【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#1 [桃色◆OQUMeZqegU]
:08/09/03 11:07 :SH706i :☆☆☆
#2 [桃色◆OQUMeZqegU]
投下時間は9/7(日)12:00〜26:00まで!
投下時の注意
※このスレでは、普段使っているHNは使わずに『捨てトリップ』のみを使って書き込んでください!
トリップに関してはこちらをご覧あれ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3870/・投下する前に、必ず「今から投下します。作品タイトルは〇〇〇です」という宣言をしてください!
宣言は早かった人が先です。同時に2人が宣言したら、早かった人がまず投下、その人が終わってから次の人が投下、という流れでお願いします
また、誰かが投下中の時はは宣言などはせず、投下が終わってからにしてください
:08/09/03 11:11 :SH706i :☆☆☆
#3 [桃色◆OQUMeZqegU]
・投下が終わったら、アンカーで自分の作品をまとめて下さい。それが投下終了の合図にもなるのでお願いします
・2作品以上投下する作家さんは、宣言は1回でおkです。1度宣言したら続けて全ての作品を投下しましょう
・やむを得ず投下ストップする際は、必ず「投下ストップします」とレスしてください
戻ってきたら再び投下宣言をして(もちろん誰かが投下中の場合は終わってから)、投下再開してください
この場合は順番に関わらず、再投下する作家さん優先で投下します
:08/09/03 11:12 :SH706i :☆☆☆
#4 [桃色◆OQUMeZqegU]
:08/09/03 11:12 :SH706i :☆☆☆
#5 [桃色◆OQUMeZqegU]
:08/09/03 11:13 :SH706i :☆☆☆
#6 [桃色◆OQUMeZqegU]
いよいよ短編祭スタートです!
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:08/09/14 12:00 :SH706i :☆☆☆
#7 [◆BBhDve0Trg]
今から投下します!
季節はずれですが、タイトルは「サンタにプレゼント」です。
:08/09/14 13:02 :D904i :☆☆☆
#8 [◆BBhDve0Trg]
・・・12月。
また、この季節がやってきた。
「おう、サンター」
「サンタ!!プレゼントくれ」
「サンター。俺、新しいマフラー欲しいんだけど」
(・・・だーかーらー)
「俺は、サンタじゃねぇ!!」
……サンタにプレゼント…
.
:08/09/14 13:05 :D904i :☆☆☆
#9 [◆BBhDve0Trg]
俺の名前は三田一輝(みたかずき)。
「さんた」じゃなくて「みた」。
放課後。
俺の事をサンタと呼ぶクラスメイトを怒鳴り付けた俺は、そのまま教室を出た。
(あーくそっ!!どいつもこいつも!!もとはと言えばあいつが・・・)
「サンター!!」
後ろから、あいつの声が聞こえた。
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:08/09/14 13:07 :D904i :☆☆☆
#10 [◆BBhDve0Trg]
俺は「みた」。
「サンタ」じゃないから振り向かない。
無視して歩いていると、後ろから制服を引っ張られた。
「もーサンタ!!無視するな!!」
こいつは中井優子。
中学からの腐れ縁。
ちなみに、サンタと呼び始めたのもこいつ。
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:08/09/14 13:08 :D904i :☆☆☆
#11 [◆BBhDve0Trg]
「俺はみた!!てか、お前がサンタって呼ぶせいで、他の奴らにも呼ばれるんだけど!!」
背の低い中井を見下ろして怒鳴る。
「・・・そんな怒鳴んなくてもいいじゃん。サンタって、この時期いっつも機嫌悪いよね」
中井は、フンッとそっぽを向いた。
(・・・誰のせいか分かってんのか)
「お前に、俺の気持ちは分かんねーよ。てか、何か用??」
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:08/09/14 13:09 :D904i :☆☆☆
#12 [◆BBhDve0Trg]
「あ!!そうそう・・・」
言いながら、中井はカバンの中をゴソゴソとあさる。
そして、1枚の紙切れを取り出した。
「はい!!これ」
そう言って、紙を俺に渡す。
「・・・クラス会??」
紙の1番上に、「☆平成18年度宮川中3Bクラス会☆」と、大きく書いてある。
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:08/09/14 13:10 :D904i :☆☆☆
#13 [◆BBhDve0Trg]
「そう!!中3の時の!!私と絵美が幹事なんだけど、来れる??」
俺は、紙にザッと目を通した。
「は??てか、わざわざクリスマスイブにやるの??」
イブって言ったら、恋人達の聖夜だろ。
「あ、そっか。サンタは、イブはプレゼント配りで大忙しだもんね」
「・・・おい」
俺が睨むと、中井は無邪気に笑った。
.
:08/09/14 13:11 :D904i :☆☆☆
#14 [◆BBhDve0Trg]
「大丈夫だよ!!調べたところ付き合ってるのは、元3Bカップルの美穂と進藤君だけだから。2人一緒に来れるらしいし」
笑顔で言う中井の手元には、Vサイン。
(・・・お前、自分で言ってて虚しくならないか??)
なんて思った事は、口には出さない。
(・・・あいつら来るのか)
「サーンタ!!で、来るの??来ないの??」
ぼーっとしていると、中井が言った。
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:08/09/14 13:13 :D904i :☆☆☆
#15 [◆BBhDve0Trg]
「・・・行くよ」
「んー分かった!!忘れないでよ!!」
中井はメモをとると、回れ右して走っていった。
俺は、もう一度紙をじっくり見る。
『・・・ごめんね』
忘れたはずの声が聞こえた気がして、俺は頭を左右に振った。
(・・・もう、一年か)
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:08/09/14 13:13 :D904i :☆☆☆
#16 [◆BBhDve0Trg]
――――――――
中二の秋から中三の冬まで、俺には彼女がいた。
それが美穂。
告白したのは俺から。
美穂は、明るくて頭も良くて綺麗で・・・自慢の彼女だった。
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:08/09/14 13:14 :D904i :☆☆☆
#17 [◆BBhDve0Trg]
『・・・他に好きな人ができたの』
中三の冬、十二月の初め。
そう、ちょうど今頃の時期。
美穂が別れ話を切り出した。
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:08/09/14 13:16 :D904i :☆☆☆
#18 [◆BBhDve0Trg]
美穂の進路希望は、県内で五本の指に入る進学校。
一方俺は、そことは比べ物にならない普通の県立高校。
美穂が好きになったのは、美穂と同じ高校を目指す進藤。
まぁ、よくある話。
その後、二人は無事志望校に合格し、進藤からの告白で付き合い始めた。
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:08/09/14 13:17 :D904i :☆☆☆
#19 [◆BBhDve0Trg]
『・・・ごめんね』
別れる時、本当につらそうに美穂は言った。
きっと、俺のことを嫌いになったわけじゃない。
それはよく分かった。
なのに・・・
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:08/09/14 13:17 :D904i :☆☆☆
#20 [◆BBhDve0Trg]
『もう、いーよ』
俺の口から出たのは、ひどく冷たい一言。
・・・あの時の美穂の泣きそうな顔が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
何度も、何度も後悔した。
あの時、もっと優しい言葉をかけてやれたなら。
あんな顔、させずにすんだのに。
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:08/09/14 13:18 :D904i :☆☆☆
#21 [◆BBhDve0Trg]
――――――――
「・・・ここか」
イブ当日、俺は中井に渡された紙を見て、店の名前を確認していた。
(・・・よし)
店のドアに手をかける。
「あれー?サンタ?」
声をかけられて、俺はドアに手を当てた状態で止まった。
(この気の抜けた声は・・・)
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:08/09/14 13:20 :D904i :☆☆☆
#22 [◆BBhDve0Trg]
俺はゆっくりと声のした方を向く。
・・・予想通り。
振り向くと、いや、正確には振り向いて少し下を向くと、中井が不思議そうな顔で俺を見上げていた。
「なに?サンタも遅刻?」
中井は何が楽しいのか、笑いながら言った。
「あぁ、電車乗り過ごして・・・てか中井も?幹事のくせに?」
「ほら!!早く入ろ!!」
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:08/09/14 13:21 :D904i :☆☆☆
#23 [◆BBhDve0Trg]
質問には答えずに、中井は俺を押し退けてさっさと店の中に入っていく。
(・・・おいおい)
呆れながら中井の後に続く。
その時、中井が俺の方を振り向いた。
そして、まるで俺の心を読んだかのように、へへっと笑ってみせた。
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:08/09/14 13:22 :D904i :☆☆☆
#24 [◆BBhDve0Trg]
――――――――
「あ、サンタ!!おせーぞー!!」
部屋に入ると、すでに全員揃っていた。
「わりぃ!!電車乗り遅れた」
言いながら俺は、空いていた席に座る。
視界の隅に、美穂と進藤が隣同士に座っているのが見えた。
俺はさりげなく視線をずらして、二人を視界からはずす。
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:08/09/14 13:23 :D904i :☆☆☆
#25 [◆BBhDve0Trg]
まともに見る勇気は、まだない。
「あ、優子おそーい!!てか幹事のくせに遅刻って!!」
トイレに寄っていた中井が、遅れて部屋に入ってきた。
「ごめーんー!!」
手を合わして謝る中井。
(ふ・・・言われてら)
中井は座る暇もなく、もう一人の幹事である三宅に引っ張られ前に出る。
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:08/09/14 13:24 :D904i :☆☆☆
#26 [◆BBhDve0Trg]
「えー・・・ではやっと全員揃ったので」
三宅が言う横で、中井は慌ててかぶっていたニット帽を取る。
「みんな、飲み物の準備はいいですかー?」
「おー!!」
そこでみんな、それぞれの飲み物を手に持つ。
俺のとこには、すでにコップにつがれたジュースがあったのでそれを持つ。
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:08/09/14 13:25 :D904i :☆☆☆
#27 [◆BBhDve0Trg]
「え!?私持ってないよぉ」
と言いながら焦る中井に、そばに座っていた美穂が飲み物を渡しているのが見えた。
「それでは!!今日全員揃って集まれたことを祝して!!」
「「かんぱーい!!」」
結局、全部三宅が仕切っていた。
・・・中井が前に出た意味はあったのか?
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:08/09/14 13:26 :D904i :☆☆☆
#28 [◆BBhDve0Trg]
――――――――
「・・・はー、さみぃ」
俺は一人店から出て空を見上げた。
中の盛り上がりは最高潮で、熱気もすごい。
温まった体に、外の寒さは身に染みた。
空には二三個星が見えるだけで、他は黒。
その黒さが、吐いた息の白さを際だたせる。
息は徐々に色を失い、他の空気と混ざり、溶けて消えた。
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:08/09/14 13:27 :D904i :☆☆☆
#29 [◆BBhDve0Trg]
美穂と進藤は、超が付くほどお似合いだった。
周りの奴らは俺を気遣ってか何も言わなかったけど、俺から見てそうなんだから、他の奴らから見てもそうなんだろう。
視界の隅に時々うつる美穂の笑顔は、昔と変わらずまぶしかった。
・・・あの頃、俺に向けられていた笑顔。
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:08/09/14 13:28 :D904i :☆☆☆
#30 [◆BBhDve0Trg]
俺は今日、本当は、付き合っていた頃のように普通に話せることを期待してた。
あ久しぶり、とか言って。
何事もなかったかのように。
けど実際は、視界の隅に映る二人を見るのが精一杯で、目すら合わせられなかった。
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:08/09/14 13:29 :D904i :☆☆☆
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