・・万華鏡・・
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#116 [果樹]
顔が赤くなる私をお構い無しに上條先輩は顔を近付けてくる。

「ほんまかいな?無理したらあかんで?」

「は・・・はい」

私はこれ以上顔が見られないようにうつ向いて返事をした。

「あ、ほんなら俺行くさかいに。またなっ」

そういって上條先輩はぱたぱたと走っていった。

⏰:08/06/03 20:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#117 [果樹]
一人になった渡り廊下に私は寝転び心臓のある左側の胸を上から触る。

「はー。心臓の音が止まないよ・・・」


――――――――・・・・


「失礼しまーす。上條先輩?」

私は今、写真部の部室に来ている。

なぜかって?

⏰:08/06/03 20:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#118 [果樹]
それは遡ること今日の朝。


いつものように冴木先輩のストーキングをしていたら上條先輩が来て、「涼ちゃんに見せたいもんあんねん。せやから放課後写真部にきてやぁ」とだけ言って、上條先輩は私の返事を聞かぬ内に行ってしまった。


そして冒頭に戻るわけで。

⏰:08/06/03 20:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#119 [果樹]
写真部のドアを開けて上條先輩を呼んでるが、上條先輩の姿はない。

「上條せんぱーい」

私は中に入り、もう一度上條先輩を呼ぶ。

すると部屋の奥のドアがガチャッと開き、上條先輩が顔を出した。

「あ、涼ちゃん!はよはよぉ。今出来たとこやねん」

「へ?あ・・・はぁ」

⏰:08/06/03 20:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#120 [果樹]
手招きをする上條先輩に誘われるように、私は今上條先輩が顔を出した部屋に入る。



中に入るとそこは赤い照明の為か、部屋全体が赤く色付いていた。

上條先輩はピンセットで写真らしきものを水に浸している。

「それで現像してるんですか?」

⏰:08/06/03 20:11 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#121 [果樹]
「せやでー。もっと簡単な方法もあんねんけど俺はこれが好きやねん」

そう言っている上條先輩の顔は楽しそうだった。


「あ、これな♪」

ぽんと掌に置かれたのはいくつかの写真。

でも部屋の照明のせいで、何が写っているのかはっきりわからない。

⏰:08/06/03 20:11 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#122 [果樹]
「ここじゃアレやから。あっちで見ようや」

そういって私たちは赤い部屋を出て、さっきの部室に戻った。



「うっわぁ・・・」

部室に戻って掌に置かれた数枚の写真を見て、私は思わず声を上げる。

「でやっ?」

⏰:08/06/03 20:13 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#123 [果樹]
隣では上條先輩が私の顔を覗き込んでいるが、私の目は写真に釘付けにされている。

「綺麗ー・・・」

写真には、青空が夕暮れの赤い空に変わる時の写真やピンク、紫、紺の色が同じ空の中に写し出されたものがあった。

どれも幻想的で思わず見惚れる。

「ほんま?」

⏰:08/06/03 20:13 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#124 [果樹]
「うんうん!すごい!」

私はついはしゃいでしまう。

「何や嬉しいなぁ。きばって撮った甲斐があったわ」

「え?!これって先輩が?」

先輩の方を見ると、先輩は少し照れたように頭をかいた。

「せやでー。まぁ素人の遊びに毛ぇ生えたようなもんやけど」

⏰:08/06/03 20:14 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#125 [果樹]
「でもすごい・・・」

私はまた写真に目を戻す。

見ていると、まるで吸い込まれるような写真に惹き付けられるような不思議な感覚になる。

「先輩って写真が本当に好きなんですね♪」

そう笑いかけると上條先輩は顔を反対方向に向けて「ん・・・まぁな」と何だか歯切れ悪く言った。

⏰:08/06/03 20:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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