・・万華鏡・・
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#322 [果樹]
夜道を歩きながらネクタイを緩めた総がカラカラと笑う。

「どうしてですか?」

総が自信たっぷりに言うものだからつい目を見開いてしまう。

すると総は笑ったまま私の方をちらりと見てすぐ前を向く。

「つかさの父親と母親も駈け落ちしたからだよ」

「え?!」

⏰:08/06/30 05:23 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#323 [果樹]
総の口から出た信じられない言葉に私の足が止まる。

それに合わせるように総も足を止めて私の前に立つ。
「つかさの父親と母親は周りから見ても本当に幸せそうだったらしい。だから俺たちもきっと幸せになれる。いや、なるんだ!」

力強くそう言った総の言葉に私は涙を流しながら何度も頷く。

そんな私を抱き寄せて力強く総は私を抱き締める。

⏰:08/06/30 05:24 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#324 [果樹]
総から伝わるぬくもりが暖かくて心地好くて私はまた涙を流した。


――――――――・・・・


ねぇ総?

籠の鳥は籠の中で生きている方が幸せだって誰かが言っていたけれどそれは間違いだったみたい。

なんで?

だって籠の外だって私はこんなに幸せに満ち溢れているもの。

⏰:08/06/30 05:25 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#325 [果樹]
貴方のお陰で私は再び羽を伸ばす事ができたの。

自由はもう憧れでも夢でもなくなったのよ。
これって私にとっては凄い事だわ!

ありがとう総。


あ、でもね。
飛ぶだけじゃ疲れちゃうからたまには休ませて。

休む・・・?

⏰:08/06/30 05:26 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#326 [果樹]
うん!
貴方の胸の中が一番私が羽を休めて落ち着けるところだから。

大好きよ・・・。





【自由に憧れた鳥】

―END―

⏰:08/06/30 05:26 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#327 [果樹]
.

大人の恋?
そんなのが欲しいんじゃない。
あたしはただあたしだけを見てほしかったの。


story 4

【恋患い】

.

⏰:08/07/01 02:37 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#328 [果樹]
ガタガタン!!


ん?何だ?

俺は、柴浦要。
この学校の教師で、今は校内の循環中。

さっき近くの教室から聞こえてきた机が倒れたっぽい音。

「お前なんかこっちから願い下げだよ!!」

「うっさい!もー早く出てって!!」

⏰:08/07/01 02:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#329 [果樹]
そして続けて聞こえる男女の怒鳴り声。

なんだー?
痴話喧嘩か?

俺はつい野次馬心で聞耳を立てる。

「言われなくても出てってやるよ!バカ女!」

バンッと大きな音と共に開かれた教室のドアからは、金髪の男子生徒が不機嫌な顔を露にして、出てきた。

⏰:08/07/01 02:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#330 [果樹]
「チッ」

俺を見るなりそいつは舌打ちをして、近くの階段を降りていく。

チッて昭和のヤンキーですか、とそいつの背中を見送りながら俺はついツッコミを入れる。

そしてさっき金髪の男子生徒が出てきた教室の中を見ると、栗色の髪をした女の子が涙を目いっぱいに溜めて泣いていた。


――――――――・・・・
.

⏰:08/07/01 02:41 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#331 [果樹]
「笹原さーん。もう授業は始まっているんですけどー?」

足元の方からから聞こえてきた声。

教師か。
でも動くの面倒いや。

「だから?」

私は近付いてくる教師に冷たく言い返し、寝転がったまま雲一つない青空を見つめる。

⏰:08/07/01 02:42 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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