よすが
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#67 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしたちの前に煎れたてのお茶が出されると、ようやく先生も椅子に座った。

「さあ、ゆっくり話しましょうか」

そう言って、あたしとサトルの正面に座った先生は自分の前に置いたお茶に口をつける。
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⏰:08/04/05 00:22 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#68 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしは、何をどこから聞けば良いのか解らず、口をつぐんでしまった。
そんなあたしに気付いたのか、先生はゆっくりと話し始めた。

「ユキちゃんが向こうの小学校に転校して来たのは、確か……三年生の時だったかしらね? すぐにサトルくんとも、クラスのみんなとも仲良くなって、先生安心したのよ」
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⏰:08/04/05 00:23 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#69 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あの頃のことを思い浮かべているような先生の柔らかい表情につられて、あたしも懐かしい気持ちになっていた。
先生やサトルがあたしを気遣ってくれたから、すぐに普通の生活に戻れたのだと、あたしは二人に感謝している。
先生は一旦言葉を切ると、真剣な顔であたしの目を見つめた。

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⏰:08/04/05 00:23 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#70 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
「私は、ユキちゃんの身に起きたことを全て知ってる訳ではないの。それでも、私が知っていることは全て伝えるべきだと思ってる。お母様とお父様は、何も話してくれなかったのね?」

先生の言葉が、核心に触れた。
あたしは思わず目を逸らし、息を一つ吐いて背筋を伸ばす。

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⏰:08/04/05 00:24 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#71 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
「はい。父と母は、……昔の話をしたがらないんです。何年か前まではあたしも知りたかったから、聞いてみたりしてたんですけど……今はもうあたしから聞くこともありません。きっと父と母は、あたしのことが心配なんだと思います。
……あたしが今こうやって昔のことを調べてること、父と母は何も知りません。もうこれ以上心配かけたくないから……黙ってるつもりです」
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⏰:08/04/05 00:25 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#72 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしは途切れ途切れになりながらも、心の内を吐き出した。
伏せていた目を上げて先生の方を見ると、やはりまだ真剣な顔をしている。
いつでも優しく笑っていた中山先生の顔に笑顔が無い。

それだけであたしは、とてつもない不安に襲われた。
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⏰:08/04/05 00:25 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#73 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
きっとあたしの顔が強張っていたのだろう。
先生は表情をふっと柔らげて、微笑んでくれた。

「そう……ユキちゃんはすごく大きな決断をしたのね。やっぱり立派になったわ」
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⏰:08/04/05 00:26 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#74 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
嬉しそうにそう言ってくれる先生を見て、あたしはなんだかほっとした。と同時に、少し照れ臭くなってサトルの方を見た。
サトルはやっぱり心配そうな瞳でこちらを見ていたので、あたしはにこっと笑いかけた。
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⏰:08/04/05 01:47 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#75 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
あたしも、先生があたしにしてくれたように、サトルを安心させたかったのだ。
サトルの顔がほころんだのを確認して、あたしは再び先生に目を戻した。

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⏰:08/04/05 01:48 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


#76 [蜜月◆oycAM.aIfI]
 
「先生の話をする前に、ユキちゃんが知っていることを話してくれるかしら?」

あたしは先生にそう言われて、悩んでしまった。
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⏰:08/04/05 03:55 📱:SH903i 🆔:Ltba8Hdw


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