○アダムの唄○
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#282 [渚坂さいめ]
まだ夏だというのに、周りの温度がいきなり氷点下を下回ったかのように凍りついた。

浅葱の言葉は鋭いナイフのように、黒スーツの男の心を引き裂いていく。

そして、切り裂かれた心から溢れ出す鮮血を拭き取る間もなく、最後の一撃が浅葱の口から放たれた。

⏰:09/03/01 00:15 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#283 [渚坂さいめ]
「お前邪魔。消えろ」


男は裏がえる声で「は、はいっ!!」と短く返事をしてその場から走り去っていった。

「消えろって言ったのは死ねって意味だったのに……。まぁ、いいか」


“ここでアイツを殺すのもめんどくさいし”

そう呟いて浅葱はまた腕を組み央里たちがやってくるのを待つのだった。

⏰:09/03/01 00:15 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#284 [渚坂さいめ]
――――――………

―――………

央里たちは村の外側の森に向かって走っていた。

途中何度も村人に引き返せと忠告を受けたものの、央里の足はスピードを緩めず前へ前へ風を切って進んだ。

浅葱の元へ一直線に。

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#285 [渚坂さいめ]
「おい。あの目立つ水色のスーツ着てる奴誰だ?」

しばらく走ったところで央里が口を開いた。浅葱たちの元へ到着したのだ。

二人はまだ薙ぎ倒されていない木の影に身を潜ませる。


「あいつは浅葱だ……」

「浅葱?もしかして三鬼心の?」

「そうだ。No.3の浅葱だよ……」

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#286 [渚坂さいめ]
浅葱は腕を組み、わずかに顎を傾け空を仰いでいた。


だが次の瞬間、少しだけ口元に笑いを浮かべ、空を仰いでいた目を央里たちに向けた。

「出てこい。そこに隠れていることは分かってるよ。
お互い、もうかくれんぼをするような歳じゃないだろう?

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#287 [渚坂さいめ]
「なんだバレバレだったのか。おら、傳行くぞ」

央里は勢いよく木の影から姿をさらけ出し、スタスタと浅葱の元へ足を進める。

「ちょ、央里……」

後れをとらぬよう傳も姿を現した。

⏰:09/03/15 13:16 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#288 [渚坂さいめ]
「初めまして、だよな?
俺は浅葱。この前は紅が世話になったみたいだね」

浅葱は右手を、まるで探偵のように顎の下に持っていく。

そして、その手の上では余裕の表れからだろうか、悪戯っぽい笑いが口元を彩っている。

そして浅葱は央里たちが何も言わない内に話を進めだした。


「よし、初めましてだし宇峰央里ね実力見せてもらうよ」


そして、浅葱が顎をちょっと動かすと彼の左脇から三人の黒スーツの男が飛び出した。

⏰:09/03/15 13:16 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#289 [渚坂さいめ]
一人はナイフを右手に持っていた。小さなものだが央里の頸動脈を切り裂くには十分すぎるエモノだ。

そして一人は斧。
黒光りするソレを振り上げながら走ってくる。

一人は両手に黒い手袋をはめていた。よく目を凝らさないと見ることは出来ないが、その手袋の指先からはピアノ線のような細い糸が伸びている。
そう、男の武器はその細い糸なのだ。

三人は足音を立てずに央里へと距離をつめる。

⏰:09/03/15 13:17 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#290 [渚坂さいめ]
「央里!!!!」

逃げるぞ、と言いかけて傳は口をつぐんだ。
傳の真横で央里はすでに彼らに銃口を向けていた。

肉食獣が小動物を狩るときのような鋭い瞳。
もう央里の心、そして身体は完全に戦闘態勢へと移行していたのだ。

「央里……」

「ちょっと黙ってろ。すぐ終わらすから」

そして、央里は引き金を連続して三回引いた。

⏰:09/03/15 13:17 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#291 [渚坂さいめ]
銃口を自分の前に固定させ三発。銃口は決して揺らしていない。あくまで直線上に三発放った。


そのとき傳は央里が一人に向けて三発打ったのだと思っていた。

央里は銃口を動かさず、ある一点のみを狙っていたことからも傳の予想はまず間違っていないだろう。

⏰:09/03/15 13:17 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


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