・・万華鏡・・
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#961 [○○&◆.x/9qDRof2]
俺だけ処置が長引き、あとの二人は待合室で俺のことを待っててくれた。その時、まさかこんな会話がされてたなんて、当時の俺が知るはずもなく、


「転校、するんだ.......」

雛多のいきなりの告白にうろたえる圭太郎。

⏰:22/10/18 18:36 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#962 [○○&◆.x/9qDRof2]
「もう会えないの?」
「わかんない.......だけど、次会う時にはちゃんと女の子らしくなってるから」

大きな目をさらに大きくして驚く圭太郎。

「カケルちゃんには、そのいつかまで言わないで。いまはまだ、このサナギにもなれてないけど。絶対、蝶々みたいに綺麗になって、綺麗に、なって.......カケルちゃんのとこへ戻ってくるから!」

⏰:22/10/18 18:36 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#963 [○○&◆.x/9qDRof2]
「てな事があったわけよ!」

 なんとか意識を保った俺は、引き続き昼休みの音楽準備室で昔話を聞かされた。俺の隣には、雛太改め、雛多がいる。もちろん俺と同じくらい顔を真っ赤にして。

「何て言うかその.......」

⏰:22/10/18 18:36 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#964 [○○&◆.x/9qDRof2]
まごつく俺を見るに見兼ねた圭太郎が「ま、そういう事だから!後は二人でごゆっくり!」と、また意地悪そうにヒヒヒと笑って俺達を残し準備室から去って行った。

「.......ひ、雛多?」

ここにいるのがあの、ひなた?信じられない思いでいっぱいの俺を、雛多が笑顔で包んでくれる。

⏰:22/10/18 18:36 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#965 [○○&◆.x/9qDRof2]
「あの時は、おてんばだったし、みんなわたしのこと男の子だって思ってたから.......でも、騙すつもりはなかったの、ごめんなさい」

そんな事はどうでもいい!

「俺んとこに戻ってくるって.......どういう意味?」

ヤベっ、圭太郎の意地悪がうつっちゃったかな。

⏰:22/10/18 18:37 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#966 [○○&◆.x/9qDRof2]
「えっ」と小さく呟くと、さらに顔を赤くしてうつむく雛多。

「こっこういう意味って思っても、いい?」

そんなきみがめちゃくちゃ可愛い過ぎて、思わず日向を抱き寄せる。コクンとわずかに首が揺れて、きみの甘い香りが俺達を包む。人ってこんなにあったかいんだ。窓から漏れる光に反射して、きみの髪がキラキラ光る。

⏰:22/10/18 18:37 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#967 [○○&◆.x/9qDRof2]
 そういえば、雛太の髪も、柔らかかったっけ.......だけど、こんなにいい匂いはしなかったな。なんて、幼い頃の“雛太”の面影を、俺の傍らで小さくなってる“雛多”の姿に重ねてみる。すると、わずかに白い息を吐きながら、雛多がぽつりと呟いた。

「.......カケルちゃん、知ってる?」

⏰:22/10/18 18:37 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#968 [○○&◆.x/9qDRof2]
その声が少しかすれてて、思わず耳を傾けると同時に、雛多の肩をもう一度強く引き寄せた。

「知ってる?青虫はね、空に恋い焦がれて一生懸命綺麗になるの。少しでも空に近づきたくて、羽まで伸ばして空を翔けるの.......」

⏰:22/10/18 18:37 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#969 [○○&◆.x/9qDRof2]
俺の胸にうずくまりながら、雛多が窓の外を見る。

「ねぇカケルちゃん.......わたし、蝶々になれた?」
「あぁ、俺にはもったいないくらい、綺麗.......に、なったよ」

自分で自分が恥ずかしい。俺ってこんなセリフ言えるんだ。

⏰:22/10/18 18:37 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#970 [○○&◆.x/9qDRof2]
「まっまさか蝶に帰省本能があるとは知らなかったけどな!」

照れ臭いのを隠すように、わざとおどけて話してみる。その勢いできみの頭に俺のこめかみがコツンとぶつかる。そのまま、顔を見合わせるとお互い耳まで真っ赤っか。俺ときみの笑い声が、甘い香りと共に準備室をいっぱいにする。俺が空だと笑う、きみ。

⏰:22/10/18 18:38 📱:Android 🆔:h3l12Mig


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