【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#189 [[すれ違い(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
あの淫乱女、ひとみがいつも首に巻いているマフラーだ。
なぜこんなところに? 誰か他の人の……?
いや、毎日後をつけている僕が見間違うはずはない。
僕は地面に落ちていたマフラーを拾って匂いを嗅いでみた。
間違いない、何日か前に嗅いだ体操服と同じ匂いだ。
ひとみが近くにいるんだと思い、僕は茂みの奥へと入り込んでいった。
5分ほど茂みの中を突き進んだ僕は、再びひとみの落とし物を見つけた。彼女が肌身離さず持っている白い携帯電話だ。
僕は素早く拾いあげると、携帯電話のボタンを操作する。
この作業は、僕が夢にまで見ていたものだった。今まで一度もチャンスが無かったのだが、僕の気持ちが変化してからこんなことがあるなんて、皮肉なものだ。
次々と画面に表れるのは、ひとみと友達のツーショット写真や、男と交わしたメール……だが、あるメール画面が表示された時、僕の手は止まった。
『××山のコテージで待ってる』
送信メールの中で見つけたものだが、宛先の名前には見覚えがない。どうせあの他校生か誰かだろう。
この山の頂上の少し手前には、なぜか一つだけポツリと建てられた小さなコテージがある。そこで彼女が誰かを待っているようだ。
僕は迷わずその場所に向かった。
茂みを掻き分けてどのくらい進んだだろうか、コテージが見えてきた。だが、周囲に人影らしきものはない。
あの中で、あいつはまた淫らなことをしているんじゃないだろうか。見たくない。はずなのに、僕の体は意識を無視して行動していた。
:08/03/15 02:02 :SH903i :8XG7PsGk
#190 [[すれ違い(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
僕は建物の裏側から、周囲の様子を伺いながら慎重に近づいた。そしてコテージの壁にはりついて、窓からこっそりと内部を覗く。
緊張しながらも、僕はひとみの姿を探した。
だが、ひとみどころか中には誰の姿も無かった。
ほっとしたのと同時に、期待を裏切られたような気分だった。もう帰った後だったのだろうか。
僕は、表に回ってコテージのドアを開けた。やはり中には誰もいない。
だが、テーブルの上に置かれた赤い布が僕の目に映った。あれは……制服のスカーフだ。
近づこうとしてコテージの中に一歩足を踏み入れた瞬間、頭に衝撃が走って僕は崩れ落ちた。
痛みに顔を歪めている僕の耳に、男の声が聞こえた。
「こいつ、やっちゃっていいの?」
「うん。いいよ」
それに答えたのは……間違いない、ひとみだ!
どういうことだ? なぜひとみが僕を?
「ずっと付きまとわれててさ。キモいんだよね」
僕はもうお前に付きまとうつもりは無い!
だが、男の足が倒れている僕のみぞおちを強打したため、声にはならなかった。
痛みをこらえて目を開けると、視線の先には嫌悪感に満ちたひとみの顔があった。
視界の端を棒のようなものが通りすぎると、すぐに頭に痛みを感じた。
何かが弾けるような感覚の後、僕は意識を失った。
現実を遮断する直前に聞いたのは、ひとみの声だった。
「ストーカーだったなんて、幻滅した……
好きだったのに」
:08/03/15 02:06 :SH903i :8XG7PsGk
#191 [あなーる]
:08/03/15 03:44 :D903i :fT7xAXGE
#192 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/15 09:46 :P903i :bj6p3a.g
#193 [ピスタチオのお誘い(1/2)◆vzApYZDoz6]
普段なら週末にしか足を運ばないショットバーに、平日に顔を出した。
特に何かある訳じゃない、ただのお盆休みの振替休日だ。営業マンにお盆休みなんて存在しない。
氷の入ったグラスを回していると、1人の女が店に入ってきた。
24、5歳ぐらいだろうか。薄化粧だが端麗な顔立ちをしている。
女は殆んど迷うことなく俺の横にやってきた。
「隣、座ってもいいかしら?」
「構わないよ。…席は他にも空いてるみたいだけどね」
「いつもの席に先客がいるみたいで」
「そう。あ、ミックスナッツ良かったらどうぞ」
「ありがとう、戴くわ」
女はジンバックを注文し、ミックスナッツの中からピスタチオを探して手に取った。
「ピスタチオが好きなのか?」
「ええ、とても。2番目にアーモンドかしらね」
「知ってるかい?イタリア人はピスタチオを殻ごと食べるんだよ」
「知ってるわ。私の父も殻ごと食べるし、もちろん私もそう」
そう言うと、女はピスタチオを殻ごとボリボリと食べ始めた。
「そう言うあなたは?」
「…殻ごと食べる日本人が他にもいたとは驚いたよ。どうやらこの店には2人のイタリアンがいるようだ」
俺は無くなったマティーニのおかわりを頼んで、ピスタチオを殻ごと食べた。
当たり前だがとても硬い。だが無理矢理飲み込んだ。
:08/03/15 14:15 :P903i :bj6p3a.g
#194 [ピスタチオのお誘い(2/2)◆vzApYZDoz6]
「…ふふっ」
その様子を見ていた女が小さく笑い、口から殻だけを丁寧に吐き出した。
「チンパンジーだってバナナの皮を剥くわよ」
「なぜ嘘だと分かったんだ?」
「だってあなた、灰皿に殻が残ってるじゃない」
「騙されたな。いや、騙そうとしたのは俺が先か」
「指定席を取られちゃったからね、悪く思わないで」
「まぁそれはそうと、よく口の中で殻を開けられるな?」
「得意なのよ、そういうの。試してみる?」
「…ふっ、いいだろう。次はちゃんと殻を剥くことにするよ」
「あら、上手に言うわね。でも私の殻は硬くてよ」
俺と女は、チェックを済まして店を後にした。
今夜は退屈しなさそうだ。
:08/03/15 14:16 :P903i :bj6p3a.g
#195 [おかしな本屋さん(1/1)◆vzApYZDoz6]
街角の薄暗い道を歩いていると、雑居ビルの1階に見るからに怪しい小汚い店を発見した。
こんな所に店なんかあったっけ、と考えながら、俺はいつの間にか好奇心に駆られて扉に手を掛けていた。
色褪せた木でできた両開きの古い扉を、蝶番が軋む耳障りな音と共に開く。
むせかえりそうになる埃に口と鼻を抑えながら、店内を見渡した。
視界に入るのは、棚にぎゅうぎゅうに詰め込まれた大量の本。それでも棚に入りきらず、傍の床に積み重ねられた本の山。
すし詰め状態にされた圧倒的な量の本に、口をだらしなく開けたまま固まってしまった。
「何か、お探しかな?」
急に後ろから声を掛けられ驚いて振り向くと、男が扉の前に立っていた。
見た感じでは初老の、店主と思しき男。穏やかに目を細めてこちらを見ていた。
「普通の本をお探しなら、残念だけどここには存在しない」
「ここにある本は、奇妙・奇怪・超常・摩訶・怪奇…不思議な本しかございません」
言いながら俺の横を通り過ぎ、狭い棚の間にある梯子を昇って、1冊の本を手に取った。
「この本を、あなたに」
渡されたその本を咄嗟に受け取る。
かなり古い本らしく、受け取った瞬間に埃が舞った。
「では、またのご来店を」
気が付くと、本屋は無くなっていた。
ビルはある。だが、中の本屋がごっそり消えていた。
元から存在しなかったのか、という考えが脳裏をよぎる。
だがそれでは服に付いた大量の埃と、右手に持っている1冊の本の説明がつかない。
とりあえず、自分の名前がタイトルになっているこの本をどうするべきか。
:08/03/15 14:54 :P903i :bj6p3a.g
#196 [◆vzApYZDoz6]
上げときまーす
>>165-169に>>164までの作品まとめ
>>170に作品数集計とお題まとめ
お題は使わなくてもおkよん
俺はそろそろネタが思い付かないんで、みんなもっとガッツリ参加しとくれw
名無しさんや、新たな書き手さんの参戦もまだまだ大歓迎!
読み手さんも参戦おk!w
つうか誰だって参戦おkですwww
ふむさん、テスト終わったんでしょ?待ってますよw
:08/03/15 18:56 :P903i :bj6p3a.g
#197 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
何ですかそれはw
何で私だけ強制参加じみた…
私には拒否権というものが存在しないのでしょうか?w
わかりましたよ、SSS考えておきますw
:08/03/15 19:04 :SH905i :☆☆☆
#198 [朝海『ageha』(1/3)]
アタシは超が着く程の地味っ子;
化粧もしない、髪も真っ黒、スカート膝下―-と、まぁ昭和の香りプンプンの高校2年生の心歌(ミカ)です
学校に着くと
「心歌〜おはぁ」
心歌「おはょ真姫(マキ)」
真姫はアタシとは真逆;派手ですごく今風
何故一緒に居るかはアタシが真姫を助けたから、いろんな意味で―-
真姫「心歌〜彼氏にフラレタァ;」
心歌「またぁ;なんで?」
これで何度目だろぅ;
真姫がフられてるのは〜
真姫「二股バレた」
なんじゃそりぁ;
心歌「二股はダメだょ;」
真姫「だって男は必要でしょ?」
シラっと真姫は言ってのけた
真姫「心歌も彼氏つくりなぁ」
心歌「アタシには無理だょブスだし」
真姫「それはこの格好と美意識が足りないからでしょ?女は磨けば磨く程輝くもんなの!」
:08/03/16 14:08 :V803T :pvMNgyPI
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