○アダムの唄○
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#224 [紫陽花]
少し口を開け、唖然とする央里たちを差し置いてハルキの口は次々と毒を吐く。
「本当にあんたちに運命なんて変えられんのかしらね!?」
それも“馬鹿”“阿呆”などの直球的なものではなく、嘲るような皮肉のこもった毒。
そしてその毒の言葉は確実に央里の痛いところをついていた。
:08/10/03 19:20
:F905i
:efzwfXwo
#225 [紫陽花]
だが、いくら女だからといって初対面に近い人物からこんなにも皮肉を言われる筋合いは、ない。
央里の苛立ちも限界に近づいていた。
「こっちだって黙って聞いてれば、おま「ハルキ、そこら辺でやめときなさい」
央里が反撃しようと口を開いた瞬間、背後からしゃがれた低い声が飛び出した。
:08/10/03 19:21
:F905i
:efzwfXwo
#226 [紫陽花]
その声は張りつめていた刺々しい空気を一瞬にして、そして、たった一言で雪解けの春のようにふんわりと和ませる。
「ったく、儂の孫はとんだ暴れ馬だな……」
それと同時に、また違う声も聞こえた。
しかし今度の声はしゃがれたものではなく、芯のあるしっかりとした張りのある声。
:08/10/05 17:52
:F905i
:OpvDvjGI
#227 [紫陽花]
「じいちゃんに、しげ爺……」
さっきまで罵倒の言葉を吐いていたハルキも驚きの表情を浮かべる。
央里と傳はハルキが落ち着いたのを確認してからゆっくりと振り返った。
背後からの声に殺気や悪意は、ない。
数は少ないが、何度も修羅場をくぐり抜けてきた二人の耳がそう伝えていた。
:08/10/05 17:53
:F905i
:OpvDvjGI
#228 [紫陽花]
すべてを包み込むような柔らかい声に、いつの間にか二人の警戒心は解かれていた。
「央里殿に傳殿だな?先程は儂の孫が失礼した」
二人の目に飛び込んできたのは、こちらもまた二人の老人たち。
:08/10/05 17:55
:F905i
:OpvDvjGI
#229 [紫陽花]
>>228×→二人の目に
○→振り返った二人の目に
他にも誤字脱字は沢山あると思いますが、気にせず読んでいただけると幸いです;;;
:08/10/05 18:18
:F905i
:OpvDvjGI
#230 [紫陽花]
向かって右側にたつ老人は銀縁の眼鏡を掛け、群青色の着物を着ている。
銀縁の眼鏡の奥にはハの字に曲がった、開いてるのか開いていないのか分からない目。
眼鏡の老人とは対照的に左側の老人は、がっちりとした体格に藍染の着物を着て、キツくつり上がった目をしている。
:08/10/07 00:54
:F905i
:/hfRFL0M
#231 [紫陽花]
そして、おでこから顎にかけて頬には一本傷。
その傷によって誰もが、彼が壮絶な過去を持っているのだろうと、想像せざるを得ない。
「申し遅れましたが、私の名前は重ねて守ると書いて“重守(シゲモリ)”と言います。まぁ、村のみなさんからは“しげ爺”と呼ばれていますけど」
しゃがれた声の老人が、ハの字の目をより一層細めながらにっこりと笑った。
:08/10/07 00:57
:F905i
:/hfRFL0M
#232 [紫陽花]
「儂の名前はマサムネ。そこのじゃじゃ馬の祖父になる」
今度は左側に立っていた老人が話した。
しゃべる度にピクピクと動く傷痕が少々気になるが、央里たちにはそれよりも気になることがあった。
「え、ハルキさんの祖父……?」
改めて問い直した央里を真っ正面に見ながら、マサムネは深くうなずいた。
:08/10/07 00:58
:F905i
:/hfRFL0M
#233 [紫陽花]
「しげ爺はここの村長さんだから当たり前だけど……、なんで瞬光村の村長のじいちゃんがここにいるのよ!?」
「なんだ、儂がここにいたら悪いのか?」
「……そんな風に言ってないでしょ!!そーゆー被害妄想やめてくれる?」
「すまんが、儂にはそう聞こえたもんでな」
どう見ても互いに喧嘩を売っているようにしか見えない二人に挟まれた央里と傳は、どうしようもない気まずさと居心地の悪さを感じた。
:08/10/09 19:49
:F905i
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