木の下でかくれんぼ
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#268 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
母親は私のかぶった布団を力強くはぎ取った。
そして私の腕を掴み無理矢理立たせようとする。
「さあ、まずはしっかりと朝ごはんを食べなさい。学校に行かないにしても、ちゃんと着替えて、顔を洗って、お日さまの光をあびて、悩みがあるなら何でもお母さんに相談しなさい。もうこれ以上、お母さんを心配させないでちょうだい!」
:08/08/17 22:31
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#269 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
母親は泣いていた。
流石に母親を心配させて泣かせた罪悪感に胸が痛んだ。
外へ出なければ死神に問われることはない、せめて元気に振る舞って母親を安心させてあげよう。
そう思い、立ち上がった時だった。
:08/08/17 22:56
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#270 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「無理矢理は、駄目ですよ。きちんと言葉で解決しないと」
楽しむかのように笑いを孕んだ男の声が聞こえてきた。
あわてて周りを見渡すと、ドアにもたれかかる死神の姿があった。
:08/08/17 23:13
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#271 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
日の光を浴びて、目がらんらんと光り髪の毛が栗色に見える。
口の端はいやらしく片方だけつり上げられていた。
この一週間、一時たりとも忘れたことはない恐ろしい顔である。
死神、カミヤマミヤト。
:08/08/17 23:13
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#272 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
「……うああ!」
こちらを興味深そうな目で見ている。
私の様子を伺っている。
:08/08/17 23:15
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#273 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
モウ、逃ゲラレナイ。
「いやぁあぁぁーっ! お母さん! お母さん! 私を殺しにきたあの死神を早くどこかへ連れていってぇ! 早く、早くーっ!」
:08/08/17 23:15
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#274 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
私は叫んだ。
あらんかぎりの声で叫んだ。
「ナナミどうしたの? 落ち着きなさい、ナナミ!」
助けてお母さん。
母親に助けを求めて必死にしがみついても、狂い叫ぶ私に混乱していて私と死神を交互に見つめるばかりだった。
:08/08/18 11:31
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#275 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
近くにあるものをあらかた投げ終えたところで、死神は口を開いた。
「とって食うつもりはないんだよ、アンドウナナミさん。ぼくはただ、一週間もの間ちゃんと約束を守ってくれた君にご褒美をあげたくって来たんだ」
ご褒美。
そう言って死神が取り出したのは、まだ乾ききっていないどす黒い血がたっぷりとこびりついた金槌だった。
:08/08/18 11:34
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:7dEREgGc
#276 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
それをしっかりと握りしめてこちらに歩いてくる。
「お願いよ助けて」
それは逃げる暇もなくして、私の頭上に高く振り上げられた。
:08/08/18 11:36
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#277 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
1
クラスメイトのスズキアサミと私は席が前後と近い。
だから必然的によほどの小声でない限りは会話がまるまる聞こえてくる。
私には盗み聞きなんていう趣味はないし嫌いであるから、いつもは読書の妨げをする雑音程度にあしらっていた。
:08/08/21 00:18
:L704i
:TkuPywH.
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