○アダムの唄○
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#109 [紫陽花]
:08/08/18 23:58
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#110 [紫陽花]
「運命ねぇ……」
時刻は6時48分。
央里はベッドの上で枕元の時計をのぞき込みながら呟いた。
今日は日曜日ということで学校は休みなのだが、毎日の習慣というものは恐ろしく、央里はいつもの起床時間に目が覚めてしまっていた。
昼間の焼き付けるような太陽の光とはうって変わって、カーテンから溢れ出す早朝の太陽は、寝起きの央里の目を優しく刺激する。
:08/08/18 23:59
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#111 [紫陽花]
時計をみた後で仰向けの体勢へと体を傾けた央里は、そのままの体制で左手だけを伸ばし、一気にカーテンを開けた。
カシャっとレールの擦れる金属音を残し、露わになった窓からは目もくらむような眩しい朝日が部屋に差し込む。
「ちょ、央里。眩…し……い」
その後まもなくベッドの一段下、すなわち床からうめき声が。
:08/08/19 00:01
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#112 [紫陽花]
その声の主は朝の光を拒絶するように左腕で両目を塞ぐ。
そして数秒もしない内にまた規則正しい寝息が始まった。
「ったく、部屋が余ってないからって何で傳と同じ部屋で寝なきゃなんねーんだよ……」
そう言うと央里は体を起こし、欠伸を一つこぼしてからまだ眠っている傳を跨いで部屋を後にしたのだった。
:08/08/19 00:02
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#113 [紫陽花]
部屋を出た央里は、よれよれのTシャツにダボダボの短パン姿で洗面所へと向かった。
蛇口をひねり水を出す。
蛇口から流れる水に手を添えれば、形のつかめない液体が柔らかい抵抗を手に与え、寝起きの火照った央里の体温を冷ましていく。
水をすくい、眠気眼を洗い流すと靄が取れたように央里の頭はスッキリと活動し始めた。
「運命ねぇ……」
前髪に水滴の付いた鏡に映る自分を見ながら、またも呟く央里。
:08/08/19 23:35
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#114 [紫陽花]
――――――………
――――………
「央里。これは現実であり同時に真実でもあるんだ……」
「分かったよ!!
現実だって事は分かった。
でもさ、俺は何をしたらいいわけ?てゆーか、何かしなくちゃいけないわけ?」
眉間にしわを寄せ全てがかんに障り、気に入らないとでも言うように、ぶっきらぼうに央里は言い返す。
:08/08/19 23:37
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#115 [紫陽花]
「落ち着け央里。今から、これからのことを説明してやる」
またも衛が宥めるように言った。
その姿はまるで怒り狂った牛を抑える闘牛士。
「お前は何もしなくていいんだ。お前が存在するだけで運命は常に変化し続ける」
:08/08/19 23:38
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#116 [紫陽花]
“運命を変える才”ってのはアダムの能力の中でも一番力のある才と言われていてな。
アダム自身も、自分の強大な力のことはよく理解できていたらしく、その力が暴走して多くの運命の歯車が狂いださないように特別な封印を施した。
その封印とは“運命を変える才”を使うには『イヴ』を理解し、共にいるという条件を満たしたときにのみ発動できるというものだ。
このことは“アダムの唄”にも記してあるから、まず間違いはない。
:08/08/19 23:41
:F905i
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#117 [紫陽花]
「イヴって?」
眉間に寄せていた皺をより一層深くして、央里は問う。
「イヴってのは、アダムと一緒に地球に降り立った人間……と、されているんだけど詳しいことは“アダムの唄”にも明記されていない…ん……だ」
申し訳なさそうな声を出して、央里のイヴへの疑問の答えを導き出してくれたのは榎久だった。
:08/08/19 23:44
:F905i
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#118 [紫陽花]
「なるほど。まさに未知の生物って奴ね。……なぁ、さっきから聞こうと思ってんだけど榎久は何でそんなにこの話について詳しいんだ?」
「ほぇッッッ?」
榎久はいきなり話題を降られたことでビクッと肩を揺らした。
クリクリの目をさらに驚きに丸める。
:08/08/19 23:45
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