宝物。
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#201 [みぉり]
いつかまた、凪に彼女が出来て笑いながら私に報告してくる日が来る



その時は、笑って喜んであげたい



好きって伝えないんだから、誰も手にすることが出来ない”幼馴染”という立場だけは守りたい

⏰:08/08/23 03:04 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#202 [みぉり]
そう決意して、あかりに告げた



あかりは”わかった”と言いつつもきっと、どこかで納得できていないと思う




だけどね、それが私なりに凪を想う形なんだ

⏰:08/08/23 03:07 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#203 [みぉり]
━━――─・・・・・
凪side




なんで屋上なんて来てしまったんだろう



昼休みはいつも、あかりと有希がご飯を食べてるってことをどうして忘れてたんだろう

⏰:08/08/23 03:11 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#204 [みぉり]
昼休みは始まってぼーっとしていた屋上に有希とあかりが入ってきた時に立ち去るべきだった




けど・・・・動けなかった




有希の言葉に、二人の涙声に、動くことが出来なかったんだ

⏰:08/08/23 03:16 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#205 [みぉり]
いつの間にか、静かに寝息を立て始めた二人を残して立ち去ればよかったのに、それすら出来なかった




いや、一目でいいから会いたかったんだ




有希に

⏰:08/08/23 03:21 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#206 [みぉり]
俺はゆっくりとハシゴを登り、泣き腫らした顔で眠る二人にシャッターを切った



幽霊部員の俺だけど、カメラは大好きで暇さえあれば持ち歩いてるんだ



本当は不謹慎なのかもしれない、俺のせいで泣かせた二人を撮るなんて

⏰:08/08/23 03:25 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#207 [みぉり]
だけど・・・どうしても俺の中に残しておきたかったんだ




撮った後、始めからずっと一緒にいてくれた恭ちゃんにカメラを託して俺はゆっくりとその場から離れた

⏰:08/08/23 03:29 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#208 [みぉり]
向かう先は保健室



写真部副部長の特権である保健室の鍵で、校医不在の保健室で少し考えるために・・・


―――――・・・・・

階段を降りて、保健室前に立ち、自分の胸ポケットを漁って思い出した

⏰:08/08/23 03:31 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#209 [みぉり]
凪「鍵・・・・恭ちゃんに没収されたんだった」



俺が恭ちゃんにも内緒で保健室を使っていたせいで、

三井さんは誰かが勝手に保健室を使っているのではないかと疑っていると


恭ちゃんに言われ、保健室を使った後の片付けをしなかった俺の不注意のせいだとわかるや否や鍵を没収されてしまったのだ

⏰:08/08/23 03:35 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#210 [みぉり]
凪「はぁ〜・・・」


思いため息を吐き出して、ずるりと扉の前に座り込んだ


きっと恭ちゃんのことだから、俺の後を追ってきてくれる


そう思って待っていると案の定、聞きなれた足音が近づいてきた

⏰:08/08/26 02:27 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#211 [みぉり]
顔を上げると、恭ちゃんがあまりに真剣な面持ちでいたから


つい、恭ちゃんの口真似なんかしてわざといつもの俺らしく話しかけた


恭ちゃんはふっと笑って自分の鍵で保健室を開けるのを


俺はどこかほっとした気持ちで見つめながら保健室へと入りソファに腰掛けた

⏰:08/08/26 02:31 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#212 [みぉり]
息をついて、ふとカメラを見たくなり恭ちゃんにそれを頼んで受け取った


恭ちゃんは何も言わない、いや、俺が普段から考えられないくらい静かだからだろうか



そんなことを思いながら画像の履歴をゆっくりと探る


傍らの恭ちゃんが三脚を手にしてそれを磨いているのが視界の隅に写った


俺に変な気を使うわけでなく、いつも通りであろうとしてくれてるのがなんとなくわかる

⏰:08/08/26 02:37 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#213 [みぉり]
画像を辿り、最後に行き着いたのはさっき屋上で撮った一枚



あかりと有希が寄り添って眠る姿ー・・・・



ズキンと胸が痛くなった



有希の言葉に、その決意に、その裏にある気持ちを思って・・・

⏰:08/08/26 02:41 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#214 [みぉり]
凪「・・・・・ばかだよね」

恭「は?」


突然の発言に、恭ちゃんは顔をこちらに向けながら声を上げる

俺はソファの前にあるテーブルにカメラを置いた




恭「・・・・・・誰が?」

⏰:08/08/26 02:45 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#215 [みぉり]
誰?誰に対してなんだろう今の俺の言葉


気づいたら呟いていただけ・・・・・



有希を追い詰めて、あかりを傷つけて、でも全部を隠し通そうとしてる俺?



こんな俺を想っている有希?

⏰:08/08/26 02:48 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#216 [みぉり]
凪「・・・・・・・・・・さぁ」


恭「なんだよそれ(笑)」


恭ちゃんは俺の言葉に深く突っ込むわけでなく、茶化すわけでなく・・・三脚を戻すとそのままじっと俺を見つめているのがわかった


でも俺は目を合せる勇気はなくて、そのままただひたすらに床を見つめていたー・・・・・

⏰:08/08/26 02:50 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#217 [みぉり]
ぐるぐると回る色んな想いが・・・・


恭ちゃんのあかりへの想い、あかりの恋愛への恐怖、悠里の修さんへの想い



有希の俺への想い、俺の・・・・想いは?



俺の想いはどこにあるんだろう

⏰:08/08/26 04:04 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#218 [みぉり]
そんな自問自答の中、終業時間が迫ってきて恭ちゃんに声を掛けられた



だけど、もやもやしてる俺の何かが少し掴めそうな気がして中々立ち上がれない



なぜか、ふと頭を掠めたのは”公園”の記憶

⏰:08/08/26 04:09 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#219 [みぉり]
恭ちゃんにもう一度、声を掛けられたのを機に俺はカメラを肩に掛けて保健室を出た



教室ではなく、今、俺が向かいたいその場所へ



後ろから何も言わずに着いて来てくれる恭ちゃんに、


俺は心の中で”ありがとう”と呟いた

⏰:08/08/26 04:12 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#220 [みぉり]
━━――─・・・・・
有希side



あれから


あの金曜の夜から凪と話していない



いや、言葉は交わすけれど、表面的で他人行儀な挨拶程度

⏰:08/08/26 04:16 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#221 [みぉり]
今は水曜日の3時間目の休み時間、


次の時間は選択授業の”古典”の最初の授業のため、


他クラスから何人かがうちのクラスに移動してる


ソワソワして、なんとなく独特な緊張感の漂う空気ではあるけれど


今の私には、そんなのは眼中にもなかった

⏰:08/08/26 04:26 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#222 [みぉり]
今までだって何日も話さない日はあったというのに


”好き”と自覚して、余計に話さない事に敏感になってしまったみたいで


頭の中は”幼馴染”として、話しかけるその方法を探してる



「はぁ〜・・・」

⏰:08/08/26 04:27 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#223 [みぉり]
最近のすっかり習慣になってしまったため息をついて、

そのため息をついてしまったことに自己嫌悪の独り言を呟きかけた瞬間



「お前・・・相変わらずため息ついてんのな」



どこかで聞いたような台詞で、これまた聞き覚えのある声が聞こえた

⏰:08/08/26 04:39 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#224 [みぉり]
「え?」


机につっぷしていた私は聞こえた声に顔をあげた



「!!!!!!」



顔をあげたすぐ目の前に、綺麗な男の子の顔

⏰:08/08/28 00:51 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#225 [みぉり]
ガタンッー・・・・



あまりの近さに、大きな音をたてて立ち上がってしまった




「んな驚くなよ(笑)」

⏰:08/08/28 00:58 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#226 [みぉり]
「もももも森くんっ?!?!?!」


「よ、選択授業同じだったんだなぁ」



驚く私をよそに、そんなことを言いながら私の前の席に森君は座った



「えぇぇぇぇぇっ?!?!これっ、1年もー・・・っ」

⏰:08/08/28 01:08 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#227 [みぉり]
「声がでけぇっ!・・・ったく、専門とLHR以外は2年って言ったろ?」



森君は眉間にシワを寄せながら、私の口を塞いだその手をゆっくりと下ろした



「ぷはぁ・・・だって、まさか本当に一緒になるなんて思わないじゃないっ!!」

⏰:08/08/28 01:13 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#228 [みぉり]
驚きながらも、声のボリュームを抑えて席に座った


「それは確かに俺もびっくりした」


森君はしみじみと頷きながら、その顔がいたずらっこみたいに笑っていて


私はなんだか、拍子抜けしてしまった

⏰:08/08/28 01:20 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#229 [みぉり]
「な、この授業って何人くらいが受けてんの?」



「んー…たぶん、30人くらい?」


「へー……何組と何組から集まってんの?」



「1、2、3組だよ」



「3組までか……ちっ」

⏰:08/08/28 15:06 📱:N905i 🆔:r8e4zP7c


#230 [みぉり]
舌打ちをしながら、森くんは不機嫌そうな顔で前を向いてしまった


一瞬のことに思わず、言葉を詰まらせ、はっと気づいたときはすでに森くんの背中が見えるだけ



・・・・・また突然、舌打ちしてるし

⏰:08/08/30 18:22 📱:PC 🆔:d12gzkEM


#231 [pω・ξ]
>>1-250

⏰:08/08/30 18:24 📱:D705i 🆔:yR7sQIIM


#232 [みぉり]
>>231 pω・ξさん☆

アンカーありがとうございます(≧▽≦)

⏰:08/08/30 23:35 📱:PC 🆔:d12gzkEM


#233 [みぉり]
>>230から



森くんの背中を軽く、睨みながらもチャイムと共に入ってきた先生によって



古典の授業へと時間は進んでいった



……とはいえ、初めの授業なので軽い挨拶と説明だけですぐに終わるだろうけど

⏰:08/09/01 17:20 📱:N905i 🆔:YPBJJQDs


#234 [みぉり]
案の定、古典のおじいちゃん先生は簡単な挨拶から始めて話したけどすぐに自由時間となった



他クラスは授業中なので室内でという条件付きだけど



私はといえば、ぼーっと窓の外を見つめてため息をつくことの繰り返し

⏰:08/09/08 16:50 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#235 [みぉり]
本当……どうしたらいいんだろ……って、どうやって凪に話し掛けたらいいかを考えるべき?……でも、ちゃんと普通にできるのか私……



そんなことを考えながら、何度目かのため息をついた直後、



「……っだーっ!!!!!」



びくっ

⏰:08/09/08 16:56 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#236 [みぉり]
突然、聞こえた声に驚いて前を向くと森くんが思いっきり眉間にしわをよせて私の方を向いて座っていた



「どどどーしたの??」



驚きの余りどもりながらも尋ねる


何よいったい!!めっちゃびっくりしたわっ!!

⏰:08/09/08 16:59 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#237 [みぉり]
「どうしたのじゃねぇよ……背後で18回もため息つかれたら、イライラもするだろーが」



眉間のしわをより一層、深くして言う



「えっ!?そんなにため息ついてた!?」



自分でもそんなに多いとは思わず尋ね返してしまった

⏰:08/09/08 18:32 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#238 [みぉり]
そんな私を森くんは呆れたような眼差しで見つめてくる


そんな目で見ないでよ〜・・・


「だって・・・そんなにため息ついてるつもりなんてなかったんだもん」


少しシュンとして、呟く私に森くんは眉間のしわを緩ませて、ふっと笑った

⏰:08/09/12 03:27 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#239 [みぉり]
「まぁ・・・ため息が出てるってことは・・・・あの幼馴染の事・・・まだ解決してねぇってことだろ?」


ドキッとした


そうだ、森くんに話したんだった・・・凪のこと


途中からは私が自分で勝手に話を進めてしまったのだけれど・・・



「・・・覚えててくれたんだね」

⏰:08/09/12 03:34 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#240 [みぉり]
「そりゃぁな、簡単に忘れたりする程まだぼけてないんでな(笑)」


森くんが茶化して言う言葉に自然と笑顔になった


なんか肩の力がふっと抜けた感じ・・・・だったけど


「・・・・で?」



急に真剣な眼差しで私に問う森くんに、悩みの種を打ち明けたくなった

⏰:08/09/12 03:42 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#241 [みぉり]
・・・・とは言え、どこから話していいのやら


よくよく考えてみれば、あの日は凪にきちんとバイトの事を聞けた訳ではないし


はっきりしたのは・・・・私の凪への想いだけ




「・・・・森くんの言った通りでした」


「?俺の?・・・・あぁ」

⏰:08/09/12 04:50 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#242 [みぉり]
一瞬、悩んだようなその顔はニヤリと笑って私の言葉の意を理解したことを示していた


「・・・・・自覚したんだ?」


勝ち誇ったようなその顔に少なからず、悔しさを覚えた


「う・・・したよ、しましたわよ」

⏰:08/09/12 04:53 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#243 [みぉり]
「ってことは・・・・ため息の理由も変わったんだな?」


・・・・この人って、どうしてこんなに頭の回転が速いのかしら


ほんの二言、三言の会話だけで、私の今の思いやため息の持つその意味までも感じ取っているのだから



「森くんって・・・・・・エスパー?」


「は?」

⏰:08/09/12 04:56 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#244 [みぉり]
「だって、大して話をした訳でもないのに・・・・全部、わかってるみたいだから」


思ったままをそう呟くと、森君はふっと悲しげに笑った



「エスパー・・・・みたいなもんかな。”幼馴染”への想いに関しては」


「え?それってー・・・・」
「ストップ、俺の話はまた今度な」

⏰:08/09/12 05:13 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#245 [みぉり]
どういうこと?と聞きたかったけど、森君がそれ以上の追求を止めたから


私もぐっと堪えることにした


「えぇー?・・・・今度はなしてよ?」


機会があれば絶対に聞きだすことを密かに決意をして呟いた


「ん、まぁ・・・・とりあえずはお前の話が片付いたらな」

⏰:08/09/12 05:17 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#246 [みぉり]
そう言った姿があまりに寂しげだった事が少しだけ気になったけど

そのまま金曜日の出来事と今の状況を話した


森君は終始無言で、視線はどこか遠くを捉えていた

⏰:08/09/16 20:46 📱:N905i 🆔:S1UCDP3g


#247 [みぉり]
「ー・・・ってなってて、今はろくに話もしてない、話たいけど・・・なんて言ったらいいのかもわかんなくて」



しどろもどろになりつつも、今の気持ちを素直に話す


「それに・・・・」


何よりも、凪にまたあの目で見られるのが怖い


”お前に関係ない”って突き放されるのが怖い

⏰:08/09/17 23:36 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#248 [みぉり]
金曜の夜の凪が、頭の中をよぎって思わず下を向いてしまった。


「お前さ・・・・幼馴染でいいのか?」


「え?」



その言葉に顔を上げると、森君が真剣な目で私を見つめていた

⏰:08/09/17 23:47 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#249 [みぉり]
「好きなんだろ?彼氏彼女になりたいって思わねぇの?」


「そんなこと・・・・」



凪の彼女になる?


私が?



「考えたことない」

⏰:08/09/17 23:50 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#250 [みぉり]
「・・・なんで?」


森君は眉間にシワを寄せながら、静かに問う



「だって・・・・凪は私を幼馴染としか思ってないから」



こんな想いは凪を困らせてしまうだけだもの


だから伝えない、伝えられない

⏰:08/09/17 23:58 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#251 [みぉり]
「・・・んなこと、やってみなきゃわかんねぇだろっ」


森君が少しだけ声を荒げる


「えっ・・・えぇ?・・?」


そのあまりに急すぎる変化に目を丸くしてしまった


私のその反応に、森君ははっとしたように目を逸らす



「わりぃ・・・ちょっと・・・・」

⏰:08/09/18 00:01 📱:PC 🆔:erqu0muw


#252 [みぉり]
「う、うん」


森君がまた遠くを見てる、何を考えてるんだろう


何か、彼にも思うことがあるんだろうか


”やってみなきゃわからない”


確かにそうかもしれない・・・・だけど、16年間ずっと一緒にいたんだよ

凪の私への気持ちなんて、幼馴染以外の何者でもないって一番知ってる

⏰:08/09/18 00:05 📱:PC 🆔:erqu0muw


#253 [みぉり]
だから―……



私は大きく息を吸い込んだ



「幼馴染がいいの」



森君が、視線をゆっくりと私に戻す

⏰:08/09/18 15:48 📱:N905i 🆔:hxWD1SbE


#254 [みぉり]
「幼馴染でいい……じゃなくて、幼馴染がいい…ってか」



森君が呟やいたその言葉にしっかり頷く



「一緒にいたい、ただそれだけだよ。」



はっきり言葉にして、胸の中がスッと軽くなった

⏰:08/09/18 15:56 📱:N905i 🆔:hxWD1SbE


#255 [みぉり]
そんな私とは裏腹に、森君は再び眉間にシワを寄せて目つきが鋭くなっていく


その目に思わず、息を呑んだが背筋はピンとして、視線を逸らすことが出来ない




………なんか……怒ってる?

⏰:08/09/18 16:01 📱:N905i 🆔:hxWD1SbE


#256 [みぉり]
「本当に…心の底からそう思ってんの?」



ぴりぴりとしたオーラを出しながら、静かに告げるその声に緊張せずにいられなかった




「そ……ぅ…だよ」




少したじろぎながらも呟くと森くんはふぅとため息を漏らした

⏰:08/09/30 13:01 📱:N905i 🆔:hPq8kYFE


#257 [みぉり]
「………今はそれでいいのかもな」



「え?」



゛今は゛ってどういう意味?

⏰:08/10/07 14:27 📱:N905i 🆔:CHBu1GSo


#258 [みぉり]
聞き返した私の声が聞こえなかったのか、森君はそのまま前を向いてしまった




…………何よ。変な奴



なんとも消化しきらない気持ちで、もやもやしたままだったが、わざわざ森君に声をかけてまた話す気にもなれなくて窓の外に目を向けた

⏰:08/10/07 14:42 📱:N905i 🆔:CHBu1GSo


#259 [みぉり]
――――・・・・・・
放課後




部活に所属していない私は、時間を持て余していた


いつもだったら、あかりと学校に残って話したり、ぷらぷらと街に出てみたりと過ごすのだけれど



そのあかりも、今泉恭平の頼みとやらでしばらくは放課後を一緒に過ごせないらしい




「さて、どうしよっかなぁ〜」

⏰:08/10/08 01:02 📱:PC 🆔:k2yzzeC6


#260 [みぉり]
呟いて大きく伸びて、そのまま屋上のコンクリートに倒れこむ




なんとなく、ここに足を運んでいた




入学式の後、凪に『良い所に連れていってやる』って言われて来たのが最初

⏰:08/10/09 19:32 📱:N905i 🆔:ic.cSgqE


#261 [みぉり]
ゆっくりと瞼を閉じて、その日の記憶を手繰る



━━━━――――……

約一年前、入学式後のこと



「有希ッ早くしろよ」


「ちょっ…ちょっと凪ッ?この先は屋上だよ??立入禁止ってさっき担任が……」


辺りを心配気に見回す私を尻目に凪は楽しそうに階段を上っていく

⏰:08/10/09 19:37 📱:N905i 🆔:ic.cSgqE


#262 [みぉり]
「平気平気♪」



………それが不安なんだって



私はため息をつきながら、黙って凪についていくことにした


昔からそう。止めたって聞きやしない

凪はみんなが止めること、禁止されてることをするのが大好きの困った癖がある


彼曰く、『だめと言われる程体がうずく』らしい

⏰:08/10/09 19:43 📱:N905i 🆔:ic.cSgqE


#263 [みぉり]
そして小さい頃からそんな凪にいっつも付き合ってきた


まったく・・・・なんでこうもヤンチャなままかなぁ



ブツブツ呟きながらも階段を上っていくと、扉の前で凪が立ち止まった


不思議に思って扉を見るとどうやら鍵が掛かっているみたい



「なんだ・・・・鍵閉まってるんじゃ入れないね」

⏰:08/10/10 02:50 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#264 [みぉり]
折角、来たのに入れないとは・・・・半分ほっとしたような残念なような・・・・


複雑に思いつつ凪に目を移すと、子供の頃からずっと変わらないいたずらっこのような顔でにやっと笑う姿があった



「なっ・・・・何よ、その笑顔」



不信を抱かずにはいられずに、思わず言うと凪は得意げに胸ポケットをゴソゴソと探り出した



「??何??」

⏰:08/10/10 02:53 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#265 [みぉり]
頭の中に『?』が飛び交う私に、凪はポケットから何かを取り出し目の前にずいっとそれを出す



「じゃーん♪」


「何これ・・・・鍵??」



凪が手にしていたのは、小さくて刃先のシンプルな鍵



・・・・ん?鍵??って・・・・え?!



「ちょっ・・・凪それっー・・・・」

⏰:08/10/10 05:08 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#266 [みぉり]
ガチャリッー・・・・



『屋上の鍵なの?』と聞く途中、その答えが開錠された扉の音で明らかになった


ぽかんとする私に、凪は得意満面な顔で笑ってドアノブを回して外に出ていく


「あっ待ってよぅ」


はっと我に返り、慌てて凪を追って屋上に出るとそこは真っ青な空がぐーっと広がっていてその眩しさに一瞬、目を伏せた

⏰:08/10/10 05:13 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#267 [みぉり]
「うぉーい、何してん?」


立ち止まった私に、陽気な凪の声が聞こえる


その声に再び目を開くと、数歩先で凪が手招きをしてる姿が見えた



「こっち。」



呼ばれるがままに歩みを進めると


凪は大きく伸びをして、フェンスに寄りかかってしゃがみこんだ

⏰:08/10/10 05:20 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#268 [みぉり]
「ん〜・・・気持ちいいなぁ・・・・さすが、やまとさんお勧めスポットなだけあるわ」



大きな一人言で、目を閉じる凪


その隣にちょこんと腰を下ろして座ると、すーっと気持ちの良い風が吹き抜けて、私も思わず目を閉じた



「「気持ちいい風ー・・・・」」



同時に呟いた言葉に思わず顔を見合わせて、次の瞬間、お互いに噴出した



「ちょっと〜真似しないでくれますぅ?笑」

「有希が真似したんだろ〜笑」

⏰:08/10/10 05:26 📱:PC 🆔:oj1hJBTU


#269 [みぉり]
他愛もない会話だけど、凪とのこのやりとりだって小さい頃からの癖みたいなもの



二人でひとしきり笑った後、どちらともなく無言になった


沈黙とはまた違う


会話がなくても、なんてことない


ぼーっとして過ごしているだけの、実はすごく好きな時間

⏰:08/10/15 02:11 📱:PC 🆔:EIAQpJII


#270 [みぉり]
「凪さぁ、よくこんな所知ってたねぇ、ってかよく鍵見付けたね(笑)」




「んー、見つけたっていうか……卒業生からもらったんだよ。代々引き継がれてんだって。」


目を閉じたまま話す私に、多分凪も目を閉じたまま応えてる




「引き継がれてるって……じゃぁ持ってる人って限られてるの?」

⏰:08/10/16 13:23 📱:N905i 🆔:vR.5kib2


#271 [みぉり]
「一応そうらしい。一度渡されると3年間使うから引き継がれんのも3年に一度だから、鍵を知ってる人間は少ないわけよ」



「はぁ〜そんな隠れた伝統があるんだぁ」

⏰:08/10/16 15:33 📱:N905i 🆔:vR.5kib2


#272 [みぉり]
潮見高校は、建物自体は10年ほど建て替えたものなので割と新しく、校内も綺麗だが、創立そのものはゆうに50数年を数えるらしい


・・・・・あんまり詳しく知らないけど


でも建て替えて10年くらいなのに『鍵』の伝統があるってことを考えると・・・・・鍵を引き継ぐのって凪が3代目か4代目ってことよね?


その前はどんな人が持ってたんだろ・・・・いや、むしろ凪は一体誰にもらったの


私の知る範囲だと、凪の友達や知り合いに潮見卒業っていない気がするし・・・・・

⏰:08/10/17 04:31 📱:PC 🆔:o47aduR6


#273 [みぉり]
ふとそんな疑問が頭をよぎり、凪に問いかけようと目を開いた



「ねぇ、凪の前に鍵持ってた人ってー・・・っわぁぁぁっ////」



言いながら目を開けた私の視界に飛び込んできたのは凪のドアップ


「ちょっ!動くな!!前髪に毛虫ついてんだって!!」


驚いて反射的に身体を動かしかけた私を慌てて凪が制する


「けっ?!?!〜〜〜っやだやだやだ〜〜〜〜っ!!!!早くとって〜〜〜〜〜!!!!」



「っだー!!わぁってるよ!!だから動くな〜〜〜!!」

⏰:08/10/17 05:11 📱:PC 🆔:o47aduR6


#274 [みぉり]
ぎゃーぎゃーと喚きながらも凪に毛虫を取ってもらい、二人ではぁーっとため息をついた



「・・・・っつうか、有希ぃ・・・・お前、毛虫一匹でどんだけびびってんの(笑)」


「ちょっと!私だって女の子なんだから!!毛虫は怖いのよ!」


「・・・・・へぇ。女の子ね・・・へぇ・・・・。」


凪が明らかな作り笑いをしながら、立ち上がって扉に向かって歩き出す


「おっ置いてかないでよぉ〜」


慌てて凪を追って、屋上を後にした。

⏰:08/10/17 05:16 📱:PC 🆔:o47aduR6


#275 [みぉり]
バタン・・・・ガチャ・・・・



扉の鍵を閉めている凪を待って、施錠を確認して歩き出す



「おい」

「ん?」


「手」

「手?」


急に呼び止められたかと思えば、凪は私に手を出すように指示してくる

⏰:08/10/17 22:45 📱:PC 🆔:o47aduR6


#276 [みぉり]
凪は拳を握った右手をずぃっと前に出しながら、繰り返し言う


「手、出して」

「?」


首を傾げながらも、言われるまま右手を差し出す。
すると凪が手のひらに何かを乗せた。
それが何かを確認したかったけれど、見る間もなくそれを握らされてしまった

⏰:08/10/18 09:46 📱:N905i 🆔:XJT02ytg


#277 [みぉり]
私にそれを握らせると凪は満足そうに階段を降りていく


「え、ちょっ…ちょっと!!凪、これなに?」


なんだか拳を開きにくくて、右手を変に握りこんだまま後を追って階段を下ると、凪はくるりとこちらを向いた

その顔はいつもの、あのいたずらっこ顔



瞬間、いやな予感

⏰:08/10/18 09:52 📱:N905i 🆔:XJT02ytg


#278 [みぉり]
思わず顔がひきつった私に、凪はにやりと笑った



「毛虫」



やっぱり、予感的中



「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


凪の言葉を聞いてすぐに手を開いて思いっきり振り払う



カシャーン………

⏰:08/10/18 09:56 📱:N905i 🆔:XJT02ytg


#279 [みぉり]
…………毛虫が『カシャーン』?

音に違和感を覚えて、思いっきり毛虫を叩きつけたであろう床に視線を落とす


そこにあったのは、毛虫ではなくて………さっきまで凪が使っていた『鍵』



「???」



訳が分からず、鍵を見ていると凪が笑いながらそれを拾い上げた

⏰:08/10/18 11:45 📱:N905i 🆔:XJT02ytg


#280 [みぉり]
その動きにつられるように顔を上げると、凪は鍵を再び私に握らせくるりと背を向けて歩き出す


「え・・・鍵っ・・・どーすんのこれっ」


突如渡された鍵に戸惑って声をかけるが凪は振り向いてくれない



私にどうしろっていうのよぅ・・・・。



渡された鍵に視線を落として、どうしようかと動けないでいると凪の声が聞こえた

⏰:08/10/18 17:15 📱:PC 🆔:Mz7ATmGU


#281 [みぉり]
「入学祝い」

「・・・・え?」


思わず見上げると、照れ臭そうにこっちを向いた凪が続ける



「だーかーらーっ!俺からの入学祝いっ・・・・それ、やるよ」

⏰:08/10/18 17:24 📱:PC 🆔:Mz7ATmGU


#282 [みぉり]
「……へ?」


「…………やまとさんが……って、鍵の前の持ち主だけど………一人だけなら合鍵作っていいって言ってくれて…誰にやろーって考えて……頭に浮かんだの………有希だったからさ」

⏰:08/10/18 22:07 📱:N905i 🆔:XJT02ytg


#283 [みぉり]
そう言って、またスタスタと歩きだした凪をぽかんと、見つめた



鍵………私にって……思ってくれたんだ




驚きだったのが、じわじわと嬉しさに変わって自然と顔が綻ぶ

⏰:08/10/19 23:05 📱:N905i 🆔:0NQJO8EU


#284 [みぉり]
引き継がれてきた鍵を私も持てること

凪が鍵を渡したい相手に選んでくれたこと


どちらもすごく嬉しくて、鍵をぎゅっと握り締めた



「凪っ!!ありがとうっ!!」



━━━━ーーーーー…………


ゆっくりと目を開ける
目の前には大きな空

⏰:08/10/20 04:45 📱:N905i 🆔:4Ptja8.o


#285 [みぉり]
思い出した一年前の記憶から現在に頭を戻す


「………嬉しかったなぁ」


呟いた私の顔はきっと笑ってると思う

思い出し笑いなんて気持ち悪いかもしれないけど、、

思い出すだけで笑顔になれる、

それくらい、あの時嬉しかったんだ

⏰:08/10/20 04:52 📱:N905i 🆔:4Ptja8.o


#286 [みぉり]
「……ぃよっと」


上体を起こして、携帯を取り出す
金曜から一切、凪に連絡してない
凪からも連絡はない



「………」



顔を合わせば普通に話はしてる

⏰:08/10/20 05:09 📱:N905i 🆔:4Ptja8.o


#287 [みぉり]
でも、それだけ


無意味に携帯の電話帳をくるくると回しながら、ある名前で指を止めた


「………椎名…楓」


そこにあったのは聞き覚えのある『楓』の字

また記憶を手繰る

⏰:08/10/20 05:17 📱:N905i 🆔:4Ptja8.o


#288 [みぉり]
『…ーーっで、中学の仲良しだった楓ちゃん』

『初めまして、椎名楓ですー……』



「…………っ思い出した!!」


『楓ちゃん』
あかりと凪の中学の友達だっ!!
入学してすぐ、機会があってちょっとだけ話をしてその時に携帯を交換したんだ

⏰:08/10/20 05:21 📱:N905i 🆔:4Ptja8.o


#289 [みぉり]
「すっかり忘れてた・・・・・」



1学年12クラスのこの高校で、5クラス以上離れていたらまず互いの名前を知ることなんてない



楓ちゃんもその一例、
入学して1週間経たないうちに見学してたバスケ部で偶然会っただけだ


・・・・・確か、あの時も髪を高く結ってたっけ


一目しか見てないけど、小動物みたいな可愛らしかった印象だけは残ってる

⏰:08/10/21 22:13 📱:PC 🆔:0zM106IM


#290 [みぉり]
「・・・・・隣のクラス・・・なのかな」


先週の始業式日の放課後、あかりからクラスに知り合いは凪だけだったって聞いた


だから、、、多分、楓ちゃんは同じクラスではない



・・・・・・だけど、私よりずっと近い距離に居られるんだ



『羨ましい』という気持ちより、よくわからないけど・・・・漠然と不安が押し寄せる

 

⏰:08/10/21 22:19 📱:PC 🆔:0zM106IM


#291 [みぉり]
・・・・・凪のバイト先を知っていた、ただそれだけしかないのに



高1の間、凪やあかりからその名前を聞いた事があったわけでもないのに



『私が知らない凪を知っていた』



それがひっかかって、大きななんとも言えない不安になってるんだ

⏰:08/10/21 22:21 📱:PC 🆔:0zM106IM


#292 [みぉり]
不安を振り払いたくて頭を強く振った




やだやだ、こんなの




凪は私のものじゃないんだから


楓ちゃんと凪の事を私がとやかく考えるのは変だよ、うん

⏰:08/10/22 23:00 📱:N905i 🆔:wkITut.o


#293 [みぉり]
そう思うようにして携帯をしまう


キーンコーン……



「あ、もうこんな時間かぁ…」




聞こえてきた鐘の音は、かなりの時間、屋上にいた事を教えてくれた

⏰:08/10/24 00:38 📱:N905i 🆔:KHOvW2gg


#294 [みぉり]
「・・・よっと」


立ち上がり、なんとなくフェンスに寄りかかって下を見下ろす


放課後のこんな時間に人影なんて見当たらない


そう思いながらぐるっと校門側を見渡して、視線が止まった




・・・・・・凪

⏰:08/10/25 22:02 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#295 [みぉり]
多分、今、学校を出たんだろう



校門に向かって歩いている後ろ姿は間違いなく凪



私が見間違うはずがない



こんな時間まで・・・・何してたんだろう



・・・・・・・今日はバイトおやすみなのかな

⏰:08/10/25 22:10 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#296 [みぉり]
フェンスに手をかけて、じっと凪を見つめる


・・・・・いつもなら・・・・すぐ電話して・・・・一緒にかえろって、待っててって・・・・言えるのに



今は・・・・それが怖いよ


凪・・・・怒ってる?


あの日、ちゃんと話もしないで・・・・・後を付けた私を軽蔑してる?



ねぇ・・・・凪・・・・

⏰:08/10/25 22:13 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#297 [みぉり]
ぎゅっ・・・・



フェンスにかけていた指に自然と力が入ってしまう



何もなかったみたいに・・・・・話をして・・・・



でもそれは当たり障りのないもので・・・・きっと凪だって気づいてる



『何か変だ』って思ってる

⏰:08/10/25 22:16 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#298 [みぉり]
「・・・・・どうしたらいいの」



呟いた瞬間、凪が足を止めたのが見えた



そのあまりのタイミングの良さにドキッとしてしまう



まさか屋上で呟いた私の声が校門付近にいる凪に聞こえるわけがない

⏰:08/10/25 22:33 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#299 [みぉり]
それでもドキドキと私の心臓は波を打って、凪から目を離せずにいた



・・・・・でも、次の瞬間に凪を見つめていたことを後悔した



凪に駆け寄って行く女の子の後姿を見つけてしまったから



高く結われた髪をなびかせるその後姿が誰かに気づいてしまったから

⏰:08/10/25 22:37 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#300 [みぉり]
フェンスに掛けていた指の力が抜けて、するりと落ちた


・・・・楓・・ちゃん



凪が笑って、走ってる楓ちゃんに声を掛けてる




・・・・・・・ーーーっ嫌だっ



自然と心でそう願っている自分にはっとして
思わず、口元に手をあてた

⏰:08/10/25 22:49 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#301 [みぉり]
瞬間、凪がこちらを見上げて視線が合ってしまった



思わず後ろ向きにフェンスに寄りかかる



・・・・・気づかれた・・・・よね



屋上に出入り出来る生徒なんて・・・・限られてる



凪が私に気づくのだって自然なこと

⏰:08/10/25 23:47 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#302 [みぉり]
だから、私が明らかに視線を逸らした事だって気付いたはずだ



あぁ・・・・また、凪と距離が空いてしまった



フェンスに寄りかかり、頭をもたげていたが、耐え切れずにしゃがみこんだ

⏰:08/10/25 23:50 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#303 [みぉり]
なんでこうなっちゃうの・・・?



さっき、凪と楓ちゃんの事は気にしないって決めたばかりなのに



凪と目線が合った時に、笑って手を振るだけで良かったのに





どうして、自分から『幼馴染』を崩そうとしちゃうんだろう

⏰:08/10/25 23:51 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#304 [みぉり]
戻りたい、普通にしたいって言ってるのに



言葉と行動はちぐはぐで・・・・




こんな自分が嫌でたまらない

⏰:08/10/25 23:52 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#305 [みぉり]
「うっ・・・・ぇ・・・・っ」



アスファルトの地面にぽたぽたと落ちていく涙



落ちてはその部分が変色し、じんわりと黒く広がっていく



「ふっ・・・ッ・・・・うぅ・・・・」



確実に大きく広がっていく黒い染みを見つめながら、溢れるな涙を抑えきれない

⏰:08/10/25 23:58 📱:PC 🆔:OsnuXMHg


#306 [みぉり]
「ーーーっおぃッ」



突然、聞き覚えのある声が聞こえた



思わず顔をあげると、そこには驚きと困惑を隠せない顔で立つ一人の姿があった

⏰:08/10/26 00:01 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#307 [みぉり]
「・・・・・森・・・くん・・・・?」



きっと今の私は涙でぐしゃぐしゃの顔を森君に見せてるだろう


だけど、こんな状況でも涙は止まる様子もない



「どっどうしたんだよ?!?!」



森君は私のすぐ近くまで駆け寄ってくる

⏰:08/10/26 00:08 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#308 [みぉり]
・・・・・・・・・凪かと思った






一瞬でも、声をかけられた時、凪だと思ったの




私に気付いて屋上まで来てくれたなんて・・・・




一瞬でも、そんな甘い事を考えた・・・・・



ううん、願ったんだ

⏰:08/10/26 00:10 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#309 [みぉり]
そんな事あるわけないのに・・・・・あんな風に露骨に視線を逸らしたのは私で



凪を付けて嫌な思いをさせてしまったと思っているのに




それでも、心のどこかで淡い期待を抱いていたんだ




「ばかだなぁ・・・・」

⏰:08/10/26 00:13 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#310 [みぉり]
思わず笑ってしまったけれど、余計に涙が込み上げて来てどうしようもない




「・・・・・・・・」



森君が目の前に立っているのもわかっているけど、嗚咽を堪えきれない



「うっ・・・うぇ・・っ」





ぐいっ

⏰:08/10/26 00:17 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#311 [みぉり]
コンクリートの黒い染みだったはずの視界が一変して、真っ白になった



思わず、目を見開いて両手を動かすとそこには温かいぬくもり




「泣け」




さっきよりもずっと近い距離で聞こえる声

⏰:08/10/26 00:20 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#312 [みぉり]
「わけわかんねぇけど・・・・・気が済むまで泣けよ」



ぎゅうっと力をこめて私を抱きしめるそのぬくもりに



なぜだか、許された気持ちになった



森君の腕にしがみついて、声を上げて、泣いた

⏰:08/10/26 00:37 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#313 [みぉり]
━━━━ーーーーー…………
凪side



「ーーーっはぁっ・・・はぁっ・・・っ」



階段を一気に駆け上がり、開け放たれたままの扉から見えたのは



有希が男に抱き締められている姿だった




思わずその場に固まった

⏰:08/10/26 00:40 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#314 [みぉり]
なん・・・だ・・・?


有希が・・・・男・・・と・・・・



抱き締めている男の顔はここからは見えない


けど、その男を有希は突き飛ばすわけでもなく受け入れている



俺が二人の姿を見つけてから、数十秒経っても離れる様子は、ない

⏰:08/10/26 01:10 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#315 [みぉり]
俺の思考はパンク寸前で、目を離すことが出来ずに居た



有希が俺の知らない男と一緒にいる所なんて、これまでたくさん見てきた



みんな『友達』なんだと思ってた




だけど、今目の前にあるこの光景が示すのは『友達』とは思えない

⏰:08/10/26 01:55 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#316 [みぉり]
・・・・なんだよ・・・・なんなんだよこれはっー・・・



立ち尽くしていた両手を強く握り締める





有希っー・・・・俺のこと、好きだって言ってたんじゃねぇのかよ?!



つい、二日前のことだぞっ?!?!



「・・・・ーっ」

⏰:08/10/26 01:57 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#317 [みぉり]
喉元まで出掛かった言葉に、驚いた



何・・・考えて・・・・




俺は有希にそんなことを言える立場ではないのに



有希を傷つけて、それでも尚、金曜の夜がなかったかのように接しているのに

⏰:08/10/26 02:03 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#318 [みぉり]
自分でついた嘘に、今更ながら激しい後悔が打ち寄せる



もし・・・もしも、あの金曜の後に素直に言っていたら違ったんだろうか



本当は彼女もセフレも居やしないと、そう伝えていたら



有希の涙を見ることも、その想いを知ることもなく




いつものように、笑ってなんてことのない会話を楽しんでいられたんだろうか

⏰:08/10/26 02:09 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#319 [みぉり]
そう考えて、首を振った



違う・・・そんなタイミングはたくさんあったじゃないか



だけど、俺はっ・・・・結局、怖くて言えないだけなんだ



あの日、あの金曜の夜、俺は心のどこかでラッキーだと思った



有希と離れられる良いチャンスだと、そう思ったんだ

⏰:08/10/26 02:16 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#320 [みぉり]
俺は、嫌われることが怖くて、
自分のしでかした罪がばれるのが怖くて



だけど、そんな状態でずっと真っ直ぐな有希と接するのもどこか苦しくて・・・・



自分から口火を切って、突き放すことも出来やしないから



『後を付けてきた有希が悪い』と。
勝手に理由をつけて、傷つけることを選んだんだ

⏰:08/10/26 02:20 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#321 [みぉり]
それなのに有希は、泣きながら俺を好きだと言っていた



あんなにひどい事を言って傷つけた俺を好きだと言っていたのに




今、目の前にいる有希は男に抱き締められることを受け入れている



自分から離れることを望んだくせに、有希は、俺が有希の想いを知っていることを知らないのに



ふつふつと湧き上がるどす黒い感情が、確実に俺の中に広がっているんだ

⏰:08/10/26 02:26 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#322 [みぉり]
そんな気持ちを抱えたまま、見ていた二人がすっと離れるのが見えた



どこかほっとしたような、そんな気持ちを抱いた瞬間




一気に血の気がひいた

⏰:08/10/26 02:33 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#323 [みぉり]
離れたことではっきりと見えた有希は、間違いなく泣いていた



いや、泣いた後だったー・・・・



遠くからでもわかる、その表情で、仕草で、身体の呼吸する動きで



きっと嗚咽するくらい泣いていたんだ

⏰:08/10/26 02:34 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#324 [みぉり]
思わず、駆け出しそうになったが、足を止めた


「・・・−っ」



有希が、俺の見たこともないような笑顔で抱き締めていた男に話しかけていたから



俺は、有希の涙を見てとっさに、抱き締めている男のせいだと思った



だから駆け出そうとした

⏰:08/10/26 02:37 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#325 [みぉり]
でもそれは違う、絶対に違う



有希は笑ってる、きっと抱き締めていた男に慰められていたんだ



有希の笑顔でそれが十分にわかった

⏰:08/10/26 02:39 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#326 [みぉり]
俺は少しずつ、後ろに下がりながらやがて向きを変えて階段を折り始めた



ゆっくり、静かに、でも確実に



有希と



抱き締めていた男から離れた

⏰:08/10/26 02:47 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#327 [みぉり]
俺のせい・・・・か・・・・?


有希が泣いたのも、他の男を頼ったのも




全部、全部・・・・・俺のせいじゃないか

⏰:08/10/26 03:04 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#328 [みぉり]
「はっ・・・・・」



自嘲的に笑いながら玄関に向かって歩く



日が傾いてきて、うっすらオレンジ色に染められた廊下に俺の足音だけ響いていた



・・・・・有希、ごめん

⏰:08/10/26 16:31 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#329 [みぉり]
ごめんな



いつだって、お前は真っ直ぐに俺に向き合ってきてくれたのに



俺がはっきりせずに、
遠まわしにお前から距離を取ろうとしたから



訳がわからず困惑しているだろうに、完璧に繋がりを断ち切ることは怖くて

⏰:08/10/26 16:35 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#330 [みぉり]
表面的な『幼馴染』を装ってしまってるんだ



互いにその違和感を隠し切れないのに、それでも互いに突き放せずにいる




あの金曜の夜からまだ1週間も過ぎていないのが実際で



だけど、俺も有希も、互いのこの空気に耐えられなくなってるのも事実

⏰:08/10/26 16:40 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#331 [みぉり]
有希は、本当は俺に聞きたいはずだ



いつもなら、すごい剣幕でまくしたてて話をしていたはずだ



『なんでバイトのこと、教えてくれなかったの』


『セフレって何?!何考えての?!』



有希が言うだろう台詞と顔がすんなりと想像出来て、思わず笑った

⏰:08/10/26 16:49 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#332 [みぉり]
屋上にいた有希を見上げて、視線を逸らされた時




背筋がぞっとした




俺から離れると決めたはずなのに、有希に逸らされたのが怖かった




気付いたときには、屋上へ向かって走っていた

⏰:08/10/26 16:56 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#333 [みぉり]
「・・・・・なんて言うつもりだったんだか」



扉から見えたのは、俺にとって衝撃的なものだったけど



仮に、有希が一人で居たとして俺は屋上に脚を踏み入れられたのだろうか



涙を流している有希に言葉をかけるなんて事をする勇気があったのだろうか

⏰:08/10/26 22:12 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#334 [みぉり]
いつのまにか、玄関に辿り着いて靴を履き替えようとして気付いた



・・・・・外靴のままだ、俺



靴を履き替えることを忘れるくらい、急いで屋上に向かっていたらしい



それくらい、有希に突き放されることが怖いんだ



・・・・・・・自分からはそうしたくせに、

⏰:08/10/26 22:18 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#335 [みぉり]
そのまま玄関を通り、再び校門へと向かって歩く



有希と目が合った場所まで来て・・・・再び、屋上を見上げたがそこに二人の姿はなかった




有希は俺を好きだと言った



それを聞いて、どうしたらいいかわからなくなった

⏰:08/10/26 22:20 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#336 [みぉり]
だけど、同時にものすごく安心したんだ



あんな事を言って、軽蔑されたと思っていたから



有希の想いを聞いた時、本当に心の底から安堵したんだ




だけど・・・・・俺にとって有希は『幼馴染』でしかない

⏰:08/10/26 22:22 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#337 [みぉり]
俺にとって有希は、家族みたいなもので『好き』とか『嫌い』という枠に収まらない



それは有希も同じだと思っていた



思っていたのに・・・・実際は違っていて、所詮は俺がそう思い込んでいただけだった



中学の時から、彼女がいないなんて事はなかった

⏰:08/10/26 22:31 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#338 [みぉり]
中には俺から、告白して付き合った人だっている



だけど、いつも最後は俺が振られて終わるんだ



俺なりにいつだって一生懸命に相手と向き合っているつもりなのに



決まって最後は『恋愛ごっこはやめにしよう』って言われる



俺の付き合うって事は『相手を好き』だからじゃなくて『恋愛がしたいだけ』だと思われるんだ

⏰:08/10/26 22:34 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#339 [みぉり]
ふぅっとため息をつきながら、家路を辿る



傾きかけていた陽は今や完全に夕陽と化して、空を真っ赤に染めていた

⏰:08/10/26 22:38 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#340 [みぉり]
「ただいまー」



玄関からそのまま自分の部屋へと向かう



扉を開けてすぐに目に付くのは、壁に張られた無数の写真



友達と、家族と撮った写真達



そのほとんどに有希も写っている

⏰:08/10/26 23:44 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#341 [みぉり]
荷物を机の上に置いて、貼られた写真の前に立ち、ゆっくりと見つめる



写真の中の俺と有希は、傍から見ればそれこそ恋人同士に見えるくらい一緒に写っている



家に来た彼女達が、必ず眉間にシワを寄せながら『この子、誰?』と尋ねてくるくらいに

⏰:08/10/26 23:46 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#342 [みぉり]
何度聞かれようとも、俺は平然と『幼馴染』と答えるだけ



けれども、彼女達はそれには納得出来ないようで、この写真達が引き金になってケンカしたり別れた事があったのも事実

⏰:08/10/26 23:49 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#343 [みぉり]
かといって、この写真をはずそうと考えた事なんてない



はずすことがまるで、彼女達が不安に思う原因は有希であると認めているような気がして



本当に家族だと、単なる幼馴染なんだと信じて欲しいからこそはずすことがなんだか悔しくて



ずっとそのままにしてきた、有希の部屋にも同じような写真が壁一面にあることだって俺は知ってる

⏰:08/10/26 23:54 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#344 [みぉり]
同じ気持ちだと思ってた



俺が有希を想うように、有希も俺を『家族』のように想ってくれているんだと思っていた



俺が失恋すると必ず励ましてくれた有希、



『しょうがないなぁ、本当に』



そう言いながらもいつだって、俺と一緒にいてくれた有希

⏰:08/10/27 00:01 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#345 [みぉり]
それがこれからは叶わない



俺が、離れることを決めたのだから



俺が、有希を追い詰めているのだから



俺が、有希の気持ちに応える事は出来ないのだから



有希に本当の事を知られてしまうのが、何よりも怖いから

⏰:08/10/27 00:03 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#346 [みぉり]
壁に貼られた写真に手をかけると、一枚ずつ丁寧にはずしていく



一枚、一枚はずしながら、その思い出を噛み締めながら




「・・・・・・・・・・これで最後・・・・か」



思ったよりも大量に貼られていた写真をはずし、最後の一枚を手にとってベットに腰掛ける

⏰:08/10/27 00:07 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#347 [みぉり]
「・・・・・・・っ」



その写真は皮肉にも、俺が有希と真っ直ぐ向き合えなくなるきっかけとなった日に撮ったものだった





━━━━ーーーーー…………
半年前の夏休み半ば

⏰:08/10/27 00:21 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#348 [みぉり]
「・・・・・あちぃ」



夏休みの炎天下の中、俺の部屋のクーラーは故障中



扇風機をフル稼働させ、窓を大きく開けながらベットに腰掛け漫画を読んでいた




「凪ぃ〜、いる〜〜?」

⏰:08/10/27 00:24 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#349 [みぉり]
階段下から聞こえてくるのは、聞きなれた声



「おー、上ー」



起き上がって迎えにいくわけでもなく、変わらずに漫画を読んでいるとトタトタと足音が近づいてドアが開かれた



「うわっ、何この部屋〜・・・・・」



扉を開けるなり、その暑さに顔をしかめた有希がコンビニ袋を提げて俺の部屋に入ってきた

⏰:08/10/27 00:31 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#350 [みぉり]
「クーラー故障中なんだよ」


「えー・・・・」


嫌そうな顔をそのままに、俺が腰掛けているベットに背をもたれながら座る



俺は変わらずに漫画を読んだままで、有希はコンビニ袋をガサガサと漁りだした



「おみあげ」


「ん?おーサンキュー」

⏰:08/10/27 00:44 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#351 [みぉり]
お土産の言葉に顔を向けると、俺の一番好きなアイスを有希が差し出す



受け取って、ペリペリと包装紙を剥がしてアイスを口に頬張り、再び漫画を読もうとして、違和感



「・・・・・どうした?」


「え?・・・・・や、別にぃ」



有希が静かなんて、おかしい

⏰:08/10/27 00:53 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#352 [みぉり]
いつもは俺が話しを聞いてようが、聞いてまいがお構いなしに話しているのに



今は、体育座りで静かにアイスを食べているだけだ



斜め上から見下ろす顔は、明らかに元気がない



俺はそっと漫画を閉じて、有希の隣に座り直す

⏰:08/10/27 00:56 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#353 [みぉり]
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」



二人とも無言でシャクシャクとアイスを食べた



食べ終わると、有希は目の前に置かれていた俺のデジカメを手にとって



無意味に部屋の中でシャッターを切る



しばらくそのまま放っていると、くるりと俺に向けてシャッターを切りだした

⏰:08/10/27 01:00 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#354 [みぉり]
「おいっ、」



俺は食べかけのアイスを片手に有希からカメラを奪う



「何よぉ、けち」



頬を膨らませながら、悔しそうにする顔はいつもと同じ



だけど、次の瞬間には表情は沈み、伏し目がちになった



・・・・・・カメラ、取り上げなきゃよかったか



そんなことを思いながら、アイスを食べきり残った棒を捨てようととして有希が声をあげた

⏰:08/10/27 01:06 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#355 [みぉり]
「凪のっあたりだよぉ!!」


「へ?」



有希が俺の棒を指差して言うので、俺も棒をよくよく見るとそこには『当たり』と書かれた文字




「いいなぁ〜これ、当たりの棒を何本か貯めると温泉一泊当たるんだよっ」


有希が心底、うらやましそうに棒を見ながら言う

⏰:08/10/27 01:09 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#356 [みぉり]
「すげぇ・・・・アイスで旅行が当たるのかよっ笑」


驚きながら笑って言うと、有希もそれにつられて笑った



なんとなくカメラを有希に向けてシャッターを切る



「なっ・・・・何すんのよぉいきなりっ」



目をぱちくりさせながら、慌ててカメラを取り上げようとする有希にほっとして余計にシャッターを切る

⏰:08/10/27 01:12 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#357 [みぉり]
「ちょっ・・・・ずるいっ私が撮った時は取り上げたのにっ」


有希はジタバタしながらも必死に俺からカメラを取ろうとする



それがまたおもしろくて、シャッターを切っていると有希はクッションを抱き締めて顔を隠すようにして、動かなくなってしまった




・・・・・・・拗ねたな

⏰:08/10/27 01:15 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#358 [みぉり]
「おーい・・・有希ぃ?・・・・・有希ちゃん?」



様子を伺いながら、有希に声をかけると応える様子はない



こうなると有希はちょっと厄介だ



昔っから強情っぱりで頑固、なかなか人の言葉に動こうとはしない

⏰:08/10/27 01:18 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#359 [みぉり]
それでも、ちょこちょこ声を掛けてみたが反応なし


俺はため息をついて、そのまま再び漫画を読み出した



こういう時、ずっと有希に声を掛けるのは逆効果


有希が自分で気持ちを切り替えるタイミングを作れないから


何事もなかったかのようにしていれば、自然と有希が動き出すのを俺はよく知っている

⏰:08/10/27 01:22 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#360 [みぉり]
しばらくすると、隣の有希がもそもそと動き出した


俺は視線を漫画に向けたままで、特に動かない



「・・・・・・何読んでるの」



「んー・・・・推理もの」



有希がクッションを置いて、それでも顔を合わせようとはせずに尋ねてくる

⏰:08/10/27 01:25 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#361 [みぉり]
「・・・・・怖いやつ?」


「怖くねぇよ、この間、一緒にDVDで見たやつ」



少しずつ、いつもの会話をしながら有希が自分で、自分のむすっとした気持ちを落ち着けるのを待つ



そのうち、俺の手元の漫画を覗き込んで一緒に読み始めた



有希のペースを伺いながページをめくって、その漫画を読み終えた

⏰:08/10/27 01:28 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#362 [みぉり]
「・・・・・・怒ってるよ」


「はいはい、ごめんな?ふざけすぎた」



有希が俺を見上げながら呟くのを聞いて、やっと有希と視線を合わせてその頭をポンポンと撫でながら謝る



有希は、昔からどんな些細なことでも、きちっと解決しなきゃ嫌な性格で


ちょっとしたケンカでも、互いに謝る・謝られるということを律儀にする

⏰:08/10/27 01:31 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#363 [みぉり]
「わかればよろしい」


満足気に笑って、すばやく俺からカメラを奪い取った



「こらっ・・・・何すんだよ」



一瞬の隙をつかれて驚く俺に、してやったりと言わんばかりの笑顔を向ける

⏰:08/10/27 01:33 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#364 [みぉり]
また撮られると身構えた俺をよそに、有希はカメラの画像を辿り始めた



ほっとため息をつきつつ、今度は俺がカメラを覗き込むカタチで一緒に画像を辿っていく



結構前からの画像が入っているが、そのほとんどは家族か友達



「ねぇ、いつも思ってたんだけどさ?」

⏰:08/10/27 01:35 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#365 [みぉり]
「ん?」


辿る手と目線はそのままに有希が話し出す



「なんで、凪のカメラって彼女の写真が一枚もないわけ?」



あぁ、なんだそんなことかよ



「・・・・・一緒のとき、カメラ持ってねぇもん」

⏰:08/10/27 01:37 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#366 [みぉり]
「ふぅん・・・・・」



それだけ応えて、特に話を続けるわけでなく画像を辿り続け、やがてさっきの互いの画像になるとその手を止めた



「ね、そういえば最近、一緒の撮ってないねぇ」


「ぁ?・・・・・そういやぁ・・・・ないかもな」

⏰:08/10/27 01:39 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#367 [みぉり]
「久々に撮ろう撮ろう!!」


有希はきゃっきゃと笑いながら俺にカメラを渡す


折角だからと、なぜだか当たり棒を手にする有希



俺はそんな有希に意味不明を言いながら、いつものように二人のアップの写真を撮った



撮るとすぐに有希が画像を確認して、勝手知ったる俺のプリンターで写真をプリントして壁に貼った

⏰:08/10/27 01:42 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#368 [みぉり]
満足げにしている有希だけど、俺はどうしても来たときから時折伏し目がちになる事が気がかりで後ろから声をかける



「有希・・・・・なんかあっただろ」


「えー?ないよぉ」



俺に背を向けたまま、写真を見ながら応える



けれどもその声はいつもの張りがなく、何かあったのだと気付かせるのに十分だった

⏰:08/10/27 01:46 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#369 [みぉり]
「嘘つけ、お前と何年いっしょにいると思ってんだよ」


そう言いながらも無理に聞き出すわけでなく、有希が自分で切り出すのを待つために



再び、カメラの画像を辿りながら何も言わずにいた



有希はゆっくりと俺の方に向き直って、隣にストンと腰を下ろす

⏰:08/10/27 01:49 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#370 [みぉり]
「・・・・・・・あかりがね」



「あかり?」



俺が聞き返して、顔を上げると有希は今にも泣き出しそうな顔で頷く



あかりは俺の中学からの同級生、高校からは有希も一緒で有希とあかりはクラスが同じ

⏰:08/10/27 01:52 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#371 [みぉり]
元々、性格が似ていた二人はすぐに意気投合して、出会って間もないというのに互いに絶対的な信頼関係を持っているのを知っていた



そのあかりがどうしたというのだろう



ケンカでもしたのだろうか



想像もしていなかった『あかり』の言葉にカメラを置いて、有希をじっと見つめる

⏰:08/10/27 01:54 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#372 [みぉり]
何かあったのか、と尋ねた事を激しく後悔する話がこれから待っているというのに



この時の俺は、ただ単純に2人の間に何かあったんだろうと軽い気持ちで聞き始めたんだー・・・・・




━━━━ーーーーー…………
最後の写真からゆっくりと視線をはずして、大量に積み重なった写真達の上にそっと置く

⏰:08/10/27 01:58 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#373 [みぉり]
アンカー
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400


感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3579/

意見・感想等いただけましたら幸いです。

⏰:08/10/27 02:04 📱:N905i 🆔:LK9sczOM


#374 [みぉり]
>>372から


そのまま、ベットに倒れこんで天井を見上げた




…………あまりに軽率だった俺の発言が今もあかりを苦しめている



そしてそれは、あかりの近くにいる有希も悲しませた

⏰:08/11/01 11:58 📱:N905i 🆔:ia9jmoiE


#375 [みぉり]
それは、変えられない現実で恭ちゃんにもつらい想いをさせた



だけど俺はその全てを、誰にも打ち明けられていない




みんなから突き放されるのが怖くて、何も言えない臆病者なんだ

⏰:08/11/01 12:03 📱:N905i 🆔:ia9jmoiE


#376 [みぉり]
━━━━ーーーー…………
有希side



「…………落ち着いたか?」



「うん…………ありがとう」




静かな放課後の教室、壁の時計が示す時刻は19時すぎ



屋上で森くんに会って、泣きたいだけ泣かせてもらって今に至る

⏰:08/11/01 12:11 📱:N905i 🆔:ia9jmoiE


#377 [みぉり]
偶然、出会った屋上で泣き崩れたのに何も聞かずに傍にいてくれた



「………ごめん…ね」




ポツリ呟いた声は自分でも驚くほど、小さいもので視線は床を見つめたまま

⏰:08/11/08 12:40 📱:N905i 🆔:H7xqIuI2


#378 [みぉり]
「ん………」



多分、森くんは私を見てる
顔をあげれば真剣な面持ちでいるだろうことは予想出来ている


だから余計に顔をあげられない


昼間に言い合いにも似たやりとりの後にこんなカタチで、会うとは思いもしなかったし……

⏰:08/11/09 14:35 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#379 [みぉり]
だけど、こんな時間まで付き合ってくれたし……なんと言ったらいいんだろう



「……………幼馴染みがいいって……」



「……………え」



言い訳を考える事に集中していた私は、突然の森くんの言葉に思わず顔をあげてしまった

⏰:08/11/09 14:46 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#380 [みぉり]
見上げた先の森くんは、やっぱり真剣な面持ちでいて昼間のように眉間にシワを寄せていた



「………同じことを思った事がある」



「え?…………何が?」



言葉の意味を問い掛ける、同じことって?

⏰:08/11/09 22:06 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#381 [みぉり]
私の声に森くんは静かに息を吐き出してから、立ち上がり窓に向かって立った



しばらく、何も話さず私も声をかけられず、ただ黙って待った



陽が完全に暮れかけて、電気を点けていない教室は真っ暗で窓から漏れる街灯がぼんやりと森くんの表情を映し出す

⏰:08/11/09 22:12 📱:N905i 🆔:gCJzhQEM


#382 [みぉり]
「幼馴染がいい・・・・お前の言葉と同じ事を思ってたんだ、俺も」


ぽつりと呟く森くんの声に、じっと耳を傾ける



「幼馴染がいいと思った、そのままで居たいと思った・・・・だから、気持ちを伝えずにいようと努力した」



森君はどこか遠くを見るような眼差しで、続ける

⏰:08/11/10 00:37 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#383 [みぉり]
「始めは思ったよりも楽だった、あいつは毎日変わらずに俺といたし・・・・・・けど、途中でつらくなった」



声のトーンをぐっと下げて、ゆっくりと私の方を振り向く



ドキン・・・・・ドキン・・・・・



なぜだかわからないけれど、私の心臓は大きく音を立てて鳴っていて森くんから視線を逸らせない

⏰:08/11/10 00:41 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#384 [みぉり]
「学年があがって、俺の知らない場所にあいつの新しい居場所があって・・・・・一緒に過ごす時間は変わらないのに、俺の知らないことばかりが増えていって・・・・・」




森くんの言葉が、いつかの自分を思い出させる


同じことを不安に思った


けれども、それは自然なことなんだと


自分の気持ちを見つめようとしなかったから納得して過ぎてきた

⏰:08/11/10 00:45 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#385 [みぉり]
でも森くんは違う



自分の知らない一面が増えていく前から、その幼馴染のことを想っていたのなら、その苦しさはきっと、今の私とは比べものにならない



「・・・・・縛れないって分かってる。俺は単なる幼馴染なんだと思ってみても、どうしたって悔しくて何よりも・・・・・あいつが離れていくことが寂しかった」




森くんが悲しそうに顔を歪めて、でも口元は笑いながら続ける

⏰:08/11/10 00:50 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#386 [みぉり]
「自分で伝えないと決めたのに、それが自分を追い詰めたんだ」


森くんの言葉が痛いほど、心に、頭に突き刺さってくる



本当はここまで自分の状況と酷似した話なんて聞きたくはない。



けれど、森くんの話し方が”過去形”だから、その行く末が気になって、聞き入ってしまう

⏰:08/11/10 00:57 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#387 [みぉり]
「………だから、お前の話を聞いた時は、すごく驚いた」



「え?……………ぁ…」



そうか、

森くんがあんなにも私の事を見抜けたのは、同じ経験があったから


はっと思い当たった私に、森くんは目を細めて笑う

⏰:08/11/10 04:03 📱:N905i 🆔:LHKklqQ.


#388 [みぉり]
「お前を見て・・・・・前の俺もこんな感じだったのかなぁって思えて少し笑っちまった」


「笑うって・・・・失礼ねぇ」



私も負けじと言い返すと、森くんはくくっと笑って再び窓の外に視線を戻した



再び、沈黙・・・・・私は今、森くんがその幼馴染とどういう状態にあるのか、森くんは・・・・・どうしたのかをすごく知りたくて、彼の言葉を待った

⏰:08/11/10 14:58 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#389 [みぉり]
けれども、森くんは何も言わずにずっと外を眺めているだけで


膨らみすぎたソワソワする気持ちを抑えきらず、私から切り出した




「今・・・・は?」


「ん?」


こちらを向くわけでなく、森くんは聞き返す

⏰:08/11/10 15:04 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#390 [みぉり]
ドキン・・・・ドキン・・・・


ゆっくり大きく鳴る心臓を抑えながら、今知りたい事を言葉にする



「今は、その幼馴染とは・・・・どうしてるの?」



私の言葉に森くんは、もう一度私に向き直る
その表情は不思議と穏やかな感じで、静かな笑みを浮かべていた



ドキン・・・・・ドキン・・・・・・

⏰:08/11/10 15:07 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#391 [みぉり]
「やめた」




「・・・・・・・・・・へ?」




意味がわからず、困惑する私に森くんは笑顔で告げる






「やめたんだ全部、あいつを好きでいることも幼馴染でいることも」

⏰:08/11/10 15:13 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#392 [みぉり]
ドクンーッ・・・・・



聞かなきゃよかった



きっと私の顔にはそう書いてあるに違いない



自分とあまりに良く似た状況を経験した人に、どこか期待して聞いていた



”どうやって幼馴染でいる関係を保っているのか”

⏰:08/11/10 15:15 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#393 [みぉり]
”好きって伝えた相手の反応はどうだったのか”


”伝えた後に何か変化はあったのか”




森くんの答えが”幼馴染のまま”だろうが”恋人”であろうが聞きたいことは山ほどあると考えていた



けれど、その答えは私の予想していなかったもので
最も私がなりたくない立場そのものにいるという現実だったー・・・・

⏰:08/11/10 15:17 📱:PC 🆔:LKLcl7/I


#394 [みぉり]
自然とゆっくり、俯いてしまった私の頭にぽんっと重みを感じた



「…………聞かなきゃよかったって思ってんだろ?」



ずばり心の内を当てられて、ビクンと体が動く



「まぁ…………そりゃ俺だってそんなことはしたくなかったんだけどよ」

⏰:08/11/12 19:12 📱:N905i 🆔:mIPh37fs


#395 [みぉり]
私の頭に手を乗せたまま、穏やかな口調で話す森くんは、どんな顔をしているんだろう



さっきみたいにほほ笑みを浮かべたままだろうか



それとも………




顔をあげようと、少しだけ頭を動かすと森くんは手をよけた


「欲しくて仕方なかった」

⏰:08/11/12 19:16 📱:N905i 🆔:mIPh37fs


#396 [みぉり]
顔をあげた先にいる森くんは、やっぱり笑っていた


だけど、さっきの笑みとは明らかに違う淋しそうな瞳でいて………私は何も言えず、黙って話に耳を傾ける




「だんだん幼馴染みでいる事が苦痛になって、だけどあいつは無防備で………このままじゃ、最悪なカタチに俺自身が動きそうだった……欲しくて欲しくて……………あいつを傷つけるくらいならいっそ離れてしまえばいいと思ったんだ」



淡々と続ける森くんの顔からはいつしか笑みは消えていた

⏰:08/11/12 19:26 📱:N905i 🆔:mIPh37fs


#397 [みぉり]
ドキッ―………


だけど、その言葉には森くんの切なげな気持ちが詰まっていて心臓が跳ねた



「……後悔……して……る?」


「…………さぁ、どうだろうな」


私の問い掛けに、天井を見上げながら話す



「……してないとなったら嘘になる………だけど………あの時の俺にはそれが精一杯だったんだ………だから、これで良かったんだと信じてる」



まるで自分に言い聞かせるように呟く姿に、その横顔に、確実に潤みを持ってしまっている瞳に、思わず立ち上がった

⏰:08/11/12 19:39 📱:N905i 🆔:mIPh37fs


#398 [みぉり]
ガタンッー・・・・


「ーーっ・・・びびったぁ・・・・お前、いきなりー・・・・ッ」



突然の音に、森くんが慌てて視線を下ろしている間に私は彼の前まで歩く


「?」


私よりもずっと高い身長で、今の私の行動に首を傾げる森くんを見上げた

⏰:08/11/13 01:00 📱:PC 🆔:C/s/P5Ak


#399 [みぉり]
少し背伸びをして、右手で森くんの頭に手をあてる


「?何??」


「・・・・ッだっ大丈夫だよ・・・・森くんは、間違ってないッ」



視線を合わせて、そう言いながら初めて出会ったときに森くんがしてくれたようにその頭をぽんぽんっと撫でた


「・・・・・−っ////」

⏰:08/11/13 01:04 📱:PC 🆔:C/s/P5Ak


#400 [みぉり]
瞬間、森くんの顔がみるみる内に真っ赤に染まっていく
それはもういわゆるユデダコの状態だ


「えっ?!ごごごごごめんっ」


予想だにしていなかったその反応に、反射的に手を下ろすも逆に私もオロオロして、自分のしたことが恥ずかしくなっていった


・・・・だだだって!!森くんがこんなに真っ赤になるなんて想わなかったからっ・・・・あーっ!!!なんで頭撫でちゃったりしたんだろ〜・・・////

⏰:08/11/13 01:44 📱:PC 🆔:C/s/P5Ak


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