・・万華鏡・・
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#52 [果樹]
次の日の昼休み

いつものように桜の木に向かおうとしていた途中俺は、女に話しかけられた。

名前までは知らないが、顔に見覚えがあった。
たぶん同じ1年だろう。


彼女は、顔を真っ赤にして体をもじもじとさせ、さっきから俺をチラチラと見ている。

あーこの感じ。
なんか身に覚えがある。
たぶんこれは・・・

⏰:08/05/30 23:42 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#53 [果樹]
「中村くん!」

「へ・・・?」

あ、俺か。

いきなり名前を呼ばれた俺は一瞬思考が止まる。

「中村くんのことずっと好きだったの・・・!良かったらあたしと付き合ってくれませんかっ?」

顔を真っ赤にさせた彼女はぎゅっと目を瞑り、少し震えていた。

⏰:08/05/30 23:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#54 [果樹]
やっぱり・・・。
これは属に言う愛の告白。

「あー・・・悪いけど、俺あんたに興味ないんだわ」

俺が頭をかきながら言うと彼女は目にいっぱい涙を溜めて、走って行ってしまった。

俺はその後ろ姿を見ながらはーぁと盛大に溜め息をつく。

「見ーちゃった♪」

⏰:08/05/30 23:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#55 [果樹]
「なっ・・・咲良!!」

ひょこんと木の後ろから顔をだした咲良に俺は、驚いて少し後退る。

「見てたのかよ・・・」

「見えるところにいたのは千晃くんの方でしょー?」

咲良はぷくっと頬を膨らませた。

⏰:08/05/30 23:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#56 [果樹]
まあ確かに此処は桜の木から目と鼻の先で、咲良がいつも通りあの場所にいたなら見られて当然だった。

なんかいろんなことに後悔だ・・・はぁ。


「それより」

俺が片手で頭を抑えながらうなだれていると、ズイッと視界の真ん中に咲良が現れた。

なんだか顔が怒っている感じだ。

⏰:08/05/30 23:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#57 [果樹]
「駄目じゃん千晃くん!!女の子は繊細なんだからあんな言い方したら傷付いちゃうよ!」

ああ、断る時の台詞まで聞いてたのか。

俺は、はぁーとまた溜め息をつき、咲良の額にデコピンをくらわせた。

「バーカ。どーせ諦めるならこっぴどく振られた方が諦めるもつくだろ!?」

⏰:08/05/30 23:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#58 [果樹]
咲良は面食らった顔をしたが、すぐにいつもの笑顔になった。

「ふふッ」

「なんだよ・・・」

「千晃くんは優しいなーと思っただけ♪」

「ばーか」

そんなことを笑顔で言う咲良に俺はなんだか恥ずかしくなった。

⏰:08/05/30 23:51 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#59 [果樹]
「ふふッ・・・っ!」

「咲良!?」

笑っていた咲良の顔が歪み、いきなり足元から崩れるようによろけたので、俺は急いでその身体を受け止めた。

「ごめ・・・ちょっとよろめいちゃった」

弱々しく笑顔を見せる咲良が俺はなんだか愛しくて堪らなくなった。

⏰:08/05/30 23:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#60 [果樹]
「ばか無理すんな。保健室行くぞ」

「え・・・?」

俺は咲良の背中と膝の裏に手を回し、抱え上げた。

属に言うお姫様抱っこだ。

腕の中では咲良が目を丸くしていた。

「掴まってろな?」

「へ・・・?あ・・・うん」

⏰:08/05/30 23:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#61 [果樹]
俺の言葉に咲良はおずおずと胸元のカーディガンに手を伸ばしそれをぎゅっと握り締めた。

それを確認した俺は、なるべく咲良に負担がかからないように、歩いて保健室に向かった。


――――――――・・・・


保健室のベッドに咲良を下ろすと安心したのか、咲良はいつの間にか眠りについていた。

⏰:08/05/31 00:00 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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