【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#543 [渚坂さいめ]
:09/03/27 00:45 :F905i :ErRKzwfM
#544 [【いつか、また1/3】みぉり]
「さてっ……と、これで全部かな?」
最後の段ボールを玄関先に運んで、ふぅっとため息をつく
振り返った部屋はガランとしていて、何もない
二人の写真も、季節ごとに飾った花も
お揃いのコップもお箸も………
「………空っぽ…だ」
私の心に、ぽっかり空いた穴と同じ
:09/03/27 04:26 :N905i :9cJ2rwVY
#545 [【いつか、また2/3】みぉり]
やけに声の響く部屋を見回して、ふと目についたのは柱の傷
『ー……ね?私のほうが高いでしょ?』
『んなの、俺がすぐに抜いてやらぁっ!!』
…………こんな傷つけちゃって
そこにあるのは、二人の記憶
彼と私の背比べの跡
くすっと笑って、その傷を撫でる
いくつか刻まれたその傷は、彼の背丈ばかりが伸びた証
3年前より2年前が、2年前より1年前が、ぐんと成長した証
「おいっ!!荷物まだかぁ?」
下から呼び掛ける父の声に、はっと、慌てて部屋を出る
:09/03/27 04:34 :N905i :9cJ2rwVY
#546 [【いつか、また3/3】みぉり]
靴を履いて、もう一度くるりと部屋を見回す
私がこれから入る場所は木のぬくもりはない、鉄筋造りの建物らしい
一刻も早く、私はそこを出られるようにならなくてはいけない
彼に手を上げない、強い心を持った母親になって
胸を張って彼を迎えに行くために
彼と共に、この部屋に帰ってくるために
また、あの柱に彼の記憶を刻めるように……
深く息を吸い込み、扉を閉めながら誓う
いつかまた、必ず帰ってくるからとー………
:09/03/27 04:46 :N905i :9cJ2rwVY
#547 [みぉり]
初めて、こちらで書かせていただきましたm(__)m
いつも皆様の作品を拝読させて頂きながら、いつかは書かせていただきたいと思っておりまして今回、書かせて頂きました。
自分の作品がかなりの亀亀更新なのに、すいません(T_T)
駄文ですが、よろしければ読んでやってくださいm(__)m
:09/03/27 04:55 :N905i :9cJ2rwVY
#548 [我輩は匿名である]
おおw
たまたま来たらあがってるじゃないかw
>>547乙です
またいつでもどーぞ!
俺も久々にSSS書こうかなー
:09/03/27 08:21 :P903i :xxY6cByU
#549 [[あのとき3/1]妃羅◆x1TI9uE9ik]
「カッコいい…」
─── あたし、桃。
今あたしが恋しているのは翼って奴。
そいつは超スタイル良くて
バスケ大好き。
あたしは帰宅部だから
いつもバスケを見学して帰る。
顧問に
「やってみるか?」と聞かれるが
やる気はない。
ただ翼に恋してるだけ。
今は片思い中。
もちろん翼に…ね。
:09/03/27 10:19 :F01A :☆☆☆
#550 [[あのとき3/1]妃羅◆x1TI9uE9ik]
翼とは運よく席はとなりどおし。
いつも笑わせてくれる。
授業中もいつも楽しい。
最近気持ちが通じ合ったのかと思うくらい
翼と仲がいい。
普段髪を結ばないあたしが
友達にいたずらで結ばれていたら
「見たい!どんなん?」って聞いてくる。
好きな人聞いたら
顔を赤らめて逃げていく。
そんなんみてあたしは
可愛いな、ってただただ思う。
カッコいい時と
可愛い時のギャップがたまんない。
そんな日が続いて
あたしは告白することにした。
:09/03/27 10:36 :F01A :☆☆☆
#551 [きく(1/2)有]
背中が冷たかった。
何だかよく分からない、体験したことのない冷たさだ。例えるならそう、水に濡れた指が背中を這うような、そんな。
部屋も同様に寒かった。薄暗い和室の中、わたしは部屋の隅にある仏壇に目をやる。
そこには背を丸めて俯くひとりの男がいた。彼が誰であるのかなんてすぐに分かった。わたしの配偶者、つまり夫にあたる男性だ。
彼は仏壇の前で何をしているのだろうか。義父さんだって、もう何年も前に亡くなったのだ。今更そんな風に湿った空気になるのは少しだけ違和感がある。
わたしは一歩前に歩みを進めた。
:09/04/19 20:17 :PC :aFY8ZasA
#552 [きく(2/2)有]
仏壇には菊の花が挿してあった。白い菊だ。夫は正座した膝の上に握り拳を置いて、首を項垂れて下を見ながら嗚咽を漏らしていた。
何がなんだか分からなかった。それに、背中の冷たさと眠気が消えない。わたしはそんなに寝ていなかっただろうか。あるいは――
「ねえ、何をそんなに泣いてるの?わたしで良かったら聞くよ」
わたしがそう言ってもウンともスンとも言わず、ただただ下を向いて涙をこぼすだけの彼。無視か、そうか。なんだか頼りにされていないようで心がチクリと痛んだ。
わたしは彼の隣に同じように正座し、仏壇に向けて手を合わせた。菊の匂いが鼻をかすめる。目をゆっくり開けると、隣で声がした。
「何で俺は、子供も、妻も、…亡くさなきゃならないんだよ…」
目を開けた先に見えたのは、義父さんではなく、わたしの写真。
菊の香りが舞ったとき、初めてわたしは自分が死んでいることに気づいた。
:09/04/19 20:26 :PC :aFY8ZasA
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