【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#72 [夢見て、常日頃(2/2)◆vzApYZDoz6]
1階の食卓の上には、おそらく俺のために作られたであろう朝飯が並んでいる。
味噌汁にご飯、納豆、サンマの塩焼き。なんとも伝統的な日本食だ。
いつの間にか家に上がっていた幼馴染みが、その朝飯に手を出していた。
途中で俺に気付き、慌てて味噌汁を啜る。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」

食べかけの朝飯を名残惜しげに見つめる幼馴染みの腕を引っ張り、玄関を出る。

いつもの朝と同じ風景。

通学路で、早速今朝見た夢の話をしてみる事にした。

「あのさ、今日変な夢を見たんだけど」
「あんたの夢なんか知らないわよ」

あっさりと切り捨てられた。
まぁ彼女はこういう性格だ。無駄にツンデレだから仕方がない。

「できれば聞いてほしいなー、なんて」
「………話しなさい」

幼馴染みの顔が少し優しくなる。
じゃあ、と切り出して夢の話をし始めた。
もちろん夢の話なんて最初だけで、5分も経てば話題は変わるんだが。要するに夢の話は、会話を始めるきっかけだ。

いつもの朝と同じ風景。


でも、いつもより幼馴染みの肩が近かった。

⏰:08/03/04 04:20 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#73 [始まりは白紙から(1/1)◆vzApYZDoz6]
「食らえ、断罪の左手!」
「漆黒の渦潮よ、飲み込め」

男が斧と化した左手がふりかぶるのを、女は微動だにせず佇んでいる。
だが左手が振るわれる前に、2人の眼前に闇が現れた。
闇は、2人を包み込んで――

「懐かしいな、小学生の自由帳か」

ページを捲る音。
闇となったページの次は、真っ白だった。
部屋を片付けていたら出てきた、あの頃の思い出。
ページの片隅にいる『彼ら』の冒険は、あの頃から時間が止まったまま。

そして今、真っ白なページに十数年振りに冒険が書き込まれる。

『彼ら』の旅が、再び始まろうとしていた。

⏰:08/03/04 20:48 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#74 [◆vzApYZDoz6]
ところで皆さんお題の存在は知ってるんですかね?
>>2にお題があります
まぁお題を使う必要は別にないんですが…

しかし参加者が少ない…

⏰:08/03/04 20:52 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#75 [リナ「死にたがりスティング」1/2]
 
スティングスティング
彼はスティング
 
スティングスティング
死にたがり
 
僕が知ってるだけでも10回は馬に蹴られ、それ以上に滝にのまれてる。
 
何でそんなに死にたいの?聞いたんだ。
なんて言ったと思う?
 
死ぬのが生きがいなんだって。
ふふっ笑っちゃうよね。
 
今はこの町で一番高い灯台の天辺にいるよ。
 
今日はあそこから海に飛び落ちるんだって。
 
でもスティングは死なない。
なにをしても死なないよ?
 
スティング以外みんな知ってる。
スティングの秘密。
 
でもスティングには絶対教えてあげないんだっ。
 

⏰:08/03/04 21:37 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#76 [リナ「死にたがりスティング」2/2]
 
スティングスティング
彼はスティング
 
スティングスティング
僕の友達
 
僕のひいお爺ちゃんより長くこの村にいるスティング。
 
こっそり教えてあげよーかな?
 
人は二度死ねないんだよって。
 
END

⏰:08/03/04 21:38 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#77 [◆vzApYZDoz6]
>>75-76
ホラーいいですねぇw

ついでにあげ

⏰:08/03/04 22:04 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#78 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>75-76
追加しましたw
ホラー良いですねぇ!

⏰:08/03/04 22:13 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#79 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしとアイはいつも一緒。
ご飯のときも、寝るときも、お風呂も歯磨きもぜーんぶ一緒。
 
あたしとアイはすごく高いところにあるお部屋に住んでる。
お父さんはビルって言ってた。
ベランダっていう窓からお外が見えるけど、危ないから出ちゃダメなんだって。
 
一緒に住んでるお父さんは、二人目のお父さん。
一人目のお父さんは優しくていつも一緒に遊んでくれて大好きだったけど、いなくなっちゃった。
それから今のお父さんのお家にお引っ越ししたの。
でも今のお父さんは一緒に遊んでくれないしお仕事であまりお家にいないから、あたしは前のお父さんの方が好きなんだ。
お父さんには秘密だよ。
 
あたしは公園が大好き。
ブランコとかお砂場とかジャングルジムとか、楽しいのがいっぱいあるから。
でも、公園には行っちゃいけないの。
今はぶっそうなよのなかだからってお父さんが言ってたけど、あたしもアイもよくわからない。
一度お父さんがお仕事に行ってるときに、アイと二人でこっそり公園に行こうとした。
でもお部屋のドアが開かなくて、出られなかった。

⏰:08/03/05 00:39 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#80 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
今のお父さんのお家に来てから、あたしはお外で遊んでないの。
アイと二人で、お父さんがつくったごはんを食べたり、テレビを見たりしてる。
でも、アイはお外に出てるの。
あたしが寝てる時にお父さんに連れて行ってもらってるんだって。
アイがお外に行った次の日は、あたしにお外の話をしてくれて楽しい。
でも、どうして?
アイとあたしはいつも一緒なのに。
どうしてアイだけお外に出られるの?
アイに聞いてみたけど、テレビを見ててお返事してくれなかった。
 
 
今日のお天気は雨で、いつも窓から見てるお外がよく見えない。
アイがあたしを呼んでる。
なあに?
 
――お外に出たい?
 
出たいよ。公園でブランコにのりたいな。
 
――じゃあ次にお父さんとお出かけするときは代わってあげる。
 
ほんと?
 
――うん。
 
夜、お父さんがアイを呼んだ。
あたしはアイのふりして、お父さんと一緒にお部屋を出た。
ひさしぶりにお外に出てうれしかった。

⏰:08/03/05 00:45 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


#81 [[双子の正体]蜜月◆oycAM.aIfI]
でもお父さんがあたしに言ってくることがよくわからない。
“ほてる”とか“ごほうし”とかむずかしい言葉で話しかけてくる。
お父さんが運転する車にのっていたら、ピカピカ光ってきれいなお城に車のまま入っちゃった。
 
 
お父さんと一緒に車をおりて、お城の中のお部屋に入った。
お父さんがお風呂に入りなさいって言ったけど、あたしはアイと一緒じゃないと入れないの。
だから、今日はお風呂いらないって言ったら、お父さんが服を脱がせてくれた。
お父さんが一緒にお風呂に入ってくれるのかと思ったけど、違った。
お部屋の真ん中にあるおっきなベッドに寝かされて、お父さんの手があたしの体のいろんなところを触ったりなでたりしてる。
お父さん、なにしてるんだろう?
 
――まだあなたにはわからないね。
 
アイ?
お父さんは、なにをしてるの?
アイとお父さんはいつもこんなことしてるの?
 
――逃げないで。ちゃんと向き合って。本当は知ってたんでしょ?
 
アイ、なにいってるの?
 
――あの人と、したことを。知ってたんでしょ?
 
やだ……。
 
――あなたが消したい記憶を、全部あたしが背負ったの。
 
やめてよ……聞きたくない!
 
――聞いて! あたしは……
 
 
 
その瞬間、全部思い出した。
アイは、あたし――。

⏰:08/03/05 00:51 📱:SH903i 🆔:sHcifOgU


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