【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#179 [服屋クエストなシュール(1/2)◆vzApYZDoz6]
脱ヲタが出現した!
脱ヲタはキョロキョロと辺りを見回している!
店員の攻撃!
「いらっしゃいませ!何かお探しですか〜?」
脱ヲタは戸惑いあたふたしている!
店員は殺し文句を唱えた!
「こちらの商品がお客様にすごくお似合いですよ〜!」
脱ヲタは満更でもなさそうにしている!
:08/03/12 03:39 :P903i :6TMeeUAU
#180 [服屋クエストなシュール(2/2)◆vzApYZDoz6]
店員の攻撃!会心の一撃!
「こちら凄く人気で、なんとこれが最後の1品なんですよ〜!」
「じゃあ買います!」
「ありがとうございま〜す♪」
「ではお会計¥398,000になりま〜す!」
「……!!」
効果は抜群だ!
脱ヲタは倒れた!
店員は398,000G手に入れた!
なんと、脱ヲタが起き上がり返品したそうにこちらを見ている!
返品させますか?
はい
ニア
脱ヲタは悲しそうに店を去っていった!
完…?
:08/03/12 03:40 :P903i :6TMeeUAU
#181 [紫陽花]
:08/03/13 20:23 :F905i :☆☆☆
#182 [紫陽花[高嶺の花1/1]]
またあの子だ――…。
毎朝7時きっかりの電車に乗って通学してる子。満員電車の中1人だけ背筋を真っ直ぐに伸ばし、分厚い単語帳と毎朝にらめっこしている。その姿はまるで一輪の百合のようで僕はいつも見とれてしまうんだ。
「なんだなんだ。もしかして一目惚れしちゃったの〜?」
一緒に通学している友達は毎日そうやって僕のことを冷やかすけど、僕は決まってこう答える。
「そんなんじゃない!!ただ…」
ただ…あまりにも綺麗だから、とても儚く見えるから、ずっと見てたいって思っちゃうだけなんだ……。
「でもそれが恋ってもんだろ?」
…――分かってる。
心の中ではこれが恋なんだって叫んでる自分がいることぐらい分かってるんだ。
「しゃべりかけろよ」
「好きだって認めちゃえよ」
「もっと近づけよ」
分かってる。
でも……怖いんだ。
毎日見てたなんて知られたらきっとどん引きされる。いきなり話しかけられたらきっと拒絶される。
怖いんだ。
今のこの心地よい距離を保ちたい。今のこの見つめるだけの存在でいいんだ。
そうやって僕は毎日
百合のような君を
見つめてるだけ――…。
ーーーendーーー
:08/03/13 20:24 :F905i :☆☆☆
#183 [「僕らの未来」向日葵(1/1)]
ビルがひしめく。
最早空が隠れてしまうぐらい。
ビルの森が、僕を囲む。
車の大群が、周りを駆け抜ける。
何もかもが、失われていく時代に僕達は生まれた。
そして育っていく。
無機質な創造物達と共に。
このままでいいのかと、無表情で通り過ぎる人混みに問う。
返事はいつも「どうでもいい。」しか返ってこなかった。
僕達は未来に何を望む?
何を伝える?
何を残す?
何を作る?
希望ある未来は、本当に待っているのだろうか。
ねぇ、君は今、何を思う?
:08/03/13 20:53 :SO903i :BAj4akaA
#184 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/13 21:39 :P903i :O1YrPz6M
#185 [変わらぬ気持ち(1/3)◆vzApYZDoz6]
昭和の時代を生きてきた俺にとって、文明の進化には驚かされる。
まさかテレビがあんなに薄くなるとは思っていなかったし、インターネットで世界中の人々と交流できるようになるなんて想像もしていなかった。
今だってそうだ。
「なぁ、これはメールはどうやるんだ?」
「またー?本当にアナログな人間なんだから」
「へいへい。悪かったな、昭和時代の人間で」
「そんな事言って。いい?メールはね……」
最近娘にプレゼントされた、嫁とペアルックの携帯電話に悪戦苦闘している。
老眼には小さな文字は耐えられないし、記憶力の衰えも著しいせいでどのボタンを押せばいいのかもすぐには覚えられない。
(電話も随分変わったな…)
俺が学生時代の頃は、まだ黒電話が主流だった。
数字に合わせてダイヤルをジコジコ回し、掛かってきたらリンリンうるさく鳴る、真っ黒な電話。今では見掛けることは無くなったが。
あの頃は待ち合わせして遅刻しそうになっても、相手にそれを伝える手段がまったく無かった。
今では携帯電話1つあれば問題ない。
文明が進化する、ということは、人間にとっとよい事なのだろうか。
:08/03/13 21:50 :P903i :O1YrPz6M
#186 [変わらぬ気持ち(2/3)◆vzApYZDoz6]
「あっ、ちょっと友達に電話しないと。じゃあお父さん、あとは1人で頑張ってね」
「分かったよ」
娘は白い手に小さな携帯電話を握りしめて、足早に自室へ向かった。
なーにが、『友達』だ。あんなに頬を赤く染めやがって、嘘がバレバレだ。
(まぁでも…俺も若い頃は、好きな人に電話を掛けるのは緊張したなぁ)
学生服に学生帽、坊主頭が主流の時代に、1人文学少年を気取って髪を伸ばしていた。
いつも1人で図書館に篭って、本を読む日々を送っていた。彼女に初めて出会ったのはその頃だ。
いつしか互いに惹かれあい、恋仲になっていった。
相手の父親がなかなかの頑固者で、デートなど大っぴらにできなかった。
(電話を掛けるのにも苦労したなぁ)
いつも父親がいない時間を見計らって電話をしていた。
間違って父親がいる時間にでも掛けようものなら、怒鳴られて切られる事間違いなし。
『あの…山下ですけど』
初めて電話を掛けたとき、唇を震わせながらそう言ったのを、今でもはっきりと憶えている。
黒電話のダイヤルに手を掛けるときは、いつも心臓が強く脈をうってどきどきしていた。
父親が恐いからではなく、好きな人と話せて嬉しくて恥ずかしかったんだろう。
:08/03/13 21:50 :P903i :O1YrPz6M
#187 [変わらぬ気持ち(3/3)◆vzApYZDoz6]
(あ…そうか)
文明の進歩や利便性。そんなものは、多分関係ない。
携帯電話だろうが黒電話だろうが、好きな人に電話を掛けるときは、心臓が大きく跳ねて気分が高揚するもの。
かつて、俺が好きな人に電話する時にそうだったように。
そして今は、俺の娘が同じように頬を染めて電話をしている。
文明がどんなに進化しようと、時代がどんなに移り変わろうと、人の心がそれに左右されることはきっとないんだろう。
「よし。使い方もなんとなく分かったし、初電話でもしてみるか」
あの頃のようなダイヤルではなく、大きくなプッシュホン。
俺は1つずつ、ゆっくりと番号を押していく。電話相手は、俺が学生時代に何度も電話したあの彼女。
受話口の向こうで着信音が鳴り始める。やがて、相手が電話に出た。
「あの…山下ですけど」
「掛けてくるのが遅いわよ。ずっと待ってたんだから」
電話に出たのは、俺の嫁だ。
俺達は歳月や年齢など気にせず、互いに見つめあって頬を染めながら話した。
あの頃の会話を、あの頃の気持ちを、ゆっくりと思い出しながら。
:08/03/13 21:52 :P903i :O1YrPz6M
#188 [[すれ違い(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
昨日、嫌なことがあった。
いや、嫌なことなんて毎日ある。
なぜなら、僕はいじめられているから。
良いことなんて、ここ数年あったことがない。
でも、昨日は特別に嫌なことがあった。
帰り道にいつも通り、僕の好きなひとみちゃんの後をつけていたら、彼女は他校の男子と待ち合わせしていた。
僕は、ひとみちゃんと付き合えるなんて勘違いするほど馬鹿じゃないから、彼女が他の男と待ち合わせしてデートするのは仕方ない。
僕にはどうしようもないことだ。
しばらくひとみちゃんと男の後をつけて、日が暮れだした頃、二人は公園に入っていった。
ベンチに座って楽しそうに話す二人を、僕は隠れて見ていた。
男がうらやましかった。あれが僕だったら……
そう思っていたら、男がひとみちゃんにキスをした。
僕の大好きなひとみちゃんに!
ひとみちゃんにキスの経験が無いのを知っていた僕は、彼女が嫌がる、助けなきゃ、とその場に飛び出そうとした。
が、僕の考えとは逆に、彼女は自分から舌を入れたり、男の背中を撫で回したり……。
なんて淫乱なんだ!
騙された……あんな女だったなんて!
僕は彼女に幻滅した。
そして今日、ここに来た。
僕はいつも、嫌なことがあると近くの山に登る。
山と言っても、頂上まで30分もかからない小さな山だ。
僕は、頂上に続く獣道を慣れた足取りで歩いていた。
10分ほど歩くと、茂みの中に見覚えのあるものを発見した。
:08/03/15 01:47 :SH903i :8XG7PsGk
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