・・万華鏡・・
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#437 [果樹]
「何が言いたいの?」
私は墓穴を掘らないように啓祐の言葉の続きを促す。
「お前が俺のものになれば許してやるよ」
「え・・・?」
「いいんだぜ?学校側にチクっても。学校側に言ったら柴浦はどうなるんだろうな?謹慎・・・は当たり前か。ギャハハ」
:08/08/27 23:58
:P902iS
:☆☆☆
#438 [果樹]
「・・・・・・っ!」
悔しい!
足元を見られているんだ。
私は唇から血が出そうなくらい下唇をぎゅっと噛んだ。
負けちゃいけない・・・。
負けちゃ・・・。
「い・・・やだ」
:08/08/27 23:58
:P902iS
:☆☆☆
#439 [果樹]
「あ?」
啓祐の眉間に皺が寄る。
「いやだ・・・」
「お前自分が何言ってるかわかってんのか?」
「わかってる・・・。言いたかったらいえばいいよ。」
私は震える手をぎゅっと握り締めて自分を震いたたせる。
「生意気な奴」
:08/08/27 23:59
:P902iS
:☆☆☆
#440 [果樹]
低くドスの効いた声で啓祐が言った後、私の耳元でパチンと破裂音がして頬に痛みが走る。
数秒後、叩かれたという事に気付いた。
「もぉいいわ。お前いらねぇ」
それだけ言って啓祐は屋上から出ていった。
痛い・・・。
:08/08/28 00:00
:P902iS
:☆☆☆
#441 [果樹]
私はふらつく足で屋上を降り保健室に向かった。
―――――――――・・・・
「ちゃんと冷やしておきなさいよー」
保健の先生が出ていった後、私は座っていた長椅子に寝転び目を閉じた。
頬には腫れを抑えるための濡れタオル。
:08/08/30 18:56
:P902iS
:☆☆☆
#442 [果樹]
―ガラガラガラ・・
誰かが保健室のドアを開けた音がしたが、きっと生徒だろうと気にも留めずに寝転んだままいると
「起ーきーろ!」
という声と共にパチンと額を弾かれた。
「〜〜〜っなんなんですか?!」
:08/08/30 18:57
:P902iS
:☆☆☆
#443 [果樹]
ガバリと起き上がり額を弾いた張本人の柴浦を見ると何処か不機嫌そうな顔をしていた。
「柴浦・・・?」
私が呼び掛けるとスッと柴浦の手が延びてきて私のまだ腫れている頬に触れる。
「あんまり無茶するな・・・」
呟くように言ったその顔は悲し気で何故か胸が痛くなった。
:08/08/30 18:58
:P902iS
:☆☆☆
#444 [果樹]
胸が痛い・・・なんで?
「まだ痛むか?」
「大丈夫・・・。私強いし」
そう言うと今度は腫れていない方の頬をむにっとつねられた。
「馬鹿野郎」
「なっ・・!」
「強がってないでいい加減素直になれ」
:08/08/30 18:59
:P902iS
:☆☆☆
#445 [果樹]
柴浦の言葉が胸に大きくのしかかる。
“強がり”
それは自分が一番よく分かっていることだ。
弱音を吐かない。
吐きたくない。
昔からそれが弱い自分を見せないための唯一の方法だった。
「別に強がってなんか・・・っ!」
:08/08/30 18:59
:P902iS
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#446 [果樹]
「意地っ張り」
言葉とは裏腹に柴浦が私の頭を撫でる。
「全部受け止めてやるから。弱いお前も泣き虫なお前も。だからいい加減素直になれ」
そんなこと今まで誰も言ってはくれなかった。
いつだって“真理奈は強いな”“真理奈のそういう強いところが好きだ”って言われて来たから・・・。
:08/08/31 00:01
:P902iS
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