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#76 [◆LOSh2yD9/c]
「本当だね。癒されるよ〜」

「相変わらず楽しい職場だこと。ね?」

そう言って意地悪く笑い、サンドイッチに手を伸ばした。


―そう。

私のままも看護師。

だから、私もままのような看護師になることが、小さい頃からの夢だった。

…なんて、そんなの大きな間違い。寧ろその逆。

看護師なんて、絶対なりたくなかった―

⏰:08/11/10 00:20 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#77 [◆LOSh2yD9/c]
「うん。楽しいよ」

私は何の迷いもなく即答した。

ままは一瞬きょとんとした後、ふっと鼻で笑った。

恐らく予想外の反応だったのだろう。

「…もう二年目だものねぇ」

「早いよね」

「……実紗が看護師になるって言い出した時は、流石に驚いたけどね」

「あはは…そうだよね。まぁ自分自身が一番びっくり、みたいな」

⏰:08/11/10 17:11 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#78 [◆LOSh2yD9/c]
私は苦笑いしながら夜勤用の余りのお菓子を口に放り込んだ。

「…しかも私さ、ままにハッキリ断言してたもんね。"私は看護師にはならないからね"って」

「しかも随分昔からね」

「…う、うん」

最早苦笑いしか浮かべられない。

そう。

あの時の私は、将来看護師になりたいなんてこれっぽっちも思ってなかった。

⏰:08/11/13 01:21 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#79 [◆LOSh2yD9/c]
「でも今じゃ立派な、でもないか?看護師さんね」

ままはまたクスリと笑う。

「ちょっとー!それ誉めてないよねー?」

私も笑いながらまたコーヒーを飲む。


―――いつからだろう。

私が看護師になろうと決意したのは…

―――あぁ、高校最後の夏か…

我ながらふざけてるよなぁ。
それまで本当に何も考えてなかったんだから…

⏰:08/11/13 01:29 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#80 [◆LOSh2yD9/c]
中学…高校って、将来のことを聞かれた時、特別夢がなかった私は、いつも"え〜まだ良くわかんないよ〜"って答えてた。

興味のあることや好きなことは勿論あったけど、それを仕事にしたいとか思えなかったし、私自身、将来について真剣じゃなかったんだよね。きっと。
てかそうか。

でも昔から"看護師にはなりたくない"って考えはハッキリあった。

"何で?"って言われたらハッキリ答えられなかったけどさ。
自分でも良くわからなかった。

⏰:08/11/13 01:41 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#81 [◆LOSh2yD9/c]
今でも何でそう思ってたんだろう、って思う。

でも、高校3年にもなればみんな将来のこととかちゃんと決まってる時期だし、それに向けて動き出して一生懸命になっている友達を見て、流石に私も焦った。
それじゃ遅いんだけどね。

何となく漠然と考えてはいたけど、"まぁ何とかなる"って現実から目を反らしてた。

成績はそんな悪くはなかったし、やっぱり遊んでる時の方が楽しいもんね。

⏰:08/11/13 01:51 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#82 [◆LOSh2yD9/c]
馬鹿な私は高校最後の夏、やっと真剣に自分の将来について考えた。


「………まま、私、……看護師になる」


色んな学校を見て回って、沢山悩んで沢山考えた結果、辿り着いた答えは私が"絶対なりたくない"と断言したものだった。

私の答えに、ままは一瞬だけ驚いた顔をした後、"……そう。頑張りなさい"と、只優しく微笑みながらそう言うだけで、理由は聞かなかった。

⏰:08/11/13 02:09 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#83 [◆LOSh2yD9/c]
それから私はひたすら勉強をした。

遅い決断だったし、今の私の学力じゃ厳しいってわかってる。

最悪、浪人するかもしれない。

そう覚悟はしてた。


でも努力して努力して…
最後の最後まで諦めなかった。


そして、その努力が実ったのか、私は晴れて看護学生になることが出来た。

⏰:08/11/13 02:24 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#84 [◆LOSh2yD9/c]
…嬉しかった。

本当に、合格通知が来た時は飛び跳ねて喜んだっけ。

家族も友達も、みんな喜んでくれた。


数日後、教材やらナース服やらの荷物が届き、私は嬉しくなって早速ナース服を着てみた。

ままにそれを見せると、"…実紗も、本当に看護師になるのねぇ……"なんて言ってた。

その時ままが涙ぐんでたのは、私の見間違いじゃなかったと思う。

⏰:08/11/13 02:45 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#85 [◆LOSh2yD9/c]
その時、"学生じゃなくて、絶対看護師になろう"って、心に誓った。


それからが辛かった。

覚えることは山のようにあって、一つの教科が終わればすぐテストだし、毎日レポートに追われ、常に寝不足状態。

おまけに実習なんかが始まれば、遊ぶ余裕さえなかった。


何度挫けそうになったか。

何度逃げ出したいと思ったか。

⏰:08/11/14 03:16 📱:F906i 🆔:☆☆☆


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