○アダムの唄○
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#199 [紫陽花]
「役場までまだ時間がかかるみたいだし、説明しとこうか……。ちょっと長くなるけど……」
手っ取り早く話すと“ネイク”は敵。
理由は僕達の最終目的である「地球滅亡回避」を邪魔しようとするから。
あちらさんは“運命を変える才”を持っている人物を消せば、「地球滅亡」を回避できなくなると考えたわけ。
だから僕、とゆーか央里は何度も殺されそうになったんだけど……。
:08/09/19 23:53
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:W2ZbM5co
#200 [紫陽花]
「ここまで大丈夫……?」
央里はゆっくりと縦に頭を動かす。
いつもの無口な傳の、饒舌な説明に、ただただ耳を傾けるしか出来なかった。
「じゃあ、話を続けるよ……」
ネイクは“三鬼心”と呼ばれるトップ三人と、下っ端の人間で構成されてる。
あっ、下っ端っていうのは最初に央里を狙った黒スーツの男のこと。
アイツら、黒スーツの男らは数え切れないほど存在する。
そしてトップとは今日出会った紅を含めて三人いるんだ。
:08/09/19 23:56
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:W2ZbM5co
#201 [紫陽花]
三鬼心のメンバーは『紅』とまだほかに『浅葱』、そしてネイクを設立させたと言われる『朽葉』と言う人物がいる。
僕はまだ紅にしか会ったことがないんだけど、あとの二人もそーとーな切れ者らしい……。
それはもう、目的達成のためならどんな犠牲も払わない鬼のような連中だと聞いてる。
:08/09/20 23:47
:F905i
:q0JD9SlA
#202 [紫陽花]
もちろん殺人だって数え切れないほどしてるだろーね。
だから『三』人の『鬼』のような『心』を持つ集団、イコール『三鬼心』と呼ばれてるんだ。
「これが、僕の知ってるネイクの全てだよ……」
長いことしゃべっていた傳はフゥとため息を付き、乾ききった唇を潤すかのように舌を唇に這わす。
:08/09/20 23:48
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#203 [紫陽花]
その様子を見ながら、央里はゴクリと生唾を飲み込んだ。
“なんて連中と関わっちまったんだ……”
柔らかに流れる風とは反対に央里の心の中には黒くドロドロとした、不安という名の闇がとぐろを巻いていた。
肌をなぞるふんわりとした風さえも、いつの間にか表れていた鳥肌を逆なでするだけ。
“なんで俺、こんなことしてんだろ……”
周りの暖かい景色に背くように、央里の心は不安と恐怖で満たされていった。
:08/09/20 23:49
:F905i
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#204 [紫陽花]
――――………
――………
「くそっ!!私としたことがあの二人を逃すなんて……」
小さく舌打ちをして、紅は吐き捨てるようにため息を漏らす。
まだ紅は央里たちと出会った森に足を止めていた。
:08/09/20 23:50
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#205 [紫陽花]
ネイクの三鬼心として、こうもあっさりと灰色の髪の少女によって目的が阻まれたことは、紅にとってかなり屈辱的だった。
それはもう、一歩も足が動かないほどに。
「なんだ〜。紅、あの二人に逃げられちゃったの?」
不意に周りに生い茂る木の上からケタケタという笑い声とともに、少年のようなまだ若い声が聞こえた。
:08/09/20 23:52
:F905i
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#206 [紫陽花]
「浅葱君……。いつからいたんですか?」
顎を少しあげると、しっかりとした太い枝に腰を下ろし、怪しげな笑みをこぼす少年が視界に入る。
「さっき来たとこ。そんなに悔しがってる紅なんて久しぶりに見た」
そう言いながら、浅葱と呼ばれた少年は決して低くはない枝から地面へスルリと着地する。
その軽い身のこなしはまるでリスのよう。
:08/09/20 23:53
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#207 [紫陽花]
浅葱は紅が赤いスーツを着ているように、彼自身も淡い水色のスーツを身に纏っていた。
少し長い襟足と前髪をヒラヒラとなびかせながら、着地の際にスーツに付いたほこりを払う。
「で、あなたは何しに来たんですか?」
憂鬱そうに前髪をかきあげて浅葱を見る紅の瞳は、全くと言っていいほど笑っていなかった。
:08/09/23 17:13
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#208 [紫陽花]
「あ、そうそう。
朽葉サマから伝言だよ!!俺様がわざわざ伝えに来てやったんだから心して聞くよーに」
紅の苛立ちも知らずに、胸を張って自分の頑張りを主張する浅葱に紅はため息を一つこぼす。
「だーかーら、その内容は何なんですか!?」
:08/09/23 17:15
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