・・万華鏡・・
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#56 [果樹]
まあ確かに此処は桜の木から目と鼻の先で、咲良がいつも通りあの場所にいたなら見られて当然だった。
なんかいろんなことに後悔だ・・・はぁ。
「それより」
俺が片手で頭を抑えながらうなだれていると、ズイッと視界の真ん中に咲良が現れた。
なんだか顔が怒っている感じだ。
:08/05/30 23:49
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:☆☆☆
#57 [果樹]
「駄目じゃん千晃くん!!女の子は繊細なんだからあんな言い方したら傷付いちゃうよ!」
ああ、断る時の台詞まで聞いてたのか。
俺は、はぁーとまた溜め息をつき、咲良の額にデコピンをくらわせた。
「バーカ。どーせ諦めるならこっぴどく振られた方が諦めるもつくだろ!?」
:08/05/30 23:50
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:☆☆☆
#58 [果樹]
咲良は面食らった顔をしたが、すぐにいつもの笑顔になった。
「ふふッ」
「なんだよ・・・」
「千晃くんは優しいなーと思っただけ♪」
「ばーか」
そんなことを笑顔で言う咲良に俺はなんだか恥ずかしくなった。
:08/05/30 23:51
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:☆☆☆
#59 [果樹]
「ふふッ・・・っ!」
「咲良!?」
笑っていた咲良の顔が歪み、いきなり足元から崩れるようによろけたので、俺は急いでその身体を受け止めた。
「ごめ・・・ちょっとよろめいちゃった」
弱々しく笑顔を見せる咲良が俺はなんだか愛しくて堪らなくなった。
:08/05/30 23:58
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:☆☆☆
#60 [果樹]
「ばか無理すんな。保健室行くぞ」
「え・・・?」
俺は咲良の背中と膝の裏に手を回し、抱え上げた。
属に言うお姫様抱っこだ。
腕の中では咲良が目を丸くしていた。
「掴まってろな?」
「へ・・・?あ・・・うん」
:08/05/30 23:59
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#61 [果樹]
俺の言葉に咲良はおずおずと胸元のカーディガンに手を伸ばしそれをぎゅっと握り締めた。
それを確認した俺は、なるべく咲良に負担がかからないように、歩いて保健室に向かった。
――――――――・・・・
保健室のベッドに咲良を下ろすと安心したのか、咲良はいつの間にか眠りについていた。
:08/05/31 00:00
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#62 [果樹]
俺は5限目をサボって咲良についている。
今は宮ちゃんが入れてくれた茶を一緒に飲んでいるところだ。
「なぁ、宮ちゃん・・・。咲良どっか悪いのか?」
俺はこの間からずっと思っていたことを宮ちゃんに聞いた。
:08/05/31 00:05
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#63 [果樹]
本当は、咲良本人から聞きたいが、きっと咲良に聞いたって、なんでもない大丈夫と返されるのが落ちだから咲良には聞けなかった。
宮ちゃんは「んー・・・」と俺の顔を見ながらしばらく考えて、はぁと短い溜め息をついた。
そしてゆっくりと口を開く。
:08/05/31 00:08
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#64 [果樹]
「水嶋はね・・・心臓の病気なんだ」
「え!?」
俺の頭に衝撃が走る。
一瞬理解が出来なかった。
どうしてだろう身体が震える。
「本当なら病院にいないといけないのに本人の希望で学校に通ってるらしいんだけど・・・もう限界かもな」
宮ちゃんが少し寂しそうに言った。
:08/06/01 02:03
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#65 [果樹]
「そんな・・・」
咲良が病気・・・?
俺はうまく自分の中で今聞いた事が処理できなかった。
うつ向く俺の肩を宮ちゃんはぽんぽんと叩いて、「ついててやんな」と一言残して保健室を出ていった。
俺は立ち上がって咲良が眠っているベッドに行き、パイプ椅子に腰を下ろすと布団の上に出ていた咲良の白く細い指を握り締めた。
:08/06/01 02:03
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