してくれた。
そして両方の頬をパシリと叩く。

「そんなやっつけでやって、俺が本当に喜ぶと思ったか」

それだけ言うと私から離れ、寝室を出ようとした。
私は急いで起きて、必死に真を止める。

「し……真待って……!待ってったらぁ……っ!!」

⏰:08/05/05 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#716 [向日葵]
とっさに真の浴衣の裾を引っ張る。
真は突然の私の攻撃に足を取られてモロに顔からこけた。

「――っ!!いってーな!鼻血出たらどうしてくれるつもりだ!」

「ご、め、んなさ……い。怒らないで……行か、ないで……」

掴んだまま片手で目を擦る。

馬鹿な事をしたと反省する。こんな事しても真が喜ばない事分かってたのに私は試した。
真は本当に私の事を思って行動してくれるのかと。

⏰:08/05/05 02:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#717 [向日葵]
結局真は大丈夫だと信じていながら信じきれなかったのは自分だ。
自分に負けて、私は真を傷つけた。

きっと真は行ってしまう。
こんな最低な奴と旅行に来るんじゃなかったって思ってる。

そう思いながら泣く。
こんなのズルイ。
でも真に呆れて欲しくないと願えば、涙は後から後から流れてきた。

ふと、肩に暖かさが宿る。
視線を動かせば、浴衣の上に羽尾っていたものが肩からかけられていた。

⏰:08/05/05 02:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#718 [向日葵]
そして、真はそこにいた。目の前にいた。
その顔は、まだ怒っているけれど、激しい怒りではないみたいだった。

「俺はいつお前に無理しろと望んだ」

「望んで……ない……」

真は私の両頬をつねって上を向かせる。

「だったら2度とこんなふざけたマネはよすんだ。分かったか?」

「分かった」と弱々しく呟くと、ようやく真は険しい表情を崩し、柔らかく微笑んだ。

「馬鹿だねーお前は。飽きる訳ないのに」

⏰:08/05/05 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#719 [向日葵]
軽く私の服装を正してから、真は私を優しく抱き締めた。
だから私は余計に切なくなって、真の胸に顔を埋めてまた泣いた。
そんな私を、真は優しく諭し、なぐさめる。

「誰がなんと言おうと、俺が良ければいいの。俺から言わせれば、子供だなんだって上っ面しかみない奴の方がよっぽと幼稚だと思うぞ」

それでも、私が真に近づきたかったのだ。
皆が納得してくれるような2人になろうと、慣れない事に背伸びしようとしてたのだ。

でも、そんな私の気持ちを、真はよく分かってくれていた。

⏰:08/05/05 02:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#720 [向日葵]
「俺は純粋なみかげが好きだから、無理しなくていいんだ。ちゃんと全部受け止めるから、1人で頑張ろなきゃいけないなんて傷つかなくていいんだ」

そんな事言われてしまえば、胸の中に溜っていた窮屈な思いが徐々に消えていき、私は更に泣いた。

何度も「ごめんなさい」と言った。
その度に真は「もういいよ」と言いながら頭を優しく撫でてくれた。

「怖い思いさせて悪かったな」

「それは、私が悪いんだもん……」

「それでもごめん……」

⏰:08/05/05 02:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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