短編集
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#16 [◆LOSh2yD9/c]
とにかく、陽菜とは絶対一緒が良い訳で。
あたしは陽菜と笑っている時が一番好き。


約一年前、陽菜に彼氏が出来たと聞かされた時は一緒に喜んだし、心から祝福した。
と同時に、少し寂しかった。

だって、陽菜はあたしの親友で、もう二十年近くの付き合いだもん。

だから、陽菜を泣かせる奴は許さない。
陽菜には、幸せになって欲しいから…

⏰:08/09/21 12:17 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#17 [◆LOSh2yD9/c]
そんなことを思っている内に、あたしは裏路地を抜けていた。

角を曲がった先には、ピンクの光に照らされた二人がぎこちなく立っていた。

陽菜と直くんだ。
二人に近付くにつれ、何とも言えない微妙な空気が嫌でも伝わってくる。

「おーい」

でもあたしはそんなのお構いなしに、呼びかけと共に大きく手を振った。

⏰:08/09/22 16:53 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#18 [◆LOSh2yD9/c]
…だって気まずいじゃん!

もっと良い登場の仕方があったかなぁ…

うー、でもこれがあたしの精一杯だよぉー



あたしの声に気づき、陽菜がパッとこっちを向いた。
一瞬ニコッと笑って、悲しそうに微笑んだ。

直くんは、ちらっとこっちを向くと、すぐにそっぽを向いてしまった。

⏰:08/09/22 17:09 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#19 [◆LOSh2yD9/c]
あたしはバイクから降りた。

辺りはひっそりとしていて、只この微妙な雰囲気に似合わない程の明るい光が、ピカピカ照らしているだけだった。

時折直ぐ隣にある道路で走り去る車の音が響いている。


「…陽菜、大丈夫?直くんも…。どうしたの?」

「………ごめんねゆっきー、来てもらっちゃって…」

⏰:08/09/23 23:46 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#20 [◆LOSh2yD9/c]
目が赤い。
鼻声だし、化粧も崩れてるみたい。
相当泣いたのかな…


「いいんだって!てかビックリしたよー。慌てて飛び出したから、こんな姿でごめんねっ」

あはは、と陽菜が笑う。
あたしは少しほっとした。

横目でちらっと直くんを見ると、相変わらずそっぽを向いていた。

「…で、何があったの?」

⏰:08/09/23 23:55 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#21 [◆LOSh2yD9/c]
「………」

陽菜は黙ったまま鼻を啜っている。

あたしは陽菜が話し出すまで待った。まずは落ち着かないとね。

「…………あのね、」

「うん」

「……直人が、」

「うん」

「…また裏切ったの!」

⏰:08/09/24 00:01 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#22 [◆LOSh2yD9/c]
「は?」

「っ、だから違うんだって!!」

陽菜が言い終わったと同時、それまで黙っていた直くんが抗議の声をあげた。

「え?」

「何が違うって言うのよ!同じ事ばっか繰り返してっ」

あー、もしかしてあれかなぁ…

段々、何となく話が見えてきたあたし。

⏰:08/09/24 00:07 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#23 [◆LOSh2yD9/c]
「…何あれ…ヒソヒソ…」

「ヒソヒソ…あはは…」


何やら声が聞こえた。
振り返ると若いカップル(だと思う)が、こっちを見て(明らかに)笑っている。


そりゃそうだよね。
ラブホの前で男女三人で突っ立ってんだもん…
うん、怪しいよね。

⏰:08/09/24 00:25 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#24 [◆LOSh2yD9/c]
そしてそのカップルは暗闇に消えて行った。

何かちょっと笑えてきた。
客観的になるあたし。


「…場所変えよっか」

すると陽菜が苦笑しながら言った。

「そうだね」

あたしも笑いながら答えた。

あたしはバイクを押し、直くんが自転車を押しながら、あたし達はその場を去った。

⏰:08/09/24 02:05 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#25 [◆LOSh2yD9/c]
少し歩いた所に、小さな公園を見つけた。

「此処でいっか?」

「うん」


あたしと陽菜はブランコに跨り、直くんはあたし達から見て正面のブランコを囲んでいる棒に腰掛けた。

「ゆっきー、直人がね、また女と逢ってたんだよ」

公園にはあたし達以外誰もいない。道路からも離れているので、陽菜の声だけが重く響く。

⏰:08/09/24 02:16 📱:F906i 🆔:☆☆☆


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