・・万華鏡・・
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#46 [果樹]
咲良っ!

咲良――――!!


――――――――・・・・


「宮ちゃん!!」

勢い良く保健室のドアを開け、俺は保険医である宮ちゃんの名前を呼ぶ。

「なんだ中村ー。またサボリ?」

宮ちゃんは回転式の椅子に座って笑っていう。

⏰:08/05/30 23:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#47 [果樹]
「違くて!咲良が・・・運び込まれたって・・・」

気持ちが焦って言葉がうまく出てこない。

宮ちゃんは「ああ」と目線を動かし部屋の奥にある窓際のベッドを指差した。

「そこのベッドに寝てるよ。あたしちょっと職員室いってくるからくれぐれも変なことしないよーに!」

カタンと椅子から立った宮ちゃんは、部屋から出ていく際に俺の方を向いて忠告してきた。

⏰:08/05/30 23:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#48 [果樹]
「しねーよ!」

俺はカァっと顔が赤くなる。

宮ちゃんはケラケラと笑って部屋を出ていった。



窓際のベッドに行くと咲良が気持ち良さそうに寝息を立てて眠っていた。

俺はなんだかほっとして、近くに立掛けてあったパイプ椅子に座って、咲良の寝顔を見る。

⏰:08/05/30 23:34 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#49 [果樹]
「咲良・・・」

名前を呼ぶと咲良は身じろいでから目を開けた。

「ん・・・千晃・・・くん?」

まだ少し朧気な咲良は、上体を起こそうとするので、俺は椅子から立ち上がり、咲良の背中に手を回してそれを手伝う。

「お前大丈夫なのか?」

「あ、ごめんね?心配かけちゃった?軽い脳震盪みたいなものだから心配ないよ」

⏰:08/05/30 23:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#50 [果樹]
優しく笑う咲良はどこか儚げで今にも消えてしまいそうだった。

「本当に?」

「心配しすぎ。大丈夫だから」

不安を拭い切れない俺が聞き返すと、咲良は笑って返事をした。

「今日桜の木の下、行けなかった」

窓の外を見ながら言う咲良に一瞬俺は目を奪われた。

⏰:08/05/30 23:37 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#51 [果樹]
「また明日があるだろ?」

「・・・そうだね!」

咲良は一瞬哀しそうな目をして、にこっと屈託のない笑顔を見せた。



でも咲良。
お前はこの時にはもう分かってたんだな。
自分の体のこと・・・。

⏰:08/05/30 23:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#52 [果樹]
次の日の昼休み

いつものように桜の木に向かおうとしていた途中俺は、女に話しかけられた。

名前までは知らないが、顔に見覚えがあった。
たぶん同じ1年だろう。


彼女は、顔を真っ赤にして体をもじもじとさせ、さっきから俺をチラチラと見ている。

あーこの感じ。
なんか身に覚えがある。
たぶんこれは・・・

⏰:08/05/30 23:42 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#53 [果樹]
「中村くん!」

「へ・・・?」

あ、俺か。

いきなり名前を呼ばれた俺は一瞬思考が止まる。

「中村くんのことずっと好きだったの・・・!良かったらあたしと付き合ってくれませんかっ?」

顔を真っ赤にさせた彼女はぎゅっと目を瞑り、少し震えていた。

⏰:08/05/30 23:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#54 [果樹]
やっぱり・・・。
これは属に言う愛の告白。

「あー・・・悪いけど、俺あんたに興味ないんだわ」

俺が頭をかきながら言うと彼女は目にいっぱい涙を溜めて、走って行ってしまった。

俺はその後ろ姿を見ながらはーぁと盛大に溜め息をつく。

「見ーちゃった♪」

⏰:08/05/30 23:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#55 [果樹]
「なっ・・・咲良!!」

ひょこんと木の後ろから顔をだした咲良に俺は、驚いて少し後退る。

「見てたのかよ・・・」

「見えるところにいたのは千晃くんの方でしょー?」

咲良はぷくっと頬を膨らませた。

⏰:08/05/30 23:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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