【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
最新 最初 全
#55 [◆BBhDve0Trg]
なんだか可笑しくて、俺も笑えてきた。
中井も満足げに笑う。
「何こそこそ話してんだよー!!早く座れ!!」
さっき「サンタと中井」と言った奴が言って、俺たちは顔を見合わせてまた笑った。
この様子だと、周りの奴らも言った本人も気づいてないようだ。
「行こっ!!」
中井が自分の席に向かって歩き出す。
.
:08/09/14 13:54 :D904i :☆☆☆
#56 [◆BBhDve0Trg]
「あ!!おい、雪!!」
その時、進藤が窓の外を指さして言った。
空から白い結晶がパラパラと舞い降りている。
「え、うそ!?」
「わー!!」
みんな口々に言いながら窓に近づく。
「雪!!」
中井も目を輝かせて、窓の方へ向かう。
途中、中井が俺の方を振り向いた。
.
:08/09/14 13:55 :D904i :☆☆☆
#57 [◆BBhDve0Trg]
「ほら、サンタ!!」
そう言って、本当に嬉しそうに笑った。
その笑顔は、美穂に負けないぐらいまぶしくて、輝いて見えた。
.
:08/09/14 13:57 :D904i :☆☆☆
#58 [◆BBhDve0Trg]
・・・その瞬間、俺の中で中井が、一人の女の子に変わった。
けど、そのことに俺自身が気づくのは、まだもう少し先の話・・・。
・・・明日はクリスマスだ。
.
:08/09/14 13:58 :D904i :☆☆☆
#59 [◆BBhDve0Trg]
:08/09/14 14:01 :D904i :☆☆☆
#60 [◆67oIOf49hA]
投下させて頂きます
「幸せの象徴」
:08/09/14 14:05 :SO906i :☆☆☆
#61 [◆67oIOf49hA]
私はずっとそこで1人だった。
いつものように、そよ風が心地よくあたり、時々私を訪ねる友と親しみのキスを交わす。
でも、ずっと1人だった。
そんなある日、流れていく白い雲を眺めていたら、あなたが私の前に現れた。
優しい笑顔で私に近づいてきた貴方は、そっと触れて、頭を撫でてくれる。
「君は1人ぼっちなの?さみしいね……」
その優しい手つきに、私の心は温かさで満ちていった。
指先1本1本が、私を気遣うように動く様が、たまらなくいとおしく感じる。
:08/09/14 14:07 :SO906i :☆☆☆
#62 [◆67oIOf49hA]
その時、遠くで誰かがあなたを呼んだ。
それに返事をしたあなたは、私の方を向いて、また優しく微笑むと、「またね」と告げて去って行った。
私はその後ろ姿をずっと見つめる。
[またね]
ここにずっといれば、またあなたに会えるのかしら。
頭には、まだ触れられた温かさが残っている。
誰も私に見向きしないなか、あなただけは私に触れ、「さみしいね」と気持ちを分かってくれた。
嬉しかった。
そんな人は初めてだったから。
:08/09/14 14:08 :SO906i :☆☆☆
#63 [◆67oIOf49hA]
あなたが「またね」と言ってくれるなら、私はずっとここないるよ。
ずっと待ってるよ。
あなたに会いたいから……。
でも、あなたは来なかった。
ずーっとずーっと来なかった。
でも、私は待ち続けた……。
明日なら、あなたに会えるかもしれないでしょ?
明日なら、またあなたが微笑んでくれるかもしれないでしょ?
あなたと交わした小さな約束。
それを守るために、私はずっとここにいるよ……。
「あれ、あなた」
たまにしか私を訪ねない友人が、いつもの派手な服で身をまとい、やって来た。
:08/09/14 14:09 :SO906i :☆☆☆
#64 [◆67oIOf49hA]
「なぁに?」
「まだいたの?」
「だって、約束したんだもの」
「でもあなた、自分で言ったじゃない。もう無理だって」
待つのが無理なのじゃない。
私の体が無理なのだ。
私は短い一生を終えようとしている。
体はボロボロで、立っているのだってやっとだ。
前はあんなに近かった白い雲が、今ではこんなにも遠い……。
あなたが来ない日が続いた。
私の命が途絶える日が近づいてきた。
:08/09/14 14:10 :SO906i :☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194