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#9 [奇怪な電話(2/2)◆vzApYZDoz6]
>>7

「もう寝ちまったか…」

また掛けなおすか、と耳から受話器を離す。
だが終話ボタンを押そうとする前に、僅かな大きさだがバイブ音が聞こえてきた。
どうやら自分の家にあったらしい。男はバイブの音を辿って歩き回った。
しかし、どうやら部屋の中には無いようだ。
いったん廊下に出ると、バイブ音が少し大きくなった。電話は近い。
しかし、不審な事にそれは2階から響いているようだ。
2階には1度も行ってない筈なんだが。そんなに酔ってたかな…
とりあえず2階に上がり、そろりそろりと廊下を歩く。
廊下の端に近付くにつれ、バイブ音がよく聞こえる。
だが、廊下の端に辿り着いても携帯電話が見当たらない。否、廊下の端からバイブ音が聞こえる訳ではない。
だがバイブ音が聞こえる一番近い場所は廊下の端。

「………?………」

男が、ゆっくりと視線をあげる。
ちょうど天井まで向かった時に、終話ボタンを押した訳でもないのにバイブ音が止まった。
垂れ下げた手に握る受話器から、微かに聞こえる友達の声。

「…これお前の携帯だろ?とりあえず今は眠いから後で持っていってやるよ…」

電話が切れた。

耳をすますと、荒く小さな呼吸音が聞こえてくる。

――そこに居るのは、誰だ?

⏰:08/03/03 02:16 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#10 [あの頃の思い出(1/2)]
なあ、憶えているか?心地よく吹くこの風の匂いを。

なあ、憶えているか?秋茜が飛ぶこのススキの原を。

なあ、憶えているか?あの日俺とお前2人で見た、赤く染まった夕焼けの空を。

『ここの風景は、きっと何よりも綺麗よね』

俺は、憶えている。お前が夕焼け空を仰ぎながらそう言ったのを。

俺は、憶えている。そう言ったお前の横顔が、一番綺麗だと思ったのを。

俺は、憶えている。あの日、お前と交わした小さな約束。

⏰:08/03/03 02:33 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#11 [あの頃の思い出(2/2)]
『次もまた見たいな。もちろん、私とあなた2人で、ね』

お前と交わした指切りげんまん。

俺はその指切りの約束を果たすために、ずっとここで待っている。

お前がどこへ行こうとも。

お前が帰ってくるのを、ずっと、ずっと。

「…………だから、帰ってこいよ。いつでも…待ってるからさ」

お前と2人で夕焼けを見た、このススキの原で。

⏰:08/03/03 02:34 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#12 [ギャグカオスなシュール(1/1)]
「オババババババババババババハ!!!wwwwwwwwwww」

「ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャwwwwwwwwwww」

「ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒwwwwwwwwww」
「アーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!wwwwwwwwwww」



「………」

「………」

「………」







「次の授業なんだっけ?」

「国語だよ」

「あー宿題やってねーw誰か貸してw」

「やだよバーロw」


完…?

⏰:08/03/03 02:44 📱:P903i 🆔:zBYy/l0.


#13 [[世界の真実]ふむ(1/2)◆s8/1o/v/Vc]
目が覚めた。
僅かに身震いするような肌寒さに瞼を開ければ、覚醒しきっていない頭で考える。
どうやら俺は寝てしまったらしい。
今は何時だろうか…。
カーテンが閉められていない窓から見える外は、既に日が没しており真っ暗な闇の世界を作り出していた。
室内も電気が就いておらず薄暗かった。
枕元の電子時計が緑色の字を発色させて12:37の文字を象っている。

「夜中か…」

寝過ぎたと後悔しつつも、のろのろと起き上がれば室内を明るくしようと電灯の電源に手を伸ばす。
カチリ…、と短い音を立ててスイッチが入れ代わった。
しかし、電灯は光らない。
部屋は不気味な薄暗さを保っていた。

「んだよ…電球切れてんのか?」

愚痴を零せば少しだけ苛々が込み上げてくる。
テレビに近付くとおもむろに手を伸ばし電源を入れる。
テレビは依然として真っ黒を画面に映し出している。

「何だよ…停電かよ…」

小さく舌打ちすれば一人納得し、暗いままの室内のベッドに腰を下ろした。
携帯を取り出すと無造作に開く。
僅かな携帯の眩しさに目を細めれば、待受画面には12:39の文字。
そして電話が一件来ていた。
それを確認しようと中身を開いた瞬間であった。
一瞬砂嵐になったかと思った矢先、画面は真っ黒になって電源が落ちた。

⏰:08/03/03 02:48 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#14 [梓 [真夜中の着信](1/2)]
〜〜♪

携帯を開くと、登録外の番号からの着信。私は、見なかったことにして携帯をポケットにしまった。

知らない番号…ではなかった。存在を消したくてデータを消した。それでも覚えている番号。忘れられなかった。
自分の鼓動が聞こえる。


好きでたまらなかった。好きで好きで、好きで好きで好きで好きで。
…こんな関係、うまくいく訳がなかった。

別れて半年。新しい彼女ができたと噂に聞いた。
私の中で、何かが壊れる音がした。


.

⏰:08/03/03 03:06 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#15 [梓 [真夜中の着信](2/2)]
電話は、見なかった事にしよう。後で履歴も消しておこう。そうすれば無かった事にできる。今まで通りの生活が送れる。

―本当にそれでいいの?

だって私はまだ思い出にできていない。

―会いたいんじゃないの?

会うべきじゃないの。

―まだ好きなの?

冗談じゃないわよ、あんな奴もう好きじゃないわ。

―じゃあ電話くらいいいじゃない。

…声を聞いたら会いたくなっちゃうじゃない。


私はそっとポケットから携帯を出した。一昔前の曲が静かな部屋に鳴り響く。

彼が好きだと言っていた、あの曲。




私はじっと携帯を見つめていた。

---END---

⏰:08/03/03 03:07 📱:SO703i 🆔:☆☆☆


#16 [[世界の真実]ふむ(2/3)◆s8/1o/v/Vc]
「おいおい冗談じゃねぇぞ!」

俺は慌てて電源を押し戻す。
しかし、いつまで押し続けていても一向に電源は戻らなかった。
電池はしっかりと三本補充されていたのを見たから、電池切れではないだろう。
念のため、充電器に差し込んだが反応はなかった。
そういえば停電だったな…。
思い出せば諦めたように携帯を投げ出して、ベッドに倒れ込む。
静かな時間が流れて、妙な違和感を抱いた。
嫌な予感のような、違和感を。
不意に横を見れば電子時計が発色していた。

「…ん?」

はて、気のせいだろうか。
電子時計の示す文字の光が弱々しくなってきているような…。
ぼんやりとそんな事を考えていたら、突然糸が切れたかのように電子時計の文字が消えた。

「…!?」

それを見ると俺は目を丸くした。
さっきからどうもおかしい。
違和感の原因がわかったのである。
無音なのだ。
静かすぎる、車の音すら聞こえない不気味な程無音の世界。
俺は立ち上がり窓を全開に開けた。

⏰:08/03/03 03:23 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#17 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
「何だよ…これ」

声が震えていた。
目の前に広がった光景は、真の闇。
停電の規模ではなく、人を失った不気味に佇む建物たちがひっそりと列を連ねていた。
照らし出すのは淡く朧な月明かりのみであった。

「誰も…いないのか?」

その時、後ろのベッドの片隅から声が聞こえた。
ベッドに寝転ぶ時はいつも掛けているラジオが、作動した様子だった。
俺はゆっくりと振り返る。
不気味なまで薄暗い室内に無機質なラジオの声が響いた。
途切れ途切れに数秒流れた後、ラジオは完全にその機能を失った。
俺は聞き取り難いラジオの内容に言葉を失った。
愕然と立ち尽くす俺に、先程ラジオは言った。

《現在…ょ…には…緊急…避難勧告が…されて…大変…危険…すので…ただちに…》

喋る物を無くした世界は、無音の世界へと続く不気味な静けさに包まれていった…。

⏰:08/03/03 03:26 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#18 [[世界の真実]ふむ(3/3)◆s8/1o/v/Vc]
最期の花[時代物](1/1)
>>8

世界の真実[ホラー](3/3)
>>13
>>16
>>17
(1/2じゃ文字数が足りませんでした;)

⏰:08/03/03 03:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


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