・・万華鏡・・
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#210 [果樹]
「自由が欲しいなら俺がくれてやるよ」

そう言ってにっと笑った先生は、いきなり椅子から立ち上がると、テラスに通じる窓を開ける。

8月とはいえ、少し涼しい風が部屋の中に入ってくる。

一瞬風の冷たさに驚いて目を瞑る。

目を開けると、先生はテラスの手摺に片足をかけていた。

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#211 [果樹]
「え?ちょ・・先生何してるんですか?!危ないですよ!」

私はありえない光景に驚き、止めるために近付こうとした時、先生が振り返った。

「あれ?心配してくれんの?」

「ばっばかだって言ってるんです!」

にっと笑って言う先生に対して、私は何故か顔が熱くなった。

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#212 [果樹]
先生は、そんな私を見てふっと笑うとテラスから飛び下りた。

「きゃっ・・せ、先生?!」

私は急いでテラスに出て下を覗くと先生が背中を向けて立っていた。

私は先生が生きていたことに胸をほっと撫で下ろす。

「おいで。」

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#213 [果樹]
先生はさっきと同じ顔で笑って両手を広げる。

「だ、だめ・・・いけません。」

私はここから出られない・・・。

ぎゅっと目を瞑り視界から先生を消す。

それでも耳から先生の声が入ってくる。

「お前の知らない世界を俺が見せてやるよ。」

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#214 [果樹]
「―――――っ!!」

どうしてこの人はこんなことをいうのだろう・・・。

私はいつの間にか瞑っていた目を開けて先生の方を見ていた。

ふらっと先生に導かれるまま行ってしまいそうになった時、部屋のドアを叩く音が聞こえた。

「お嬢様?どうかなさいましたか?お嬢様?!」

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#215 [果樹]
ドンドンと鳴り止まない音が私の足枷を重くする。

「つかさ、おいで。」

下では先生がまだ両手を広げたまま笑顔でこっちを見ている。

あなたは私を解放してくれる・・・?

優しく笑う先生に全てを引き寄せられるように、私はテラスから先生の腕の中へ飛び下りた。

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#216 [果樹]
先生は私をしっかりと受け止めると、「じゃあ行くか!」と言って肩に担いで走り出した。


――――――――・・・・


家の門の前に出るとバイクが置いてあった。

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#217 [果樹]
「これは・・・?」

「俺の愛車♪よいせっ・・と」

バイクにすとんと下ろされ、かぽっとヘルメットを被せられた。

「へ?あの・・・」

先生もバイクに跨りエンジンをかける。

「よし。ちゃんとつかまってろよ?」

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#218 [果樹]
ちらっとこっちを見てそう言うと、先生は私の手を引いて腰周りにしがみつかせた。

「え?ちょっキャー!!」

私がしがみついたのを確認して、先生はバイクを走らせた。


――――――――・・・・


コンコン

⏰:08/06/06 03:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#219 [果樹]
「入れ」

低く唸るような声で革張りの黒い椅子に座った人物が喋る。

カチャと重々しい木の扉を開け、スーツ姿の男が入ってきた。

男は扉の前で一礼をして、革張りの椅子に座り背を向けている人物に向かって、目をキッと少し細める。

「申し訳ありません旦那様。お嬢様を見失いました。」

男はそのまま深く頭を下げる。

⏰:08/06/06 03:09 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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