○アダムの唄○
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#208 [紫陽花]
「あ、そうそう。
朽葉サマから伝言だよ!!俺様がわざわざ伝えに来てやったんだから心して聞くよーに」
紅の苛立ちも知らずに、胸を張って自分の頑張りを主張する浅葱に紅はため息を一つこぼす。
「だーかーら、その内容は何なんですか!?」
:08/09/23 17:15
:F905i
:8TL/RHe6
#209 [紫陽花]
「『仕事が沢山残ってます。早く帰ってきなさい』だってー。朽葉サマ怒ってたよー」
「……怒ってましたか。浅葱君、私の代わりに朽葉様の機嫌とってきてくださいよ……」
「は!?なんで俺が!!めんどくさすぎ……」
がっくりと肩を落とす紅を横目に、浅葱はまるで揚羽蝶のようにヒラヒラと態度を変え、先程までの無邪気な表情からツンとした表情になる。
:08/09/23 17:17
:F905i
:8TL/RHe6
#210 [紫陽花]
「じゃあ、私の代わりに央里君達を始末してきてくださいよ……」
「それもやだ。めんどくさいもーん」
「……あ゙ー!!分かりました。帰ればいいんでしょ!?帰れば!!!」
紅は意地悪そうに微笑む浅葱を睨みながら、半ばヤケクソになって叫んだ。
:08/09/25 19:32
:F905i
:K8hH923.
#211 [紫陽花]
「そうそう。そうやって素直になれば良かったんだよ。じゃあ、こいつで道を繋ぐからちょっと待ってて」
そう言って浅葱は内側の胸ポケットから白いチョークのようなものを取り出した。
そして、周りにある木々の中で一番大きい幹にそのチョークで、ガリガリと音を立てながら大きな円を描いていく。
:08/09/25 19:34
:F905i
:K8hH923.
#212 [紫陽花]
「浅葱君のそれは便利ですよね。どこにでも行けるんですから」
うらやましそうに紅は浅葱の手に握られているチョークを凝視した。
「そうでもないよ。
確かにこの“神の足跡”を使えばどこへでも移動できるけど、神力使うから疲れるんだよねー」
「傳君の“アダムの唄”と同じ能力ってことですか……」
:08/09/25 19:35
:F905i
:K8hH923.
#213 [紫陽花]
神力、それは以前まで神様のみが使える不思議な力だったが、
ここ最近では“アダムの唄”を筆頭に神力をもつ不思議な道具が数多く発見されていた。
「まぁね。紅は知らないかもしれないけど神力使うのってなかなか疲れるんだよ!!」
「そりゃ、神様の力ですから」
「傳って奴もかなり無理して使ってると思うよーっと、できた!!」
:08/09/25 19:36
:F905i
:K8hH923.
#214 [紫陽花]
パンパンと手を叩いて、手に付いたチョークの白い粉を払う。
先程まで円の輪郭だけ描かれていたものが、今では紅の身長よりも大きく、中心部まで全て白く塗りつぶされた円が出来上がっていた。
「よし。帰りますか!!」
浅葱は円の中心部に手を添えると、次の瞬間、その手はゆっくりと幹の中に吸い込まれていく。
:08/09/25 19:37
:F905i
:K8hH923.
#215 [紫陽花]
「紅ー!!早くしないと道閉じちゃう!!」
木の幹から顔だけひょっこりと出し、浅葱は叫ぶ。
「はいはい、じゃあ失礼します」
そして紅も浅葱の作った不思議な空間に身を沈めたのだった。
:08/09/25 19:38
:F905i
:K8hH923.
#216 [紫陽花]
――――――…………
――――………
「これが、役場?」
紅たちが朽葉の命令通りネイク本部へ帰宅している間に、央里たちは單柵村の役場にたどり着いていた。
「役場だね……」
二人の目の前には弥生時代に出てきそうな、木と藁でできた建物がどっしりと構えていた。
:08/09/28 17:39
:F905i
:VnJKaQbo
#217 [紫陽花]
しかし、いくらどっしりとしていても建物の大きさは普通の一軒家程度。
周りに立ち並ぶ住居となんら変わりない。
違うものといえば、住居に比べ建物が大きいことと、入り口の前に【單柵村 役場】と書かれた標識が立っているだけ。
「じゃあ、入ろうぜ」
そう言って央里は戸に手をかけた。ガラガラと音をたて、役場の戸を右方向にスライドする。
:08/09/28 17:41
:F905i
:VnJKaQbo
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