・・万華鏡・・
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#175 [果樹]
「うん!行っておいで」


卒業式が終わってから、私は急いで由香の元に向かいそう告げると、由香はにっこり笑って送り出してくれた。

ありがとう由香!



私は学校中を走り回った。

たった一人の・・・大切な人に会いたいから。

⏰:08/06/05 00:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#176 [果樹]
教室、渡り廊下、屋上、中庭、体育館。

ありとあらゆるところを回ったのにあの人はいない。

帰っちゃったとか・・・?

校門の方では三年生が学校との別れを惜しむ姿が見える。

私の頭に不安がよぎるが、私は頭をぶんぶんと横に振ってその考えを頭の片隅に追いやった。

⏰:08/06/05 00:51 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#177 [果樹]
そして必死に探してない場所を考える。

あと行ってないのは・・・。

そこである場所が頭に浮かんだ。

もしかしたら・・・!

藁にもすがるような思いで私はそこに走った。


――――――――・・・・


「先輩っ!?」

⏰:08/06/05 00:51 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#178 [果樹]
カチャっとドアを開け、中に勢いよく入るが、室内はガランとしていた。

ここにもいなかったらもうどこにいるかわからない・・・。

弱まりそうになる涙腺をしっかり引き締めて、私はもう一度校内を探そうとドアに手をかける。

その時、奥の部屋からカシャンと金属が落ちるような音が聞こえた。


「え・・・?」

⏰:08/06/05 00:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#179 [果樹]
まさか・・・!


私は恐る恐るそこに近付き、ドアノブに触れてそれをゆっくりと回す。

部屋から赤い光が漏れた。


「先輩・・・?」

「涼・・・ちゃん・・?」

中を覗くと、先輩が驚いた表情でこっちを見ていた。

⏰:08/06/05 00:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#180 [果樹]
「やっと見つけた」

私は中に入り、ドアを閉める。

狭い暗室に二人だけになった。

「見つけたって・・・え?」

先輩は固まったまま今の状況が上手く飲み込めていないようだ。
「告白の返事をしに来ました」

「え?あっ・・・ちょ・・ちょっお待って」

⏰:08/06/05 00:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#181 [果樹]
私が言うと先輩は物凄く慌てた感じで、動きも挙動不審になっている。

私はスゥっと息を吸い込む。


「私は・・・」


「ストップ!!」

いいかけた言葉を先輩の大きな声に遮られた。

私は一先ず黙ることにした。

⏰:08/06/05 00:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#182 [果樹]
「とりあえずここから出よか。お茶・・・入れたるさかいに」

「はい・・・」

先輩に促されるまま私たちは暗室を出て、隣の部屋で話をすることにした。


――――――――・・・・


「はい」

「ありがとうございます」

⏰:08/06/05 00:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#183 [果樹]
私の目の前に湯気のたったたお茶が出された。

私は喉の乾きを抑えるために一口、口にする。

暖かくておいしい。


「俺、返事はいらへんて言うたよね?」


私がなごんでいると先輩が真面目な顔をしながら聞いてきた。

先輩は私の方を見ずに、じっと机を見ていた。

⏰:08/06/05 00:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#184 [果樹]
「でも言いにきました」

コトッと机にお茶を置き、先輩の方に向き直る。

「あんま聞きたない・・・」

何かいじけるような感じで言う先輩がなんだか可愛く思えてしまう。



「先輩・・・私ね。たくさん考えました。でも考えても考えても答えが出なかった」

⏰:08/06/05 00:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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