馬鹿だらけ(BL)
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#21 [生茶]
相田からだった。あの電話の後、俺が寝た後に受信したものだった。
『ごめん』
相田が謝る理由。思いつくのは、ホモだということと、俺に言ったこと…?考えれば考えるほど頭が痛くなる。もしかしたら、吉田を好きになってしまってごめん、ということかもしれない。俺は言葉に出来ないような苦しさを感じた。それは怒りにも似ていた。

⏰:08/04/04 00:44 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#22 [生茶]
「どうすりゃいいんだよ…」
相田は吉田が好きだけど、ホモってことに抵抗みたいなもんがあって俺に相談。
俺も吉田が好きで、相田を邪魔に思ってる。

…俺が、相田にホモは最低だ、って言ってやれば…俺が有利になるようなことを言ってやれば良いんじゃないか…?

俺は前からこんなに酷い奴じゃなかった。嫉妬心ほど怖いものは無い…

俺はメールで相田を家に来るように誘った。

⏰:08/04/04 00:50 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#23 [生茶]
午後
家には誰もいなかった。相田は、俺が昼飯を食べ終わった頃にやってきた。

「お邪魔します」
「今家誰もいないからさ」
「あっ、そうなの?」
部屋に入り、俺はベッドの上、相田は机の椅子に座った。
「なぁ、お前は…ホモって、気持ち悪いと思う…?」
「やめたほうがいいよ。俺は嫌だ」
そんなこと、思っていなかった。むしろ俺は吉田とくっつきたいし、ホモに抵抗は無かった。
相田は相変わらず下を向いている。俺は相田の言葉を待った。
「そっか…」
「うん。お前は彼女いたんだし、女との付き合いとか分かるだろ?今まで通りやってりゃいいんだよ」
「でも、好きでたまらない時は?どうすれば忘れられる?」
ふられた女子のようなことを言う。まぁ女子も男子も同じようなもんか。
「考えない」
「え?」
「お前だって負け戦嫌いだろ?潔く諦めるんだよ」
「…」

⏰:08/04/04 01:02 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#24 [生茶]
「…無理だよ、俺そういうの」
今にも泣きだしそうな顔をされた。しかし、これはしょうがないことだ。吉田のことは、諦めてくれ。
「飲み物取ってくる」
そう言って立ち上がった瞬間、相田は俺の前に立って、両手で肩を掴んだ。
相田の顔が真っ赤だ。俺の素っ気ない態度に怒ったか…?
「ごめん、好きなんだ」
俺の唇に、相田の唇が重なる。

⏰:08/04/04 01:07 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#25 [生茶]
「!?」
相田が俺に…って、まさか相田が好きな男子って…
「んー!!」
俺は相田の体を引き離そうとした。しかし相田はがっちりと俺を抱き締める形で固定している。
「俺、お前が好き。いつからか分かんないけど…」
「やめろ」
息を荒げていた。俺は視線を落として震えた声で言った。
「…やめない」
「!」

⏰:08/04/04 01:14 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#26 [生茶]
「ばっ…かやめろ!!」
ベッドに俺は押し倒された。相田は俺の腕を固定したままもう一度キスをしようとする。そこに俺の頭突きが入った。
「い゙っ…」
相田がひるんだすきに、俺は足で相田の腹を蹴った。
「帰れ…」
相田が歪んで見える。涙ぐんでいた。声もさっきより震えている。相田は腹を蹴られたせいでうずくまっていたが、俺の声に驚いて顔を上げた。
「帰れ!」
相田は怯えた表情をし、小さな声でごめんというと、逃げるように帰って行った。

⏰:08/04/04 01:22 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#27 [生茶]
前期選抜は、風のように過ぎ去った。何事もなかったかのように、また元の日常が戻ってきた。
あれから相田とは話していない。あっちも、俺と吉田の中には入って来なかった。

「前期どうだったー??」
クラスの河合と柳本が駆け寄ってくる。今は休み時間。
「何かあんまりいけてない。落ちたかも…」
「落ちるとか言うなよ仲村ぁー」
「お前前期受けたんだっけ?」
「や、俺と河合は受けてない。後期に自信あんだよ!」
「成績足りないんだろ」
「あっちくしょう仲村!」

⏰:08/04/04 01:35 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#28 [生茶]
穏やかだった。前期の合格発表が気になるけど、とりあえずは受験から解放されたのだ。
しかし俺の心境は荒波のようだった。相田とのことが頭の隅に居座って消えてくれない。しかも、もし俺が相田の立場で吉田に同じことをしていたら…嫌われるだろうか。
そして俺は、勘違いで相田を苦しめて、パニック状態に陥って更に相田を傷つけた。
どうしたらいいか、全く分からない。

⏰:08/04/04 01:42 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#29 [生茶]
「なぁ、相田のやつ、この頃俺らんとこ来ねぇけど、どうしたんかな」
帰り道。俺はほぼ毎日吉田と帰っている。
「…なぁ、俺んち寄ってってくんない?」
「へ?あ、まぁいいけど」
俺は相田とは違う。吉田を襲ったりなんかしない。今は相田のことを…いや、何で相田のことを気にしてるんだろう。あぁもう、本当にどうすればいいんだよ!

⏰:08/04/04 01:49 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#30 [生茶]
「前期受ける前、相田に言われた」
「何て?」
「…」
「…」
言えない。目の前にいるのは、俺の好きな人。何で吉田に話そうと思ったんだろう。
「…可愛いな」
黙っていると、吉田が言った。俺は心臓が破裂するかと思った。
「悩んでる?」
「…少し。じゃない、結構」
「話してみ」
やっぱり、吉田はそういう人だ。俺と同じように、相田はこういう吉田に惚れたのかもしれない。
相田には俺の口から言おう。ちゃんと謝ろう。

⏰:08/04/04 01:55 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


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