・・万華鏡・・
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#427 [果樹]
止まっていた私の思考が、手を放されたと同時に動き出したので、私は自分の鞄を持ち、車を降りた。


ドアを閉める瞬間、柴浦が
「また明日」

と言ったのが聞こえたが、それに答える余裕なんてなかったのでバタンとドアを閉め、急いで家の中に入った。

⏰:08/08/17 23:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#428 [果樹]
外で柴浦の車が走り去る音を聞いてから私は玄関のドアに持たれるようにして崩れ落ちた。

どうしよう・・・。

止まない心臓を抑えて私は天井を見上げた。


―――――――――・・・・


「柴浦に告白されたーー?!」

「ばかっ声大きい!!」

⏰:08/08/17 23:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#429 [果樹]
百合の声より遥かに私の声が大きかった気がするのはとりあえず無視しておこう・・・。


今、私は百合と屋上に繋がる階段の踊り場で座りながら話をしている。

内容はもちろん昨日あったこと。

淡々と話す私に対し、百合は百面相を繰り返す。

本当に忙しい奴。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#430 [果樹]
私は横目でそんな百合を見ながら冷静に思った。

「それで?!真理奈は何て答えたの??」

百合の目がキラキラしているのは私の気のせいだろうか。

「答えないで逃げてきた」

「・・・・・・・は?」

私の言葉に百合があんぐりと口を開ける。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#431 [果樹]
きっと私の答えが余りにも百合の妄想の世界と欠け離れていたのだろう。

とりあえず百合に突っ込みは入れず、その後家まで送ってもらった経緯を話すと、百合の口許が今度はにんまりと笑みを浮かべる。

「何・・・?」

気味が悪くて、恐る恐る聞くとにまにまと笑いながら百合がとんでもないことを口にした。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#432 [果樹]
「真理奈さぁ、柴ちゃんに惹かれてるでしょ?」

「・・・・・・は?」

「いやー柴ちゃんを呼んだのは正解だったかも」

ふふっと怪しく笑う辺りが恐ろしい。

「自分で気付いてないだけかもしれないからよく考えてみたら?」

そういって百合は私の肩をポンポンと叩いて教室の方に歩いて行ってしまった。

⏰:08/08/17 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#433 [果樹]
一人になった私は屋上に出た。

頬をかすめる風に気持ちよさを感じて私はフェンスの側まで行き、校庭を眺める。

校庭では休み時間だというのに小学生のようにはしゃぐ男子生徒が数人いた。

それを見ながら私は、さっき百合が言った言葉を繰り返し考えていた。

惹かれてる・・・?
私が・・・柴浦に・・・?

⏰:08/08/17 23:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#434 [果樹]
“自分では気付いてないだけかもよ”

わからない。
どうやって確かめたらいい・・・?

こんな感情は初めてだ。

今まで付き合ってきた男たちとは違う。

胸がぎゅって締め付けられたり、側にいたいのにいたくない。

自分がどうしたいのかわからない。

⏰:08/08/17 23:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#435 [果樹]
―カチャ・・・キィ

思いに耽っていたら不意に屋上のドアが開いた。

「真理奈ーギャハハ」

啓祐・・・。

近付いてくる啓祐と距離を取るように私はフェンスに体を押し付けた。

「お前さぁあれはまずくね?」

⏰:08/08/27 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#436 [果樹]
隣まで来た啓祐がいきなりそんなことを口にした。

私が啓祐の言葉の意図が分からなくて首を傾げると啓祐はにやっと嫌な笑いを浮かべる。

「“笹原は返してもらう”だっけか?教師と生徒の関係には見えないよなー」

横目でちらりと私を見ながら言う啓祐の目は明らかに面白がっている。

⏰:08/08/27 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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