○アダムの唄○
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#232 [紫陽花]
「儂の名前はマサムネ。そこのじゃじゃ馬の祖父になる」

今度は左側に立っていた老人が話した。

しゃべる度にピクピクと動く傷痕が少々気になるが、央里たちにはそれよりも気になることがあった。

「え、ハルキさんの祖父……?」

改めて問い直した央里を真っ正面に見ながら、マサムネは深くうなずいた。

⏰:08/10/07 00:58 📱:F905i 🆔:/hfRFL0M


#233 [紫陽花]
「しげ爺はここの村長さんだから当たり前だけど……、なんで瞬光村の村長のじいちゃんがここにいるのよ!?」

「なんだ、儂がここにいたら悪いのか?」

「……そんな風に言ってないでしょ!!そーゆー被害妄想やめてくれる?」

「すまんが、儂にはそう聞こえたもんでな」

どう見ても互いに喧嘩を売っているようにしか見えない二人に挟まれた央里と傳は、どうしようもない気まずさと居心地の悪さを感じた。

⏰:08/10/09 19:49 📱:F905i 🆔:YMmUGsCQ


#234 [紫陽花]
「ハルキ、今日は定例の会議があったのじゃ。だからマサムネさんはここに居られる。マサムネさんも落ち着いてくだされ」

火花を散らしている二人を制止するように重守が間に割ってはいる。

「とりあえず座りましょうぞ。こちらにいらしてください」

そう言って重守は、流れるように皆を奥の部屋へと促した。

⏰:08/10/09 19:50 📱:F905i 🆔:YMmUGsCQ


#235 [紫陽花]
「奥に部屋があったんだ……知らなかった」

重守に促されながら部屋の奥へいく途中、央里は独り言のようにボソリと呟いた。

「………」

そして、同時にハルキの突き刺すような視線が央里を捉える。

「だからアンタ達の考えは甘いのよ、救世主さん」

皮肉を込めて吐き捨てるように放ったその言葉は、マサムネや重守に届くことはなく央里の心だけに深く突き刺さるのだった。

⏰:08/10/09 19:51 📱:F905i 🆔:YMmUGsCQ


#236 [紫陽花]



6頁
《繋がる事実》


⏰:08/10/14 00:38 📱:F905i 🆔:lMPfPTt.


#237 [紫陽花]
――――――………

――――………

役場の奥、つまり正面からは見えない部分に配置されていた応接室に央里、傳たちは案内されていた。

応接室と言っても、真新しい畳のしかれた八畳程度の和室。

だがクリーム色の壁の向こう、つまり、障子の向こう側は全く別の雰囲気を持っていた。

⏰:08/10/14 00:39 📱:F905i 🆔:lMPfPTt.


#238 [紫陽花]
一部分だけ窪んだ壁には、水墨画の掛け軸があり、その下には生け花が置いてある。

足元からほのかに染み出した畳の匂いが、この部屋に入った瞬間に鼻孔に広がり、何とも言えない安堵感を作り出す。

そん部屋に、央里、傳、ハルキ、マサムネは一つのちゃぶ台を囲んで座っていた。

⏰:08/10/15 00:03 📱:F905i 🆔:Lp9Y1HJs


#239 [紫陽花]
安堵感のある部屋なのだが、誰一人として口を開こうともせずに重苦しい空気が辺りを包んでいた。

「さてさて、この村一番の茶葉より煎れましたお茶ですぞ」

そこへ障子を開け、人数分のお茶を持った重守が入ってきた。

そしてマサムネの隣、つまり央里の正面に当たる場所に座る。

⏰:08/10/15 00:04 📱:F905i 🆔:Lp9Y1HJs


#240 [紫陽花]
一部分だけ窪んだ壁には、水墨画の掛け軸があり、その下には生け花が置いてある。

足元からほのかに染み出した畳の匂いが、この部屋に入った瞬間に鼻孔に広がり、何とも言えない安堵感を作り出す。


そん部屋に、央里、傳、ハルキ、マサムネは一つのちゃぶ台を囲んで座っていた。

安堵感のある部屋なのだが、誰一人として口を開こうともせず、重苦しい空気が辺りを包んでいた。

⏰:08/10/19 19:33 📱:F905i 🆔:DhUAfdwQ


#241 [紫陽花]
「さてさて、この村一番の茶葉より煎れましたお茶ですぞ」

そこへ障子を開け、人数分のお茶を持った重守が入ってきた。

そしてマサムネの隣、つまり央里の正面に当たる場所に座る。

「さてさて、なにから話しましょうか?」

重守独特のハの字の目をたらして、にこりと笑う。

その姿は、苛々としたこの部屋の空気を一瞬にして浄化する不思議な笑み。

⏰:08/10/19 19:34 📱:F905i 🆔:DhUAfdwQ


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