*柴日記*
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#582 [向日葵]
関わる事は、もう無いだろうけど。

後ろから、クスリと息が漏れる音が聞こえた。

「神田 一朗(カンダ イチロウ)だよ」

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――――――――――――

「って言うのが出会い」

越は絶句する。
母は確かに荒れていそうな感じだったが、今は大人になり、大人の振る舞い方で人と接しているから、喧嘩で人を、ましてや血が出るほど殴っている姿が想像出来なかった。

「それでよく一朗さん口説き落としたね」

柴は越と違い平然としていた。

⏰:08/09/15 01:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#583 [向日葵]
祐子はカラカラ笑い、エプロンを着け始める。

「ま、色々ある訳よ。さて、これ以上越がドン引きするといけないから、夕飯作るわ。チビ共の相手してやってて」

柴は頷くと越の背中を押してリビングへと戻って行く。

それを見ながら、祐子はまた思い出す。

「口説き落とした……ねぇ……」

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――――――――――――

「もーりしーたさんっ」

体育館裏で煙草を吸おうとしていた祐子は一朗の姿を見るなり呆れた表情を浮かべて、口にくわえていた煙草をポトリと落とした。

⏰:08/09/15 01:25 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#584 [向日葵]
「なんなんだ……お前は……」

「神田一朗。前に教えたじゃないか」

関わらないだろうと思っていた。
だが神田一朗は何度も祐子の前に現れては無邪気な笑みを向ける。

「神田……なんでここにいんだよ……」

「森下さんの姿が見えたから。どこ行くのかなって追ってきたんだ」

だから何故追ってくるんだと言いたいのを飲み込む。
またくだらない理由が返ってきそうだからだ。

許可もしていないのに、神田一朗は祐子の隣に腰を下ろす。
暖かな日差しに目を細めて、その温度を慈しむかのように微笑む。

⏰:08/09/15 01:32 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#585 [向日葵]
祐子はスカートの上に落ちた煙草を取り、またくわえる。
ちらりと神田一朗の方を見るが、対して気にした風はない。

祐子の視線を感じた神田一朗は、祐子の方へ視線を向け、首を傾げる。

「何?」

「別に……。口煩い教師達みたいに吸うなとか言うと思って」

「確かに法律上では未成年の喫煙は禁じられているし、女性は将来妊娠するだろうから控えるべきだとは思うけどね。そるに先生達に見つかれば停学は免れる事は出来ない確率の方が大きいけど」

「難しい事言うなっつってんだろ!頭痛くなるっての……っ」

「僕は先生じゃないし、森下さんの自由だから」

神田一朗はそう言うと微笑む。

⏰:08/09/15 01:39 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#586 [向日葵]
そしてまた空を眺めた。

祐子はつられて見上げる。
いつもと同じ空だ。
これと言って変わりはない。

なのに、今はどうしてこんなに穏やかな気持ちにさせるのだろうか。

まどろみそうになって祐子はハッとした。

「神田、教室に戻れ」

「なんで」

「いいからっ!」

無理矢理立たせて背中を押した。

神田一朗は不思議そうに後ろを振り返りながら体育館の角を曲がった。

⏰:08/09/15 01:43 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#587 [向日葵]
ホッとしたのも束の間。
反対側、祐子の背中の方から誰かがやって来る。

「コラ森下っ!またお前か!!」

やっばりと言うか、来たのは祐子のように煙草を吸っている生徒はいないかと見回りに来た教師だった。

「なんだよ。煙草吸ってお前に迷惑かけたかよっ!」

「あのな、森下。吸っちゃいけないって言う社会のルールがあるんだよ」

社会?ルール?
そんなもんくそくらえだ。

大した理由もないのに頭ごなしにダメだと言う。
だから祐子は納得出来なかった。

⏰:08/09/15 01:47 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#588 [向日葵]
「社会のルールかよ。じゃあ停学でもしやがれっ!あたしは痛くも痒くもねぇんだよ!!」

教師は祐子にたじたじだ。
下手をすれば祐子が飛びかかってくるのではないかと心配だからだ。
そんなのだから、祐子の心は更に納得出来なくなる。

結局祐子は何も見なかった事にされ、煙草は没収された。

――――――――…………

廊下を歩いている時だった。

「森下さんっ!」

振り返れば、向こうから神田一朗が走って来る。
そしてお約束のように何も無い所でスッ転ぶ。

⏰:08/09/15 01:52 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#589 [向日葵]
祐子はため息をついて彼に近づく。

「お前には気をつけると言う言葉はないのか……」

「そんな事より、さっき先生に煙草見つかったんじゃ……っ。教室に歩いて行く時、怒鳴り声が聞こえて……」

「見なかった事にするってよ」

「そ、そっかぁ……」

祐子はハッと気づき、周りに目を向ける。

あの祐子と話していると、神田一朗が変な目で見られているのを視線で感じた。

―ドウイウ関係?

―下僕?パシリ?

―マサカ恋人?

―違ウダロ。森下ガ良イヨウニ使ッテルダケダロ。

⏰:08/09/15 01:58 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#590 [向日葵]
直接言う事も出来ない馬鹿共。

いや……1番の馬鹿は、神田一朗か……。

関わらなかったら、こんな事言われる事も無かったのに……。

「――でね、森下さん」

「神田」

祐子は神田一朗の話を遮る。
そして冷たい目で彼を見つめる。

「あたしに二度と関わるな。お前がいたら、目障りなんだ」

神田一朗は固まる。

これでいい。

祐子は回れ右をして去って行った。

⏰:08/09/15 02:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#591 [我輩は匿名である]
>>578
誤]消毒駅
正]消毒液

>>581
誤]優しいだなんて思うだなんて
正]優しいと思うだなんて

>>585
誤]そるに
正]それに

⏰:08/09/16 00:44 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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