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#222 [◆LOSh2yD9/c]
「じゃ、また来週な」
「ああ、ありがとな」
俺と玲司は家が反対方向なので駅で別れた。
週末使って、気持ちの整理をしよう
電車に揺られながらそう考えていた。
駅から降りてチャリ置き場へ向かおうと歩いていると、何かを叫ぶ声が聞こえた。
「湊!」
:09/05/10 05:52
:F906i
:☆☆☆
#223 [◆LOSh2yD9/c]
振り向くと、そこには見覚えのあるニット帽をかぶった伊達眼鏡が、物凄い形相で立っていた。
「げっ?!な、何でっ……??!」
「何ではこっちの台詞だ。お前、一体どういうつもりだ?」
「えっ?!いや…あのっ……」
ぎいやあああ〜〜〜!!
鬼が!鬼が見えるううぅぅぅっ
「とにかくこっち来い!」
「え゙?!!ちょっ、ま、待ってく「問答無用」
い゙や゙あ゙あ゙あ゙ー!!!
:09/05/10 05:55
:F906i
:☆☆☆
#224 [◆LOSh2yD9/c]
しどろもどろになっている俺の腕を掴み、強制的に連れて行かれる。
慧弥さんは俺の手を引きズンズン進む。
「けっ慧弥さん!どこ行くんですかっ?!」
「車」
ぎやああああ〜〜〜
俺拉致られる!!
…本気でそう思った。
:09/05/10 05:58
:F906i
:☆☆☆
#225 [◆LOSh2yD9/c]
「…で?」
「いやぁ……あのですねぇ……」
「何だ。言い訳ぐらいは聞いてやる」
「そのぉ……」
俺は今、慧弥さんの愛車であろう全面スモークガラスの外車の中で、取り調べ(紛い)を受けている。
「えっと…、その前に、質問いいですか?」
「質問してるのはこっち」
ギロッと睨み付けて言い放つ。
…こ、怖いんですけどぉぉおお!!
:09/05/10 07:41
:F906i
:☆☆☆
#226 [◆LOSh2yD9/c]
「…はぁ。とりあえず移動する」
「え?」
「流石に一日中停車しているのはまずいし怪しまれる」
「………」
そう言ってエンジンをかけると、慣れた手付きで車を走らせた。
流石、外車は違うと思った。
走りが全然違うし、乗り心地も一般車とは比べ物にならないくらい快適だ。
:09/05/27 14:07
:F906i
:☆☆☆
#227 [◆LOSh2yD9/c]
沈黙が続く。
慧弥さんは只真っ直ぐ前を見つめている。
その瞳には、さっきまでの怒りの色をもう映してはいなかった。
「慧弥さん、あの…すみませんでした」
「………」
「昨日、行けなくて……」
「…"行けなかった"んじゃなくて"行かなかった"んじゃないの?」
「え?」
俯いていた俺は顔を上げると、前を見ていた筈の慧弥さんが、俺の方を向いていた。
:09/05/27 14:44
:F906i
:☆☆☆
#228 [◆LOSh2yD9/c]
その表情は俺を咎める訳でもなく、悲しそうに微笑んでいるようだった。
慧弥さんは再び視線を前に戻すと、唐突に口を開いた。
「お前を待っている間、一度警察に職務質問された」
「ええっ?!」
「まぁ怪しむのも当然か。で、俺はどうしようか迷った訳。」
そうだろうね!
こんな高級車、この場所には似合わないよ!!
…と、心の中でツッこんだ。
:09/06/01 04:45
:F906i
:☆☆☆
#229 [◆LOSh2yD9/c]
「で、そのおっさんは俺と握手をして去って行った」
「はあ?」
「何で昨日来なかったの?」
「…それは……」
「お前も、"俺を見て"判断する奴なの?」
慧弥さんが何を言いたいのか良くわからなかった。
でも、もう誤魔化せない。
これは夢じゃない。
慧弥さんと俺はもう、"出会って"いるのだから……
:09/06/01 04:48
:F906i
:☆☆☆
#230 [◆LOSh2yD9/c]
「慧弥さん…あなたは、"画家"の雨宮川慧弥なんですか?」
赤信号になり、車がキキッと音を立てて止まった。
ゆっくりと俺を見て答える。
「…ああ」
その言葉に、何故かホッとしたのと、やっぱり、と言う思いが交差した。
「…そっ、それならそうとちゃんと言って下さいよ!!俺全然知りま…っ!」
「ああ、いいよ。その方がいいし」
「へ?」
:09/06/01 05:46
:F906i
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#231 [◆LOSh2yD9/c]
「知らなかったからこそお前は…少なくとも、素に近い自分を曝け出していただろう?」
「あ、あぁ…」
少なくとも、ってゆーか…素でした!!(おい!)
「それに、俺は"絵は趣味だ"って言ったし、画家だって言おうとしたらお前は電話に出た」
「え!?趣味だけじゃそれが職業なんてわかんないし電話は仕様がないんですけどっ」
「俺は画家が趣味なんだよ」
「…!!」
:09/06/01 05:48
:F906i
:☆☆☆
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